日本ではまだまだ、どこの企業に属しているのか、あるいはどこの企業出身かということが重視されます。
例えば「元リクルート」「元外資系コンサルティングファーム出身」と聞くと、それだけで優秀そうなイメージがありますよね。
フリーランスの世界でも、もともと所属していた会社の名前で信用を勝ち取ることができ、単価の高い案件を獲得することができるケースもあります。
だからといって、ブランドのある企業にいた経験がないと、単価の高い案件を取れないかというとそういうわけではありません。
フリーランスになってから、どのような実績を積んで、どのような考え方をするかによって、単価を上げることは十分に可能です。
今回は、企業のブランドに頼らずとも、自力で高単価の案件を獲得する方法について見ていきましょう。
単価を上げるための考え方
仕事の単価を上げるためには、「クライアントが高いお金を払いたい相手はどのような人なのか」ということを考えて、それに見合うような働き方をするのが近道です。
①:パッケージ化する
例えば、「記事を1文字あたり◯円で書きます」という形で仕事をとると、収入に限界があります。この場合、「オウンドメディアの構築を全て引き受けます」とパッケージ化をして仕事を引き受けると、単価は向上します。
その理由は2つあります。
1つは、クライアント目線で、成果物が生み出す成果を考える時の基準が変わるからです。
文字単価の場合、「この記事1つで1万円か…」「1万円なのに対し、この記事1つがどれだけの成果をもたらしてくれるのだろうか」と考えられてしまいます。
一方で、オウンドメディアを丸々作るとなるとどうでしょうか。
長期的な目で見て、オウンドメディアがどれだけの集客力があって、ブランディングにつながるのかという大局的な視点で見てくれるはずです。
そのため、成果物に対する価値を考えるにあたっても、より視座が高くなり、高い単価を払う価値があると思ってもらいやすいです。
2つ目は、パッケージ化すると、上流工程の仕事も行うことができるからです。
オウンドメディアの立ち上げを全て引き受ける場合、競合を調査して、戦略を立ててディレクションするといった、「頭を使って考える」作業をこなすことになります。
このような上流工程の作業は、時間単価で換算することが難しいですし、できる人はなかなかいません。そのため、高単価で案件をとることができるのです。
②:業種を絞る
単価を上げるためには、高い単価を払っても良いと思ってもらう、つまり実績が必要になります。その時、業種を絞って案件を獲得していくと、単価を上げやすくなります。
例えばあなたが広告を依頼しようとしているとします。
自分と同じような商品、同じような業種を専門的に行っているマーケターと、幅広い業種の案件をこなしているものの、自分と似た業種の案件はこなしたことのないマーケターのどちらに任せたいと思うでしょうか。
前者に任せたいと思うはずです。
この理由は2つあります。
1つは、業種が絞られている方が、マーケター自身がスキルアップしやすいということです。業種を絞って案件をこなしていると、その業種のターゲットとする顧客のことを深く理解することができます。
複数の案件をこなすにしても、似たような業種ですと、1つの調査をすることが全ての案件に生きてきます。
逆に業種に特化しないと、様々な案件に対して少しずつ調査し、経験を積んでいく、ということになって、いつまでたっても専門家になることはできません。
2つ目は、外から見た時の認知のしやすさです。
業界に特化している場合、この業界でマーケティングを依頼するならばこの人、というように覚えてもらい、話が広まりやすいです。
紹介を引き寄せることもできますし、新規での顧客のリードの獲得もしやすくなります。
③:1人1人の顧客を大切にする
フリーランスとして収入を上げるためには、2つの考え方があります。
顧客数を増やすことと、1人の顧客あたりの単価を高めることです。
顧客数を増やすともちろん収入は上がりますが、顧客数を増やすために営業をするのは労力がかかります。
営業に力を入れるあまり顧客獲得後のフォローが蔑ろになってしまうと、顧客には「成果が出ないなら」となかなか継続してもらえないことになります。
するとさらに営業に力を入れる必要が出てくる、というように悪循環が始まってしまいます。
マーケティングにおいて理想のあり方は、1人の顧客を全力でフォローして、満足度を高めて継続してもらうことです。
顧客の信頼を勝ち取り、継続してもらうためには2つの考え方があります。
1つは、期待を上回る成果を出すことです。
当たり前ですが、期待を上回る成果を出して感動させることはリピートにつながります。
もう1つの考え方は、リピートしない理由をなくすことです。
一度顧客になってくれているということは、少なくとも契約した瞬間は、あなたのことを信頼して、期待してくれているはずです。
そこからマイナスなことが一切なければ、理論上継続されないはずがないという考え方です。
具体的にどうすれば良いか見ていきましょう。
まずは、連絡をこまめにすることが大事です。
連絡をしないと、顧客は今の進捗がどのくらいなのか、期限に間に合うのか、不安に感じてしまいますよね。こまめに報告と相談をすることで、不安に思われることは少なくなります。
他には、先読みして対策を行うことです。
