オウンドメディア運用の成功の鍵は?運用体制を構築するポイントまで解説

昨今、企業から顧客に働きかける営業手法(アウトバウンド営業)よりも、顧客から企業に働きかける営業手法(インバウンド営業)の重要性が増しています。

テレアポ、飛び込み営業などを代表的な手法とした売り込み型のアウトバウンド営業よりも、オウンドメディアの運用などを通して、有益な情報を発信し続けることで、自社の商品やサービスに興味や好感を持ってもらい、問い合わせや購入につなげるインバウンド営業の方が営業効率は良く、顧客と長期にわたり、友好的な関係を構築することができるためです。

オウンドメディア自体は制作会社に外注することで、容易に立ち上げることが可能なため、昨今、オウンドメディア運用に取り組む企業が増えています。しかし、見込み顧客に継続的に情報を発信し続ける運用体制を整備しないと、問い合わせ獲得や商品購入といった成果に結びつけることはできません。

本稿では、オウンドメディアとは何かといった基礎にはじまり、オウンドメディア運用を成功させるうえで重要な体制構築について解説します。ぜひ本稿を参考にしていただき、オウンドメディア運用を成功させてください。

重要性が増している「オウンドメディア」とは何か?

オウンドメディア(owned media)とは、企業が自ら所有し、見込み顧客をはじめとした読者に向けて情報を発信するメディア(媒体)を意味します。自社のWebサイト・ブログをはじめ、Facebookページのような企業が所有するソーシャルネットワークのブランドページメールマガジンをはじめとしたEメールの様に、企業が主体的にコントロール可能なメディアを指します。

オウンドメディアは自社のWebサイト・ブログやソーシャルメディアが見込み顧客に認知してもらうまでにある程度の時間を要するものの、しっかりと見込み顧客にとって有益な情報を発信し続けて、信頼を得ることができれば、リスティング広告をはじめとしたペイドメディア(paid media)と比較して、費用対効果の高いメディアといえます。

オウンドメディアの重要性が増している理由の一つとして、消費者の購買行動の変化が挙げられます。

昨今では、インターネットが普及し、消費者は自ら情報収集を行うようになりました。2010年に、Googleが行った大規模な調査では、インターネットを使った情報収集が浸透したことで、下記の様な消費者の購買行動が明らかになりました。

・アメリカ人の70%が商品購入前にオンラインレビューをチェックしている
・消費者の79%が買い物の際にスマートフォンを購買活動に利用している
・母親の83%がテレビCMで興味を持った商品についてオンラインで調べている

参考:https://ssl.gstatic.com/think/docs/2011-winning-zmot-ebook_research-studies.pdf

上記の調査からも明らかなように、インターネットの台頭により、顧客が賢くなったため、企業は購買活動の一環として、インターネットで情報収集を行っている顧客に対し、オウンドメディアをとおして、有益な情報を提供する必要性が生じました。

以上がオウンドメディアの重要性が増している理由の一つです。


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オウンドメディア運用を成功させるためのポイント

それでは、企業のマーケティング活動において重要なオウンドメディアをどのように運用すれば良いのでしょうか。

そのポイントは次のとおりです。

・運用の目的を明確化する
・運用の戦略を設計する
・運用の体制を構築する
・オウンドメディアを立ち上げる
・オウンドメディアを運用する

運用の目的を明確化する​

目的を定めるのがオウンドメディア運用の成功には欠かせません。具体的には以下のような目的が挙げられます。

・自社の商品やサービスへの認知度を向上させる
・対象の見込み顧客との接触機会を増加する
・自社の商品やサービスへの問い合わせを獲得する
・自社で運用しているECサイトの販売数を伸ばす

企業の規模や業態・業種によってオウンドメディア運用で達成したい課題も異なります。「誰に対して情報を発信するのか」「何の情報を発信するのか」「発信した情報で何を理解してもらいたいのか」「読者にどのような行動をとってもらいたいのか」を明確化することが重要です。

運用の戦略を設計する​

オウンドメディア運用の目標を設定したら、目標を達成するための戦略を設計します。具体的には以下を設計します。

・ターゲットの設計
・カスタマージャーニーの設計
・KGIとKPIの設計
・チャネルの設計
・キーワードの設計
・コンバージョンの設計
・サイトの設計

上記の様な項目を設計します。

例えば、ターゲットの設計では、「誰に対して情報を発信するのか」といったターゲットを具体的に設定します。ターゲットを決めるうえで有効なのが「ペルソナ」の設定です。設定したペルソナが具体的であるほど、オウンドメディアの情報はターゲットにとって有益なものになります。

