あなたの企業では、マーケティング人材が十分に足りているでしょうか。
マーケティング支援会社の株式会社シンクロによると、半数以上の企業がマーケティング人材の不足を感じています。
【プレスリリース】重要度が高まるアフターコロナのデジタルマーケティング。9割の組織がもつマーケター育成の課題とは?~マーケティング教育についてのアンケート結果まとめ~
マーケティングの基本的な考え方と、デジタルのツールを使いこなす両方のスキルを兼ね備えた人材はなかなか確保するのが難しいため、近年マーケターは不足しています。
マーケティング人材の不足を解消するためには以下3つの選択肢が考えられます。
・マーケティング人材を育成する
・マーケティング業務を外注する
今回はその中でも、マーケティング人材を育成する方法について解説します。
マーケティング人材の育成が必要な2つの理由
マーケティング人材を育成する方法について解説する前に、そもそもマーケティング人材の育成がなぜ必要なのかをお伝えします。
①マーケティングを内製化する必要性が出てきている
かつてのマーケティング手法は、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌の4大マスメディアが主流でした。
しかし、近年、ネットから集客をするwebマーケティングの市場が急成長しており、4大マスメディアを超えるほどになっています。
マスメディアでの広告は、専門の業者に頼むことがほとんどでした。
しかし、webマーケティングに関しては企業内で行うことも増えています。
例えば、HPが上位に表示されるようにするためには、アクセス数が増える「SEO記事」をたくさん書く必要があります。その際、記事を書く上では業界や商品について詳しい人が書いた方が良質な記事を書くことができます。
特に業界や自社商品の紹介について執筆する場合、外注するよりも自社の人間が一番詳しいですし、社内でコミュニケーションをとりながら書いた方がお客様のニーズに応えた記事を書くことができます。
このように、社内でマーケティングを行う方が、近年のマーケティングでは優位に立つことができます。
②マーケティングの多様化とDX化
顧客との接点が、GoogleやSNSでの広告や、LINEやメールでのやりとりなどのオンラインになった現在、マーケティング手法が速いスピードで変化するようになりました。
そのため、マーケティングの業務内容も時代の流行に影響されながら、多岐にわたるようになりました。
それまでのマーケティング手法の価値が突然なくなる可能性もあります。
そんなときには、時代の変化にも対応できるような優秀なマーケターの存在は企業にとって必要不可欠なのです。
必要とされる2つのマーケティング人材像
マーケティング人材を育成するにあたり、どのようなマーケティング人材が必要なのか、2つの具体例をもとに考えていきましょう。
①全体を見ることができるマーケター
マーケティングの業務が多様化していくにともない、それぞれの業務に特化したマーケターが増えてきました。
例えば、SEO記事を書くことを専門とするマーケターやLPを作ることだけを専門とするマーケターです。
マーケターと一口に言っても、守備範囲が異なり、自分の専門とする領域しか見られないマーケターです。
しかし、マーケターの理想像は、マーケティングの考え方に精通しており、どんなマーケティング手法でも成果を出すことのできる人材です。
なぜなら、お客様に価値を伝える手段自体は時代の変化とともにこれからも変化し続ける可能性が大いにあるからです。
手段が変わっても成果を出しつづけるためには、マーケティングの考え方そのものへの知見が必要不可欠となってきます。
②自立して実行できるマーケター
マーケティングの最終的な目的としては、効率よくお客さんに価値を届ける仕組みを作り出すことであり、各業務をこなすことではありません。
例えば、指示されたからといって、自社の記事をたくさん作ることで業務に満足してしまってはいけません。
記事をお客さんに認知してもらうためには、検索したときに上位に自社のHPが表示されていると有利です。
上位表示させためには目的から逆算して業務を行う必要があり、その手段として記事をたくさん書くという選択をすることもあるかもしれません。
しかし、認知を増やすためには、HPを上位表示させるよりも、広告でこちらからアプローチをかけた方が効率が良いことに気づくかもしれません。
マーケティングの業務においては、お客さんに価値を届けるというゴールを達成できるのであれば、何をするかについて正解はありません。
ゴール達成のために、方法を自分で考え、実行してみて、得られた結果から修正する力が必要となるのです。
マーケティング人材育成の3つのステップ
マーケティング人材を育成するためには3つのステップがあります。
ステップ1:現状の把握
マーケティング人材の育成する上で、どれくらいマーケティングスキルがあるかを把握する難しさがつきまといます。
マーケティングは考え方といった上流概念から、実務スキルまで多岐にわたります。
実務スキルも、広告、SEO、ホームページの制作やディレクション、SNS運用など、さまざまです。
さらには、「コピーライティングができる」「記事のライティングができる」というのは、何を持ってできると判断するかの基準が難しい領域になります。
