【2021最新トレンド】オーディオアドの実用性とその展望とは

音声広告、通称オーディオアドという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
音声の広告というと、ラジオのCMをイメージするかもしれません。

オーディオアドとは、Spotifyradikoポッドキャストなどの音声メディアの普及に伴って発達した、音声メディアのコンテンツの合間に配信することのできる広告のことです。

まだまだ聴き馴染みのない広告に思われるかもしれませんが、海外では既に普及しており、日本でもこれから大きく流行することが見込まれています。

オーディオアドの利用を検討したことのある方はまだまだ少ないかもしれませんが、日本であまり広く知られていない今だからこそ、一体どんな強みがあるのか、どうやって利用することで有効活用できるのか、詳しく見ていきましょう。

オーディオアドとは

通勤中周りを見渡してみると、イヤホンをしている人がとても多くなったと思いませんか。

AirPodsをはじめとしたワイヤレスイヤホンの普及も手伝い、音声のみの情報を取り入れている時間が非常に増えました。音楽のストリーミング配信アプリだけではなく、オーディオブックやクラブハウスを聞いて、有益な情報を取りにいく人が周りでも増えているのではないでしょうか。

それに伴い、デジタルインファクトの調査によると、デジタル音声広告の市場規模は2025年には420億となり、2021年の8倍にも成長することが見込まれています。

https://digitalinfact.com/release200330/

現に、電通や博報堂といった大手広告代理店が各企業と連携し、オーディオアド配信サービスを展開しています。

オーディオアドの仕組み

大注目されているオーディオアドですが、ラジオにおける広告も似たようなものですよね。それなのにオーディオアドが今注目されている理由は一体なんでしょうか。

その一番の要因は、オーディオアドはターゲット配信ができるということです。

ラジオ広告は、ラジオの視聴者全員に対して、一律で広告を配信します。そのラジオを聞いていることで、「昼間の時間帯に、料理の内容の配信を聞いているのは主婦が多いのでは…」など、ある程度視聴者の当たりをつけて広告配信することはできますが、それでも視聴者一人一人に興味のある広告を配信することは難しいです。

一方のオーディオアドでは、視聴者の情報や普段聴いているコンテンツから趣味や興味を割り出して配信することができます。
広告主にとっては、自社の商品に興味がある可能性が高いターゲットに対してのみ広告を発信することができるため、広告出稿料を低く抑えることができます。

オーディオアドの強み

広告の新しい形としてのオーディオアドは、他の広告と比べて一体どんな強みがあるのでしょうか。3つの強みをご紹介します。

強み① ユーザーに受け入れられやすい

2019年にadobeが行った、18歳以上のアメリカ人1000人を対象とした調査によると、40%は「音声による広告は、テレビやSNS、動画広告よりも押し付けがましくない」と答え、39%は「他の広告媒体よりも興味を引く」と答えたそうです。
つまり聴覚に訴えかける音声広告は、視覚に訴えかける画像や動画による広告よりも、ユーザーに受け入れられやすいという結果が出ているのです。

理由として考えられるのが、人が五感から受け取る情報の割合は、視覚が83%、聴覚が11%であることではないでしょうか。
視覚からほとんどの情報を得ているのに、視覚が広告の情報で埋め尽くされてしまっていると、広告に接している時間、他のことが手につかなくなります。
告はユーザーがもとより欲していた情報ではないことがほとんどなので、負荷が重いと思われてしまいますし、他のことに注意が向いてしまいかねません。

音声広告は、たった11%の聴覚を占めるだけなので、音声広告を聞いている時も、家事しながら、運転しながらといったように他のことも同時並行で進められるので、ユーザーにとって負荷が少なくなるのが大きな理由として考えられるのではないでしょうか。

強み② 視聴完了率が高い

音声広告はスキップできない場合もあります。
しかし、スキップできるものでも、平均視聴完了率が90%を超えているようです。

で すので、広告を出稿し、広告料が発生するタイミングでは、視聴者は広告のほぼ全てを聞いていることとなります。

例えば動画配信サービスの動画広告ですと、◯秒以上再生されたら広告料がかかるといった課金制度の場合、スキップされる事も多いため、伝えたい情報の全てをユーザーに伝えられたか分からないまま広告料を払うこととなります。

