インターネットの利用時間が増えている現代の広告業界では、かつての4大メディアを追い越し、インターネット広告の総広告費が最も多くなっています。
コロナ前後で、不況の中、4大メディアやその他看板や折り込みチラシなど、全ての広告出稿費は下げられてしまいました。
一方で、唯一web広告のみは総出稿費が上がっています。
web広告の強みとして、効果が測定しやすく、小さな単位でも打つことができるので、リスクのある先行投資にはなりにくいです。
そのため、コロナ以後でも出稿者が増えています。
しかし、web広告は種類が多く、全体像がつかみにくくはないでしょうか。
集客をしたいと思い、広告を打とうかと検討しても、全体像がわかっていなければ、優先的に取り組むべき広告にリソースを割くことができません。
今回の記事では、web広告の全体像とそれぞれの強みをみた上で、効果的なweb広告の戦略を考えることができる方法をご紹介します。
web広告の種類
web広告の種類としては、リスティング広告、DN広告、SNS広告、MEO広告、記事広告、アフィリエイト広告、インフルエンサーマーケティングが挙げられます。
一つずつ具体的に見ていきましょう。
① リスティング広告
GoogleやYahoo!で検索したときに、上位数個に表示されているホームページには「広告」と書いてあります。これこそがリスティング広告です。
通常、ホームページを作っただけでは、上の方に表示されませんし、上位表示されていないと、誰にも見てもらえません。
ですので、いわゆるSEO対策と言われる、役に立つ記事をたくさん書いてアクセス数を増やして上位表示を狙う施作に取り組みます。
SEO対策の強みとしては、上位に表示されるようになれば、お金をかけずともHPへのアクセス数が増え、資産となることです。
一方でSEOの弱点は、上位に表示されるまでお金と時間がかかること、対策方法の正解は公表されているわけではないので、対策をしたからといって上位表示されるとは限らないこと、掲載順位の基準は頻繁に変わるので、ずっと上位にいるのは維持も大変だということが挙げられます。
同じく上位に表示させるための手段として、リスティング広告は違う強みを持っています。
広告を出稿さえすれば、すぐにでも、確実に上位に自分のホームページが表示されます。
お客さんがホームページにアクセスするたびに課金される仕組みなので、ずっとお金がかかってしまう点はデメリットと言えるでしょう。
適している商材としては、緊急性が高い商品になります。
今すぐ欲しい、と調べている場合、「広告」という表記は気にせずに、上位にあるホームページから購入を決定する可能性が高いからです。
② DN広告
続いてはディスプレイ広告です。出稿する際にディスプレイネットワークを利用するためにDN広告と呼ばれています。
GoogleやYahooを利用している際に、検索したwebサイト上やトップページで表示される広告です。
画像とともに表示されている広告は、バナー広告という名前で知られています。
webサイト上に表示する際には「このサイトを見ているということは、こういった商品にも興味があるのではないか」という基準の元表示します。
ですので、ユーザーのニーズが検索欄ではっきりと現れているところに自分のホームページを出すリスティング広告とは異なり、商品に興味がある可能性が高いユーザーに広告を表示させます。
DN広告では、ユーザーが欲しいと自覚していなかった状態のところに、画像や文言で興味をひいて、飛ばした先のLPで商品が購入したくなるようなオファーをするという仕組みです。
③ SNS広告
日々インターネットを使用している時間の中でも、SNSを触っている時間が長いことは、実感としてあるのではないでしょうか。
かつては検索といえば、GoogleやYahooで行っていましたが、今ではまずインスタグラムで調べる人もいるほど、使用シーンは増えています。
SNS広告も、自分の商品やサービスが欲しいと自覚しているわけではないユーザーに広告を表示し、興味を持ってクリックしてもらい、LPに飛ばします。
SNS広告の強みは、広告っぽさを消すことができる点です。
各SNSで出稿される広告は、それぞれのSNSの投稿に似通わせることができます。
つまり、広告でも、画像や映像作品としての美しさで興味を惹きつけることができるのです。
SNSではフォローしている人、よく見ている投稿の種類から、ユーザーの趣味嗜好がより分析されやすい特徴があります。
ですので、広告出稿の際の設定によって、どんなことに興味を持っている人に広告を表示するのか、ターゲットを細かく絞ることもできます。
④ MEO広告
GoogleやYahooなどで検索した際に、地図が出てきます。リスティング広告の下に位置することが多いです。
