優秀なマーケティング人材採用のために把握すべき4つのスキルセット

自社内でマーケティング力が足りない、という課題をかかえていませんか。
そういった企業の多くが、マーケターの採用に力を入れるようになってきました。

しかし近年のマーケティングは専門分野が細分化されているため、自社に適したマーケターを採用できたとしても、事業責任者がマーケターと正確なコミュニケーションを取ることにつまづいているケースもあります。

この記事では、マーケティングにおけるスキルセットと、それを分解して目線を合わせたコミュニケーションを取ることの必要性についてご紹介します。

これからマーケターを探す企業の方にも役立つ内容となっていますので、採用前に見ておくことをおすすめします。

一般的な人材に求められるスキルセットとは

スキルセットとは、その職種で仕事をするために必要な、個々人の能力・資質・経験などの組み合わせを指します。

例えば、社会人として能力を発揮していくために必要な一般的なスキルセットとしては、以下のようなものがあります。

・コミュニケーション能力
・論理的思考力
・分析力
・プレゼンテーション能力
・文章力
・PowerPointやExcelなどのドキュメンテーション能力

またキャリアアップし、より高いレベルで仕事をするためには職種によって必要なスキルも変わってきます。

・企画力
・マネジメント能力
・コーチング能力
・経営の視点
・会計の知識
・コンプライアンスの知識

では、マーケティングにおいて必要なスキルセットにはどのようなものがあるのでしょうか。

マーケティング人材に求められる基本的なスキルセット

マーケター全体に必要なスキルは5種類あります。

・構造化スキルと論理的思考能力
・業界知識
・マーケティングツール(BI、CRMなど)の使用スキル
・広告におけるコミュニケーション能力
・Webマーケティングの基礎的な知識

マーケティングは細分化され、それぞれの分野ごとに必要なスキルが違うとはいっても、これらのスキルは普遍的に必要となります。

専門分野から採用するマーケターを絞るのも大切ですが、これらのスキルを最低限持っているマーケターかどうか、面接など採用前の時点で見極めることが重要です。

マーケティング人材の専門的なスキルセット

ここからは専門的なマーケティングスキルについて見ていきましょう。
細かく見ていけばキリがありませんが、今回の記事ではその中でも以下4つのスキルについてご紹介します。

①コンサルティングスキル
②分析スキル
③コンテンツ制作スキル
④デザインスキル

スキル①:コンサルティングスキル

コンサルティングではマーケティングを総合的に見て、全体の方向性を決定します。
具体的な仕事内容としては、以下のようなものがあります。

・ニーズのある商品やサービスの調査
・情報整理と、マーケティング課題の抽出
・ターゲットの整理
・宣伝方法の提案
・マーケティングの評価と修正

そのために必要なスキルは、常に全体を見て、かつ正確に把握する力です。
1つひとつの施策ごとの分析よりも更に多くの情報が入ってくるため情報処理能力が高い方がテンポよく施策を選び、進めることができます。

マーケティングは結果として企業全体の方向性を決めることにもなるため、マーケティングの知識だけでなく経営戦略にまつわる知識も必要となります。

企業がどのような経営戦略を図っているのかを理解することで、よりよいマーケティングができるからです。

単純に商品を多く売るだけでなく、経営方針に合わせたマーケティング戦略の提案ができれば、より効率的に業績を伸ばすことができます。

また過去にいくつかのマーケティングに関わっていて、ある程度経験を積んでいることも必要なスキルです。
未経験でも自分で知識をインプットすることで有能なコンサルの仕事はできますが、企業としてはある程度の経験値は求めておいたほうがよいでしょう。

スキル②:分析スキル

マーケティングでは、自社・商品の客観的な情報や市場の情報を集めて分析することで、会社の行動を決めていきます。

そのため、分析することはマーケティングにおいてもっとも重要なスキルです。

適切なマーケティング分析をしないと、広告などの施策の費用対効果が判断を見誤ることに繋がります。

最終判断をするための基礎データをとることは、事前に施策の正しさを高めることになるのです。

マーケティング分析には多くの手段が存在します。

顧客(Customer)競合他社(Competitor)自社(Company)の3者をメインとした、自社を含めた市場の周辺環境を分析することで、市場全体の強みや弱み、今後の方向性を決めることができる3C分析

自社の状況を把握するために、自社の強み(Strengths)・弱み(Weeknesses)・機会(Opportunities)・脅威(Threats)のそれぞれについて分析するSWOT分析

