近年では企業の副業解禁やノマドワークの流行などにより、時間や場所にとらわれない新たな働き方に注目が集まっています。
今後は組織にとらわれずに、個として仕事を持つとともに、発信力が重要視される時代となっていくでしょう。
働き方は時間や場所に制約を受けず、また副業推進の流れを受けて複数の収入源を持つことが主流になることが予想されます。
最近では、新型コロナウィルスの影響で、企業におけるテレワークやリモートワークの導入が益々進んでいます。
このような流れの中、未来の働き方をどう捉えていけば良いでしょうか。本稿では、「マーケターのこれからの働き方」について考えていきます。
これからのマーケターの働き方は「多様化」が基本
昨今は急速に働き方に多様性が生じています。
これまでの働き方は、学校を卒業すれば会社に就職し、一つの企業で定年まで勤め上げるのが主流でした。
また、就職活動の際も大手企業に人気が集まり、給料をはじめ福利厚生などの安定感を求める動きがありました。
しかし近年、大手企業においても、終身雇用の制度は絶対的なものではなくなり、業績下降を理由に社員を解雇する一方、能力のある人材を中途採用する等、実力主義な側面が見られるようになりました。
今後は、機械にとって代わる単調な仕事は少なくなくなり、クリエイティブな仕事の需要が増すことが予測されます。
またインターネットやテクノロジーの発達によって、パソコンやスマートフォンがあれば仕事ができる時代になりました。
個人が自分のスキルを商品にし、クラウドソーシングやSNSを使用して、直接顔を見合わせなくても仕事を受発注しています。
従来の仕事とは違うエンターテインメント性の高いスキルを売買したり、評価されるスキルも多様化しています。
就職への考え方も変わってきています。給与などの安定性、伝統よりも、企業の理念や未来志向の企業に人気が集まっています。
個人への裁量を与える会社に価値が高まり、好まれる風土にも変化が生じています。
転職やキャリアチェンジの考え方にも変化があります。これまで転職を重ねることはネガティブなイメージがありましたが、より良いキャリア、自分が活躍できる場所を求めるためのポジティブなものへ変化しています。
このように個人が捉える働き方への意識が変わり、企業も時代を投影したあり方に変化しています。
これから伸びていく企業は、副業の許可など、個人の活動へ尊重する姿勢があるところです。従来のやり方を変えず、社員を縛りつける企業は徐々に衰退することが予想できます。
組織から個人への流れは世界的な流れであり、それに理解を示せない企業は時代にも取り残されるのです。
個人も時代に遅れることがないように、自分のスキルをいかに磨き、伸ばすか考えるべきです。
マーケターに焦点を当てて見ると、デジタルマーケティングが普及し、企業におけるデジタルマーケターの需要が増えています。
デジタルマーケターと一言でいっても、専門分野は多岐に渡ります。自身の得意分野を磨くとともに、幅広く対応出来るスキルを身に付けることで、多様な案件に対応することが可能になります。
デジタルマーケティングの概要や手法、デジタルマーケターの役割など、デジタルマーケティングについて詳しく知りたい方はこちらの記事へどうぞ。
これからのマーケターの働き方は「とらわれない」が基本
終身雇用制度は崩壊しつつあり、企業における人材の活用法は著しく変化が見られます。また働く上で必要なツール、評価されるスキルも変容しています。就職・転職、働き方への考え方も、安定から個の能力を伸ばすことや自己実現に価値が推移してきています。
現代に生きるマーケターが考えるべき「とらわれない働き方」とはどんなものでしょうか。
ここでは具体的にその内容を示します。
時間や場所にとらわれない
近年では急速にリモートワークでの働き方が進んでいます。これは日本政府が打ち出した働き方改革によるものも大きいです。
また紙媒体が主流だった書面のやりとり・捺印もオンライン化し、社内サーバへのアクセスも外部から可能になるなど環境の整備が進んでいます。
打合せ、商談、採用面接にいたるまでWEB化が進み、これまで顔を見合わせて行ってきた業務も滞りなくできるようになりました。
更に、昨今の新型コロナウィルスの影響が企業のリモートワーク化に拍車をかけています。
今後もリモートワークでの働き方は広く普及していくことが予想されます。
働く場所にも変化が起きています。カフェ、レンタルワーキングスペース、自宅で子どもを育てながら働くなど場所に制約されない働き方ができています。
この働き方は、病気や体に不自由がある場合にもメリットがあります。現場に行けないことで仕事ができないというハンディは、もはや無くなりつつあり、希望が持てる時代になりました。
今後は自分が一番心地よく、そして成果が出せる場所を選んで働けるようになるのが当然になることが予測されます。
またフレックスタイムのように、定められた時間を働けば、始業・終業時間を自由に決められる制度もあります。
この取り組みも大企業を皮切りにより普及していくことが予測されます。制度の拡充により、企業で働く社員は格段に自由な選択肢が手に入ります。
ただしその自由と引き換えに、従来の固定給や時給の考え方で賃金を支給する方法はなくなり、個人に対する評価も成果主義を導入する企業がますます増えると予想されます。
それにより本当にスキルのある人だけが評価され、収入面でも豊かになっていくのです。
マーケターの業務内容に焦点を当てて見ると、時間や場所にとわれずに働くことが可能な仕事が多くあると言えます。