例えば広告を打つとして「広告の文章を考えるミーティングをしましょう」となにも用意をせずに言うと、顧客の時間を奪い、面倒をかけることになります。
一方で「広告の文章を、御社のホームページを読み込んで、こんなふうに考えてみました。ただ、外部の私が作ったので、ニュアンスの語弊や業界の常識などがあれば、お教えいただきたいです」というように、考えるための土台を考えてから提案すると、顧客も無駄なくコミュニケーションを取ることができます。
顧客に「どんなイメージがいいですか?」と曖昧なことを聞いて、悩んでもわからず無駄な時間を過ごさせてしまうのではなく、「これとこれを作ってみたのですが、どちらの方がイメージに近いですか」と聞くと、顧客を困らせることはありません。
単価を上げるための手順
単価を上げるための考え方を知った上で、実際に単価を上げるためにはどのような手順を踏めば良いのでしょうか。3つのステップを見ていきます。
①:身につけるスキルを見定める
高単価な案件を取るためには、需要があるスキルを身につけることが必要となってきます。
特に時代の流れを汲んで、人気で集客効果が高い施策のスキルを身につけるのが重要です。
また、業界の選び方としては、集客の需要があるが、まだ最新のマーケティングが取り入れられていない業界を選ぶ必要があります。
フリーランスとして実績を語る上で「どれだけの期間携わっていたのか」ということも大事な要素になります。
そのため、満遍なくマーケティングができるといってしまうよりは、「FaceBook広告を専門に3年間やっている」など具体的に言えることの方が、顧客も信用して任せやすくなります。
また業界に関しては、1つの業界に絞って仕事をしていくことで「前職でこのような業界のクライアントさんが多かったため、この業界の知識もありますし、どのようなことを課題として感じているのかもわかる」という話ができます。
そのため、前職でのスキルや知識も、この考え方から武器にしていきましょう。
②:まずは単価が小さくても案件を取る
実績があまりない段階で、単価が安くなってしまうのは仕方がないことです。
だからといって、勉強をひたすらして単価が上がるのを待つ、というのはオススメできません。
なぜなら、実際に顧客を獲得し、マーケティングの施策を試してみた人でないとわからないことがたくさんあるからです。
今なにが流行っているのかなどを本で学ぼうとしても、一歩遅い情報しか手に入れることはできません。
本当の意味での「マーケティングの学び」とは、お金を投じて、実際に効果が出るかどうかの検証をした人にしかわかりません。
まずは単価が低くても、とにかく実践することを重視して、仕事を獲得する必要があります。
③:最初のお客さんを大切にする
キャリアの最初の方に獲得した顧客には、丁寧に接する必要があります。
なぜならそこからのリピートが今後の仕事につながってくるからです。
単価が安いからと、焦って他に営業をかけようとすると、さらに単価の低い案件を獲得してしまい、時間を使った割に手残りがほとんど残らない結果になり、また営業に力を入れないといけず、サービスが蔑ろになる、という悪循環に陥ります。
この悪循環に入らないようにするためには、最初の顧客を獲得した時に、営業などに気を取られずに、フォローをしっかりとすることにあります。
一度獲得したお客さんの満足度を高め、さらに商品を買ってもらったり、他のお客さんに紹介してもらうことで派生していくという流れが組めると、営業に苦労しなくて済むので、サービスのクオリティを高めることができます。
④:着実に実績を積み上げていく
最初のお客さんから広がっていくと、どんどんと仕事も入ってきますし、実績とともに値段を上げる交渉も可能になります。
なぜなら、マーケターの行う支援は、集客など売り上げを上げることに直結するため、これだけ売り上げを上げるのだから、これだけの単価を請求したいということを、納得してもらえる形で提案することができるからです。
そこで大事なのは「顧客目線で見て有用な実績になっているか」です。
例えば、Facebook広告で培ったマーケティングの知識を、他のSNS運用でも活用しているというケースはよくあることです。
しかし顧客目線では、その2つがどのような関係があるのかがわかりませんし、どうしてFaceebook広告の専門家に他のSNSの運用を頼まないといけないんだ、と思われてしまいます。
だから、1つの業界に特化する、あるいは顧客も納得するストーリーに沿った展開をすることが大事です。
マーケターは単価を上げることが可能
マーケターの仕事は売り上げに直結するので、単価を上げる交渉も、手順を踏んで説明をすると難しくはありません。
この記事で話してきた考え方を身につけて、手順を踏んで行えば、年収1000万円越えを目指すこともできます。
そのためには、まずは実績のないところで仕事を獲得することが最初の一歩となります。
ブレーンスタイルが提供するマーケターマッチングなど、マーケター専用の案件を獲得できるプラットフォームから最初の案件をとってくるのがオススメです。
ブレーンスタイルが提供するマーケターマッチングでは、マーケターに特化して、クライアントとフリーランスを結び付けています。
そのような場を活用すると、最初から簡単に仕事を見つけることができるため、ぜひ活用してスキルを身につけていってください。