分析したデータを元に、市場について調査していきます。

細分化された市場(Segmentation)・目標の市場(Targeting)・自社の立ち位置(Positioning)について分析し、企業の立ち位置を明確にするSTP分析

分析したデータは、新たな市場に参入する場合や、既存の市場でも方針を見直す場合などに使われます。

分析結果を元にしたマーケティングは、他社との差別化につながる有効な手法ですが、それぞれの分析手法ごとに専門性が高いため、分析を一手に担うためにはそれなりのスキルが必要となります。

スキル③:コンテンツ制作スキル

クラウドワークスなど、仕事を簡単に受発注できるサービスが増えてきて、Web上でライターとして活動する人が近年増えています。

その中でも、マーケティングスキルを持ってライティング(コンテンツ制作)に当たることが可能な人材の需要が高まっているのです。

例えば記事が書けるライターと、SEOを考慮した記事が書けるライターでは価値が変わりますし、SEOを考慮したライターがメディアの戦略設計まで担当できれば、更に価値は上がります。

価格面だけで採用を決めるのではなく、媒体特性を踏まえたコンテンツがどの程度のレベルで書けるマーケターなのか、書けなかったとしてもコンテンツの価値が評価でき、指針を決められるマーケターなのかを採用の基準としましょう。

スキル④:デザインスキル

デザインとマーケティングは一見あまり関係がないように思えるかもしれませんが、近年、WebマーケティングにおいてUI/UXは必要性が高まっています

視覚情報は直感的に理解しやすいため、施策を理解した上で作られたデザインは、顧客を惹き付ける武器となります。

感覚に訴えるものだからこそ、論理的思考に基づいてつくる必要があるのです。たとえデザイン制作ができなかったとしても、デザイナーをディレクションできることはマーケターにおいて必須スキルとなります。

マーケティングを理解していないデザイナーでも、ある程度詳しければ目を引くデザインは作れます。

しかしマーケティングを理解し、施策の方向性に沿って作ってもらわないと、デザインそのものがきれいでも目的とずれてしまう可能性が高いです。

得意とするデザインのジャンルだけでなく、今までマーケティングの分野でどの程度デザインを手掛けてきたのかも確認してから採用するようにしましょう。

デザイナーが得意なデザインの分野と自社商品のテイストが合致していることも採用の基準となるでしょう。

スキルセットを明確にしないとどうなるか

ここまで、各マーケターが持っているスキルセットをご紹介してきました。
自社にとってどんなスキルが必要なのか、イメージは沸いたでしょうか。

マーケターの役割は、企業や商品によって大きく異なります。
自社で既にまかなえている部分がどこなのかによっても、新しく採用するべきマーケターは変わってきます。

自社にとって必要なスキルセットを見誤ると、双方にとってよくない結果が生まれかねません。

よくあるケースとしては「商品をとにかく売れるようにしてほしい」というざっくりとした依頼をしてしまうケースです。

「商品を売れるようにする」のはマーケティング全体の目標なため、この依頼方法ではマーケティング工程のどの段階を得意とする人材を求めているのかが明確になっていません。

例えば、マーケティング全体が問題ということでコンサルティングが得意なマーケターを採用したとします。
その場合はマーケターも、企業のマーケティング全体の方向性を担うつもりで依頼を受けるでしょう。

しかし蓋を開けてみたらコンサルティングの部分は問題なく、本当に必要だったのはSNS運用で、そこからの顧客流入の流れがうまくいっていないことが原因だった、ということがあります。

もちろん採用されたマーケターも、最低限の知識としてSNS運用については勉強しているでしょう。

それでもSNS運用が一番得意なマーケターも別にいたはずで、その人材を採用できていれば、より効率的に結果を出すことができたはずなのです。

このような企業とマーケターのずれが発生しないためにも、自社にとって必要なスキルセットを割り出すことが、採用に向けて動き出す前に必須となります。

マーケターは業務委託人材の活用が得策

自社に適したマーケターを採用するため、スキルセットを明確に伝えることの重要性が分かっていただけたでしょうか。

まずは自社の課題を明確にして、不足しているスキルを割り出し、そこを補えるマーケターを採用することになります。

サイトを表示した短い採用期間の中で、採用候補のマーケターのスキルを明確に把握するのは困難です。

そこで、マーケティングを業務委託の人材に依頼するのはいかがでしょうか。

業務委託人材に依頼すれば、過去の実績がデータとして残っています。
つまり、前もってマーケターが持っているスキルとそのレベルが明確にされているということです。

弊社ではフリーランスマーケターの業務委託人材をプロデュースしておりますので、効率的な採用方法の1つとして、必要であればぜひお声がけください。