データドリブンマーケティング、CRMマーケティング、検索エンジン最適化( SEO)、コンテンツマーケティング、ソーシャルメディアマーケティング、PPC(クリック課金)等、挙げれば多くありますが、これらの業務はいずれも時間や場所にとらわれずに対応可能なものです。
スキルさえあれば、デジタルマーケターは自由に働くことが可能といえます。
テレワークによる働き方について、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。
ひとつの企業にとらわれない
キャリアを重ねるうちに、働く上で大切にする信条や個人の仕事スタイルが構築されます。
そのうちにこれまで所属してきた組織と考え方が合わなくなるのは当然のことです。
価値観の変容に合わせ、働く会社を流動的に変えていくこと、フリーランスでの活動、起業など選択肢をいくつか持っていて良いはずです。何もひとつの企業にとらわれる必要はないのです。
特に日本社会では、組織の中で集団に馴染もうとしない人や前例のないことに挑戦しようとする人は、問題視される傾向があります。
自分の意志を抑えて周りへ配慮することを美徳とする風習もあるので、変わったことがしにくいのです。会社勤め以外での働き方や転職回数が多いこともマイナスに見ることもあります。
しかし、今後はひとつの企業で勤め上げることや肩書に縛られることなく、働くことが可能です。
企業側も従業員の働き方の多様さを受け止めることができないと、淘汰される時代が到来します。
昨今、日本政府は働き方改革を進めています。
そこに理解を寄せ、社員がスキルを伸ばし働く機会や様々な生き方を許容する度量がなければ、賛同する従業員や顧客も離れていくでしょう。
今後は副業ならぬ複業を認める企業が増えていき、個人だけでなく企業も変革を迫られることが予測されます。
将来的には、自分のスキルアップのために副業し、実績を積んでいる社員が魅力的であると価値の変容も起こることが予測されます。
人生ではライフイベントに合わせて、使う時間や働く場所も変容してよいものです。
会社勤めの他にも副業をしたり、独立して事業を始めたり、それぞれの生き方に合わせた働き方の選択肢があれば一生働き続けることはできます。
一度離職すると社会復帰ができないなど、キャリアを阻む悩みも今後は解消できることが予想されます。
フリーランスを経てまた会社員に戻るなど、目指す信条に合わせて流動的に働く場所を選ぶことも可能な世の中になることが予想されます。
また転職回数の多さでマイナスのレッテルを貼られるのではなく、スキルアップを求めた結果での挑戦であることや、多くの経験がある人材だと捉えられる時代が到来します。
デジタルマーケターはスキルがあればあるほど、豊富な案件に対応することが可能となり、案件によっては、週1日~でも働くことが可能です。
複数の企業の業務に当たることで、様々な経験を積むことができ、キャリアを充実させることができるようになります。
キャリアにこだわらない働き方について、詳しくはこちらの記事で解説しています。
これからの働き方を考慮してマーケターとしてのキャリアを築く
これまでの内容を踏まえると、働き方を選ぶ上で重要なのは自分のやりたいことや目標を明確化しておくことです。会社員、フリーランス、起業家など様々な立場の働き方があります。その中でどれが自分が希望するキャリアを築く上で無理のない形かを考える必要があります。
先ほども述べてきたように、特にマーケターは、働く場所や時間に関係なく成果が求められるようになります。働く場所や時間と成果の関係は別物と考えらえるようになり、より評価はシビアになるでしょう。必要なコミュニケーションがしっかり取れ、求められる成果を提示できれば対価が支払われる時代です。
個人のスキルが商品になることを考え、スキルの洗い出しも必要です。個人のスキルを売り出す際、利用する媒体選びなどもできなければなりません。デジタルマーケティングの業務は多岐に渡ります。一つ一つのスキルを深く学ぶとともに、幅広いスキルを身に付ける必要があります。
個人としても自分のスキルを活かせる場所、ライフスタイルを考えて働けるような仕事を考えていくことが鉄則です。今後の働き方は定年までひとつの会社で勤めあげることから、流動的に働き方のスタイルを変え、自分の目指すスキルを求めて転職や独立することがスタンダードな時代になってきます。
景気の変動や会社都合で個人に襲い掛かってくる不運など、それらを乗りこえるために必要なのは紛れもなく、個人のスキルや複業で収入源をいくつか持ちリスクを分散させることです。
まとめ
近年で働き方は多様化を見せています。時間や場所に制約されずに働くことができます。それを可能にする制度としてフレックスタイム制度、リモートワーク、仕事に必要な様々な制度のオンライン化が進んでいます。企業は社員に複業を認め、社員はデュアルワークを通して様々な能力開発の機会を得ます。
デジタルマーケターは未来に備え、希望する働き方、自分のスキルの棚卸しをしっかりすることが重要です。そして自分の働き方に合う環境を見つけること、最も自分のスキルが活かせる仕事を見つける必要があります。
何事にも縛られない自由を手に入れる代わりに、自分を厳しく管理するスキルも必要です。
新しい働き方やキャリアの築き方をしようとすると、周りからは保守的な意見を言われることは多いものです。ただし今後は働き方を上手く変容させられる人が、生き残ることができるのです。