マーケターの採用に失敗する理由とは?企業が求めるマーケティング人材の確保のコツ

感染症拡大の影響もあり、toB、toCに関わらず、消費者の行動パターンは大幅に変わりました。
それに伴って、商品の販売方法を転換することが余儀なくされています。

そんな中で特に需要が高まっているのが、webからの集客で結果を出せる、デジタルマーケティングのスキルを持ち合わせた人材です。

消費者が家にこもるようになり、インターネットやSNSを通じて情報収集や買い物をするようになりました。それに合わせて、企業が商品を広めるのをweb上で行うように変更していく必要が出てきたことが、大きな変化でしょう。

しかし、優秀なマーケターを採用するのは難しく、求める人材を採用できない企業が続出しているのが現状です。

この記事では、マーケターの採用の失敗原因や、マーケターの採用を成功させる方法についてみていきましょう。

マーケター採用に失敗する3つの原因


マーケターの採用に失敗する原因は大きく分けると3つあります。
それぞれ確認していきましょう。

原因① 人材不足

マーケターの人材は不足していると言われています。

株式会社BLAMの調査によると、9割のマーケターが自社内でのマーケティング人材の不足を感じているようです。

【マーケティング人材に関する調査】9割以上のマーケターが社内の人材不足を実感

そもそもインターネットが普及し始めたのは1990年台後半で、
デジタルマーケティングの市場が拡大したのは、たった20年の間での出来事です。

しかし、現在では電通の調査によると、インターネット広告の市場規模はテレビ、ラジオ、新聞、雑誌の4大メディアの広告費とほぼ同じ規模にまで拡大しています。

「2020年インターネット広告媒体費」解説。4マス媒体とほぼ並んだ「2.2兆円超」の内訳は?

4大マスメディアの中のテレビは80年前からあるのに対し、デジタルマーケティングは誕生してからわずか20年のものです。
そのため、デジタルマーケティングのスキルは、他の広告手法に比べまだまだ若く、常に研究され続けており、成功するための確かなノウハウを持った人は十分にはいません。

そもそもマーケターとは、「広告を打てる」などという断片的なスキルだけではなく、

・商品やサービスを理解する知識や教養
・商品の価格やターゲットを見極めるための調査力
・宣伝や広告の戦略策定
・顧客心理の動きを把握した上でのコピーライティング

など多角的な能力が要求される専門的な職業です。

そのため、全てができるマーケターは常に人材不足だと言われています。

以前まで4大メディアを用いたマーケティング手法などで活躍してきたマーケターが、デジタルツールの知識や経験が少ないことに悩まされて参入できていないのも、マーケター不足の原因としてあげられます。

webの知識まで要求されてしまうため、デジタルマーケティングの人材は希少性が高く、どの企業も取り合うこととなっているのが現状です。

原因② 企業の求める人物像とのアンマッチ

採用の際に、企業が求める人材ではない人が採用されてしまっているため、実際に稼働し始めてから「思っていたのと違う」となることがあります。

そこには、そもそもマーケターという言葉の概念が、人によって違うという問題があります。

例えばマーケターというと、「あらゆるマーケティング手法を把握していて、マーケティングの戦略を俯瞰的に立て、その後ディレクションすることができる人」をイメージするでしょうか?
それとも、「SEOで上位に表示されるような記事を書くことができる人、HPを作ることができる人、SNSの運用で成功した実績のある人」をイメージするでしょうか?

どちらの人材もマーケターであることには違いありません。
しかし、前者を求めている企業に後者が応募してくると、ミスマッチが起きてしまいます。

企業側としては、拡販についてはマーケターと呼ばれる存在に任せておけばなんとでもなると思っているケースが多いです。
しかし、全体像を見ることができる人材は非常に貴重で、そうそう見つけることはできません。

企業側はどういったスキルを求めていて、何を任せるのか、求職者側は、自分には何ができて、どんな経験があるのかについてすり合わせていないのが原因です。

原因③ 企業のリテラシーの低さ

もちろん、デジタルマーケティングに精通した人間が企業に不足しているから、デジタルマーケティングの人材を採用しようとしているのでしょう。

しかし、マーケティングの知見がない人が採用の判断をすると、失敗してしまいます。

例えば、HPを上位表示させたいのでSEOの得意なマーケターを採用しようと思ったとします。しかし、面接にきた人が本当にSEOが得意なのか果たして判断できるでしょうか。
そもそも、HPを上位表示させることは、企業にとって優先順位の高くない施策かもしれません。