ここに上位表示させるために対策をするのがMEO(Map Engine optimization、マップエンジン最適化)です。
実際に店舗に来てもらうタイプのビジネスモデルでは、Googleで検索して、近くにある店に足を運ぶということも多いので、とても効果的な手段です。
しかし、MEOで上位表示させるための方法も、明確な正解が公表されているわけではなく、力を入れたからといって上位に表示されるわけではありません。
そこで、MEO広告が利用されます。
店舗に足を運んでもらうタイプのビジネスで、その中でも緊急性が高くて「今すぐ近くのお店を知りたい」と思ってもらえるような業種と相性が良いです。
⑤ 記事広告
記事広告とは、SNS広告などで、クリックすると直接LPに飛ばすのではなく、一旦記事を読んでもらってから、さらに興味を持ったユーザーにはLPを見てもらうというものです。
記事では、商品に関する周辺知識を話したり、商品を遠回しに価値づけするような内容で構成します。
記事LPを使用しているケース自体はそんなに多くはありませんが、アプローチの方法は重要です。
いきなり購入しませんかとハードルの高いオファーするのではなく、記事を読んでもらい、さらに興味を持ってもらってからオファーをするという段階を踏んでもらうことで、購入の確率を上げることができます。
⑥ アフィリエイト広告
アフィリエイトとは、インターネット上で発信力のある方に自社商品を販売するのを手伝ってもらうという仕組みです。
依頼する側としては、成功報酬でやってもらえるのが強みと言えるでしょう。
インターネット上で自社の商品を紹介するコンテンツが増えるという点でも魅力的です。
また、広告に疲弊している人が多い中で、第三者かのように商品をお勧めする発信内容は信頼されやすいという特徴があります。
比較検討をじっくりされやすい商材は、特にアフィリエイトとの相性が良いです。
⑦ インフルエンサーマーケティング
アフィリエイト広告とも近いですが、ネット上でファンがいて、影響力を持っている発信者に商品の紹介を依頼する方法です。
フォロワー数に応じて値段が設定されることが多いです。
インフルエンサーによっては、商品の紹介をしすぎて、フォロワーもうんざりしていて全然商品が売れないというケースも多いようです。
ですので、フォロワーとの関係値を構築できている発信者かどうかを見分けることが重要となっています。
戦略の立て方
ここまで、webマーケティングの手段を見てきました。
これほどある手段から、どうやって効果的な施策を選べば良いのでしょうか。
ポイントを2点紹介します。
ポイント① ペルソナを絞る
商品を購入してくれるであろう人を明確にイメージしてみます。
年齢、性別、家族構成、生活スタイル、趣味、考えていることなど、具体的にイメージした上で、その生活の中で、どうやって自社商品を宣伝するタイミングを得られるかを検討します。
どんなアプリを使っていることが多いのか、通勤中にスマホを触っているのか、だらだら休憩しているときに触っているのか。
その生活スタイルや考えていることに応じて、最適なアプローチする手段を考えていきます。
ポイント② PDCAを回すこと
ペルソナはあくまでも仮説ですし、ペルソナから考えた方法が本当に効果的かどうかはわかりません。
ですので、web広告を出稿する際には、単価を小さくして、実験を繰り返すしかありません。
一つの手段がダメだったときに、すぐに別の手段を試してみる思い切りの良さが大切です。
また、広告をクリックしてもらいやすいような文言、画像も実験してみなければわかりません。
何種類もパターンを作って、一番効果的なものはどれなのか、実験してみた上で、成功する可能性が高いものに予算を集中させる必要があります。
web広告を使いこなそう
web広告の種類はたくさんありますが、これで全体像がつかめたかと思います。
全ての方法を知らないのに、「とりあえず年齢層が高いからFacebook広告にしよう」というような短絡的な決め方をすると、他に効果的なアプローチ方法があったとしてもチャンスを逃してしまうこともあります。
どの広告が効果的なのかがわからない場合には、全体を見通せるような経験豊富なマーケターに相談するのが一番です。
また、どの広告を実施するのかを決めたら、その広告の経験が豊富なマーケターが今度は必要になります。
そこで、マーケティングに特化した業務委託人材とともに広告を検討するのはいかがでしょうか。
様々な広告の経験をもち、全体を見通せるマーケターから、一つの広告に特化して専門的なマーケターまでそろっています。
どんな施策をすることが効果的なのかの検討、実際に広告を運用するのも大いに活躍してくれます。