例えば、パソコンスクールのオウンドメディアを運用するのであれば、「趣味の写真撮影を楽しみたい64歳の男性」のようなペルソナを設定します。このようなペルソナを設定することで、「デジタルカメラの撮影テクニック」や「デジタルカメラの活用術」といったペルソナに好まれる記事を考えることができるようになります。

運用の体制を構築する​

読者に質の高い情報を発信し続けるために、運用の体制構築は欠かせません。オウンドメディア運用のPDCAを回すのに必要なメンバーの例は以下の通りです。

・プロデューサー/ディレクター
・編集者/ライター
・マーケター/SNS運用担当/広告運用担当
・WEBデザイナー/WEBエンジニア
・データ解析担当

例えば、プロデューサーはオウンドメディアの方向性やテーマを決める役割を担います。編集者は記事の企画案や構成案を作成するのが主な役割で、ライターは記事の執筆を担当します。WEBデザイナーやWEBエンジニアはサイトのデザインやサイトを構築する役割を担います。

いずれのメンバーもオウンドメディアを運用するのに不可欠です。オウンドメディアを長期的に運用し、成果を上げていくためには、運営を自社で行うのか、一部もしくは全部を外部に委託する必要があります。

オウンドメディアを立ち上げる​

立ち上げに必要な業務はサイト制作とコンテンツ制作に別れます。

サイト制作は「要件定義」、「UI設計」、「CMSなど導入技術の決定」、「デザイン」、「コーディング」、「テスト」、「確認」といった流れで行います。

コンテンツ制作は「カテゴリ分け」、「企画案作成」、「コンテンツ制作」、「記事の執筆」、「校正」といった流れで行います。

WEBサイトやブログなどのオウンドメディアでは、SEOやSNSでコンテンツを配信することにより、集客するのが一般的です。必要に応じて、リスティング広告やSNS広告で読者を集めます。

オウンドメディアを運用する

「記事の投稿」、「成果を分析する」、「改善する」の繰り返しがオウンドメディア運用では重要です。

記事は新規で投稿するだけでなく、掲載順位やクリック率を分析しながら、リライトする必要性も生じます。また、現状の課題を常に洗い出し、積極的に改善していく姿勢も大切です。

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オウンドメディア運用の体制構築に必要なポイント

先述したとおり、長期的に記事を配信しつづける体制を構築することが重要です。読者に継続的に役に立つ情報を発信し続ける運営体制が整備されていなければ、成果を出す前に挫折してしまうことにもなりかねません。

しかし、自社でオウンドメディアを運用するのに充分なリソースを持っていないことも考えられます。この場合には、業務の一部もしくは全部を外部に委託することで、リソースを補います。例えば、以下のようにリソースを補うことが可能です。

記事の執筆のみを外部に委託する

オウンドメディア運用のプロセスにおいて、最重要といえる記事の執筆のみを外部に委託する方法です。外部に委託することで、記事の質や量を確保することが可能となり、継続的に読者に有益な情報を配信することが可能となります。

オウンドメディアの企画のみを外部に委託する

目標の設定や戦略の構築から記事のカテゴリ選定などの業務を委託する方法です。

オウンドメディアの運用にかかわる全ての業務を委託する

自社にオウンドメディアを運用するリソースが無い場合には、業務の全てを外部に委託する方法も考えられます。オウンドメディア運用の代行企業に委託するケースもあれば、オウンドメディア運用に長けた個人のマーケターに委託するケースもあります。

様々な委託の仕方が考えられますが、ポイントは業務委託などの契約で専属人材を雇用することです。長期にわたり、専属で業務を依頼することで、自社の商品やサービスを深く理解してもらうことができ、結果的に高品質なコンテンツを読者に届けることが可能となります。

まとめ

始めることよりも継続することの方が難しいのがオウンドメディアです。オウンドメディアは試行錯誤しながら、情報を発信し、読者の反応を見ながら改善していくことが重要です。

しかし、自社のリソースが足りておらず、思うように進めることができないことも多いでしょう。その場合には、ぜひ本稿で述べたように、業務委託のマーケター人材の活用を検討すると良いでしょう。

当社(ブレーンスタイル)でも、オウンドメディア運用に長けた業務委託のマーケター人材を企業にご案内しています。企業の経営者や人事担当の方は、ぜひお気軽にお問い合わせくださいね。


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