またクリック課金タイプの広告ですと、間違えて押してしまって一瞬で離脱してしまうようなお客さんの分も、1クリックとして広告料が発生してしまいます。

そのような、成果につながるほど広告を見てくれたか分からないようなユーザーの視聴に対して広告料を払う必要はないオーディオアドは、効率の良い広告なのです。

強み③ ブランディングの相性が良い

Nielsen Media Labの2017年の調査によると、Spotifyのオーディオアドは画像によるディスプレイアドに比べて、ブランド認知が4倍、関心・購買意欲が2倍、商品理解が28%アップしたという結果があります。

BBCの調査によると、オーディオアドを視聴していたユーザーの94%がながら聴きをしていたそうです。そして、このながら聴きがブランドへの興味を高めていると分析しています。

テレビCMの最中は家族と話したり、スマホを触ったりしているはずなのに、なぜかCMが記憶に残っているように、ながら聴きできる音声広告も潜在的に受け入れられやすいのではないでしょうか。

音声広告の事例

音声広告を出稿するときには、実際にどのような媒体があるのでしょうか。
発信先の具体例を3つ見てみましょう。

発信先① Spotify

Spotifyは無料で音楽を聴くことができる音楽ストリーミングサービスです。
ユーザーは全世界で2億人以上いると言われています。

その無料ユーザーに対して、曲と曲の間に最大30秒の音声広告を発信することができます。
このとき、Spotifyの無料ユーザーに対して、様々なターゲティングをかけることができます。

具体的には、年齢や性別、住んでいる地域といった属性、J-popやロックなど、そのとき聴いている音楽に関する「ジャンルカテゴリー」、日々の視聴や聞いているプレイリストから推測される、現在同時進行している行動に関する「プレイリストカテゴリー」などを選択できます。

ターゲティングやカテゴリーを利用することによって、視聴者の属性や曲を聞いている気分に応じて、求められているような内容の広告を発信することができます。

発信先② radiko

radikoはインターネット上でのラジオ配信サービスです。
パソコンやスマホから無料でラジオを聴くことができるアプリですが、月間700万人ものユーザーに利用されています。

radikoで配信する広告は一見従来のラジオ広告と似ていますが、その違いはターゲットに応じた配信をできるかどうかです。

radikoにおける広告は、過去に聞いたラジオ番組の履歴や会員情報、位置情報からユーザーに合わせた個別の配信をすることができます。

発信先③ podcastオーディオアド

ポッドキャストもインターネットラジオで、近年英語圏を中心に流行しています。英語圏では、人口の37%以上がポッドキャストを日常的に聞いています。
日本でも、オトナルの調査によると、ポッドキャストを月に1回以上聞く人は、2021年1月の段階で1100万人を超えるそうです。

そしてこのポッドキャストでは、日時・曜日・地域・デバイスに対応した広告配信をすることができます。
また、Facebook広告のように、一日の予算に応じた配信量を調整することもできるというメリットがあります。

これからの広告配信の形、オーディオアドを使いこなそう

アメリカなどの海外の動向から推測すると、日本でも聴覚の情報のみを取り入れる、音声媒体の利用者数はこれからも右肩上がりに増えていきます。

ユーザーが集まるところは広告の打ちどころとなり、オーディオアドの市場もこれから拡大していくことは間違いないでしょう。
視聴負荷が少なく、記憶されやすい特徴を持つオーディオアドは、これからの時代の広告配信方法として、欠かせない存在になるでしょう。

広告の種類が、文章でも画像でも動画でも音声でも、もっとも大事なことは、ユーザーの視点に立って、ユーザーの心が動くような広告にすることです。
ですので、音声広告という新ジャンルの広告でも、今まで広告に携わってきた熟練マーケターは難なくユーザーの心に響く広告を作れますし、最新のオーディオアドに既に案件として携わっているマーケターもいます。

そんなマーケターを業務委託人材として採用し、自社で効果的なオーディオアドを作ってみてはいかがでしょうか。