例えば「リスティング広告ができる」ということについて考えてみましょう。
広告の打ち方自体はそれほど難しくありません。
調べたら広告の打ち方は出てきますし、Googleのサポートはかなり手厚いものとなっています。
広告文も、「ここは30文字以内いないで考える、ここは80文字以内いないで考える」と言った制約があるだけで、ただ文章を考えるのは誰にでもできる作業となっています。
しかし、成果の出る広告を打つのは簡単ではありません。
広告文の内容と、LPの内容がどれだけ一致しているのかが、広告の評価につながり、良い広告だと認められると、クリック単価が低くなりパフォーマンスが良くなる、といった専門的な知識が必要です。
リスティング広告のクリック単価をいくらに調整するかは、経験則に基づく感覚で行う必要があります。
また、顧客心理を理解して、見込み顧客となるような顧客だけがクリックするような文章にする必要があります。
今の具体例のように、マーケティングのスキルとは、
単純にできるできないではなく、以下のような細かいレベルでの評価が必要です。
・知識がある
・実行したことがある
・豊富な経験があり、成功を再現できる
これらの評価ができていないと、どんな内容の育成をすれば良いのか把握できません。
しかし、マーケティングの評価基準が明文化されていない企業は多いでしょう。
マーケティングスキルや考え方の全体像の把握ができている人間がおり、企業内のマーケティングへのリテラシーが高くないと評価基準を浸透させることは難しいのです。
ステップ2:教育をする
何が足りないかが把握できれば、次に研修の段階に入ります。
マーケティングにおいては、
「考え方」と「スキルの知識」の両軸で教育していく必要があります。
考え方については、フレームワークや、さまざまな業界の知識などを時間をかけて学んでいく必要があります。考える力を養うのは一朝一夕にできることではないので、辛抱強く考える機会を設けるしかありません。
スキルについては、学ぶ項目が多いのが課題です。
マーケターが実務として行うことの範囲は複数にわたるので、必要なスキルだけを切り出して考える必要があります。
例えば広告だと、「広告を打つスキル」だけでは、不十分です。
広告の文章を考える際のコピーライティング力が必要です。
広告をクリックした先のLPについても考えなければいけません。
LPを作るための知識から、成果が出るためのLPはどんなものなのかという知識、デザインスキルも必要です。
その人材に任せたい業務から逆算して、1つずつ知識をつけられるように教育をする必要があります。
1つの業務を行うにもたくさんのスキルが必要なので、最も効率的に学ぶ方法は、企業内で目的とする業務を先にやっている先輩のもとについて、実戦形式で学ぶことです。
しかし、そうなると既に企業内で行っているマーケティング手法のできる人材は育てることができますが、新しいマーケティング手法に挑戦するためにはどうすれば良いのかという課題が生じてしまいます。
教育できる先輩マーケターの不足を感じている企業も多いという調査結果もあります。
【プレスリリース】重要度が高まるアフターコロナのデジタルマーケティング。9割の組織がもつマーケター育成の課題とは?~マーケティング教育についてのアンケート結果まとめ~
ステップ3:実践する
マーケティングはいくら知識をつけたとしてもできるようにはなりません。
実践の場でアウトプットをし、それに対して結果が生じてから、どうすればよくなるのかを自分で試してまた挑戦するという行動が必要不可欠です。
マーケティングで取り扱う商品も、顧客も同じことは二度とないので、毎回が初挑戦です。しかし、経験が豊富になればなるほど、経験則から失敗しにくくなります。
また、マーケティング人材が一番早く育つための方法は、裁量権と責任を与えて、自分ごととしてマーケティング業務を経験することです。
マーケティングはただの作業として行うのと、成果に責任をもって行うのとでは、学べるものが大きく変わります。
しかし、企業内でそうやってマーケティング人材を育てようとすると、課題が2つ生じてしまいます。
まず、責任をもってマーケティング業務に当たることが可能な人数に限りがあります。そうすると、多くのマーケティング人材を一気に育てることは難しいです。
次に、裁量権を研修段階の人に持たせるのは、かなりリスクがあります。開発した商品が売れないとなると、大きな損害を被ることになってしまいます。
マーケティング人材の育成は一朝一夕に達成できるものではないので、企業の教育体制を整えてから、辛抱強く育成する必要があります。
マーケティング人材を育成する以外の選択肢とは
マーケティング人材を社内で育てる方法についてお話ししてきましたが、いかに難しいかということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
そこで、マーケティングを専門とする業務委託人材に任せるという方法もあります。
マーケティングの能力がある人材は、採用しようとすると、不足している傾向にあります。
しかし、複数の企業のマーケティングに関わるフリーランスのマーケターに必要な業務だけ頼むことはできます。
ブレーンスタイル社では、あらゆるマーケティングスキルや経験を兼ね備えた業務委託人材が揃っています。
業務委託で任せるということも検討してみてはいかがでしょうか。