企業の中にマーケティングの知見がある人がいなければ、面接にきた人の能力を見分けることも、そもそもお願いしたい仕事内容を決めることもできません。

また、マーケティングの経験があまりにも乏しいと、予算取りなどでも失敗している可能性があります。
例えば、500万を渡すので、その2倍の売り上げを出すようにしてほしいと依頼をかけたとします。
しかし、売り上げを出すための広告費用を割り出すと、マーケターの手元に残るお金はほとんど残らず、優秀なマーケターであればその案件を受けなくなるかもしれません。

企業には少なくとも1人以上デジタルマーケティングの知見がある人がいなければ、優秀なマーケターを採用することは難しいです。

優秀なマーケターを採用するために見直すべき4つのポイント


それでは、優秀なマーケターを採用するために、企業はどのようなことを見直していけば良いのでしょうか。

① 求める人物像を明確にする

求人媒体などに掲載する場合に、どんなスキルや経験を持った人に、どんな役割を果たしてもらうかを明確に書いていないと、企業側が求める人材を採用できるはずがありません。

採用の段階で、どんな人物に何を求めるかを考えずにとりあえず求人をしているようなケースも多く見られます。

アンマッチを防ぐためにも、主に以下を明確にしておくのがいいでしょう。

・何を目的として求人するのか
・入社後、どんな結果を生み出すのか
・入社後、現状のメンバーとどのように連携を取るのか

これらを事前に明確にしておけば、面接の時に求めている人材かどうかをすぐに判断できるようになります。

② 好条件を設定する

マーケターが市場の需要に対して不足しているということは、他社の求人よりも良い条件で募集しなければ、マーケターが集まるはずがありません。

他にマーケターの採用に取り組んでいる会社の採用条件をリサーチしながら、報酬や休日の条件などの面で、より良い条件にしなければいけません。

報酬や休日の条件だけではなく、マーケターならではの、時間や場所に囚われない働き方を許していることも高待遇だと印象づけることができます。

採用もマーケティングの一環です。
お客様、つまり求職者から見て、どのような条件を提示されたら入りたいと思うであろうかを突き詰めて考えるようにしましょう。

③ 企業内でのマーケティングの重要性を上げる

マーケティングにまで手が回っていない企業は少なくないでしょう。
しかし、そのままマーケティングに対するリテラシーが低ければ、優秀な人材は採用できない上に、いつまで経ってもマーケティングで優位に立てない状態となってしまいます。

マーケティングは、どれだけマーケティング業務に責任を持ってあたり、考え続けたかが重要となります。

そのため、マーケティングに責任を持つ役職を与えたり、マーケティングを担当する部署を新設したりして、社内でマーケティングの優先順位を上げることで、マーケティングのリテラシーは高まっていきます。

④作業の切り出しをできないか考える

そもそもマーケターを採用する必要があるのかどうか、任せる仕事の内容は正しいのかについても考え直す必要があります。

人材を採用したり、その後関係を維持するのにはコストがかかります。
人材にかけるコストの分、マーケティングツールを使用すると、長期的な目で見ると人件費を削減することにつながったりします。

また、作業ごとに外注で切り出すことで、全体的には人件費削減につながる可能性もあります。

そこで、本当にプロのマーケターに頼むべき仕事なのか、ツールで簡略化できることなのか、作業を切り出して外注に任せるべきことなのかを考え直す必要があります。

そうすると、初めに求めていたスキルを持つ人材が不必要であったり、週5日自分の会社のためだけに働いてもらうほど任せる仕事量がないことに気づいたりでき、稼働後のミスマッチを減らすことができます。

マーケター採用の難しさを考慮すると、外注するという選択肢もある

求めるマーケターを採用するのは、コストがかかる上に、失敗するリスクもあることです。
そのため、採用をするのであれば、どのような人物に、どのような業務を任せて、他のメンバーとどのような組み合わせ方をするのかを明確にイメージしてから採用する必要があります。

また、業務を切り分けていくと、採用する必然性が必ずしもあるわけではありません。
スキルや経験がたくさんあるマーケターは転職先を探している場合よりも、フリーランスとして仕事を受けているケースも多いです。

優秀なマーケターを自社で抱えないと、と思っていても、実はその必要性がない場合もあります。
例えば、作業を部分部分に分けることで、SEO対策や広告の運用など、それぞれの業務に特化して経験豊富な方に外注したり、あるいはマーケティングの全体像を見ることができるマーケターに指示出しを任せることも可能です。

当弊社では、マーケティングの業務委託人材を紹介しています。
あらゆるスキルに特化したマーケターや、俯瞰的に戦略を考えられるマーケターまでさまざまです。
採用をご検討の際も、一度外注するという選択肢を考えてみてはいかがでしょうか。