現代の日本では、働き方改革の一環としてテレワークが広がりを見せています。実際に、政府はテレワークの導入を推進しており、従来の常識が変わろうとしていることは間違いありません。
本稿では、テレワークによって、未来の働き方がどう変わっていくのかを説明します。マーケターもテレワークによってより自由に働くことが可能になります。
マーケターにとってテレワークのメリットとは何か?
テレワークとは、拠点の職場から離れた場所で勤務することです。情報通信技術(ICT)が発展した現代の新しい働き方といえます。
テレワークの種類として、在宅勤務・モバイルワーク(取引先や移動中にパソコンや携帯を利用する働き方)・施設利用型テレワーク(サテライトオフィス勤務)などがあります。これらは、一人一人の生活にあった働き方を実現してくれます。
新型コロナウイルスの流行をきっかけに導入が進みましたが、時間や場所にとらわれない働き方として注目を浴びています。
まずは一般的なテレワークのメリットをいくつか紹介し、マーケターにとってのテレワークのメリットについて解説します。
時間を有効活用できる
テレワークの最大のメリットは、今までの通勤の時間や、外に出るための身支度の時間を他のことに活用できる点です。
例えば、育児や家族と過ごす時間、読書などの自己啓発など、自由に時間を使えるようになります。
中には、観光地で旅行をしながら仕事をする人もいるのではないでしょうか。
これはワーク・ライフ・バランスといって、仕事と私生活の調和を実現可能にします。
プライベートを充実したものにすることで、活力を得て、仕事において、短時間でも効率よく成果を上げることができるようになります。
満員電車から解放され、混雑も緩和される
通勤ラッシュ時の満員電車の苦痛を味わったことがある人は、できれば満員電車から解放されたいと思うでしょう。
テレワークが進めば、オフィスに出勤する必要がなくなるため、満員電車に乗る必要は無くなります。
オフィスに出社しなければいけないワーカーも電車の混雑が緩和されて快適になります。
更に、車で通勤していたワーカーがテレワークに移行すると、道路の渋滞が緩和されるだけでなく、CO2削減も可能になります。
環境負荷の軽減からも、テレワークにはメリットがあります。
オフィスコストの低減に繋がる
テレワークによって、オフィスの光熱費や、コピー用紙などの消耗品費、交通費など様々なオフィスコストを削減することにつながります。
無駄なコストを省くことができるので、今後テレワークを積極的に導入する経営者が増えるでしょう。
従来の勤務形態を維持する必要があるのかどうかを見直す必要があります。
また、テレワークが社会に広く普及すれば、オフィスを持つ必要がなくなります。
利便性を考えて、駅の近くのオフィスを借りていた場合は家賃も高くつくので、大幅なコスト削減が可能です。
実際に、コロナウイルスの影響でテレワークを導入してから、オフィスの賃貸契約を解除した企業もあります。
ペーパーレス化やクラウド化による情報共有の効率化に繋がる
テレワークが進むと、紙を使う必要がなくなったり(ペーパーレス化)、会社のシステムをインターネットを経由したり(クラウド化)するようになるため、インターネットを通じた情報共有がスムーズに行えるようになります。
近年はクラウドもセキュリティ高くなっているので、情報漏洩のリスクも減っています。
都市部への雇用・人口集中が緩和される
仕事をする場所にとらわれなくなるため、都市部に集中していた雇用を緩和することができます。
また、介護などの理由から地方を離れることができなかった人たちにも雇用の機会が増え、新規雇用を生み出すことも可能。
テレワークが可能なことをアピールすると、求職者からも人気を集めることができ、離職防止にも効果的です。
今まで働く機会を得ることができなかった人にもチャンスが増えるだけでなく、企業側も新たに優秀な働き手を確保できるwin-winの関係になります。
台風や雪の日などの災害でも仕事が遂行できる
暴風警報が発令していたり、大雪で道が危険であったりと、通勤が危険な状態でも出勤を強いられた経験はありませんか?
テレワークなら、災害時も安全を確保しながら仕事に取り組めます。
新型コロナウイルスの例でよく知られたと思いますが、テレワークはパンデミックが発生した際も事業が継続できる状況を作ります。
また、テレワークは節電対策としても非常に有効です。2011年3月の東日本大震災の際も、首都圏での計画停電の実施にあたって、テレワークがBCP(事業計画性)の観点から大きく注目されていました。
電力消費ピーク時間帯を避けたシフトによって、計画停電の影響を減らすことができたのです。
生産性の向上
営業職では、テレワークの導入により、取引先との迅速な対応が可能になります。さらに、研究・開発職では、計画的に事業を行い効率性が上昇し、労働時間を短縮することで集中的な業務にもつながります。
マーケターにとってのテレワークのメリット
マーケターの業務内容に焦点を当てて見ると、時間や場所にとわれずに働くことが可能な仕事が多くあると言えます。
データドリブンマーケティング、CRMマーケティング、検索エンジン最適化( SEO)、コンテンツマーケティング、ソーシャルメディアマーケティング、PPC(クリック課金)等、挙げれば多くありますが、これらの業務はいずれも時間や場所にとらわれずにテレワークで対応可能なものです。
スキルさえあれば、デジタルマーケターは自由に働くことが可能といえます。
自由に働ける、未来の働き方を考えた詳しい記事はこちらになります。
経済産業省もテレワークを推進している
テレワークには様々なメリットがあり、実際に国もテレワークの導入を積極的に推進しています。
テレワーク推進フォーラムという組織が総務省・厚生労働省・経済産業省等から構成されており、テレワークに関するイベントを数多く開催しています。
中でも、経済産業省は特にテレワーク導入に積極的です。2016年11月に、世耕経済産業相が、経済産業省で働く職員に対してテレワークを導入することを発表しました。
今後、他の省庁でも同様の改革が進んでいくことは予測されます。
また、昨今ではコロナウイルスの影響により、国も企業も益々テレワークの推進は加速していくことは容易に予想できます。
テレワークに関わる勤務規則
テレワークを導入する企業側としては就業規則を変更するべきか悩ましいでしょう。
しかし、多くの企業は就業規則自体は変更せず、付随的にテレワーク勤務規則を作成していることが多いです。全面的にテレワークに移行しないなら、勤務規則は大きく変更する必要はありません。
テレワークで変わるこれからのマーケターの働き方
働き方改革を国家をあげて推進していくことで、テレワークをはじめとしてマーケターの働き方も大きく変わっていくことが予想されます。
実際に、以下のような働き方改革を実施している企業も多く存在します。私たち日本人の働き方はどのように変わっていくのでしょうか。
副業
テレワークによって時間を有効に使えるようになり、副業を始める人が多くなりました。
さらに、企業側も、副業を認めている事例が増えているようです。収入源が複数あると、一度に収入がゼロになることがないため、少しでも副業で稼げるようになることは大変重要です。
こちらの記事では、一つのキャリアにこだわらない新しい働き方、パラレルキャリアについて詳しく解説しています。
社員の所定労働時間を1日7時間へ短縮
労働基準法で定められている労働時間は週40時間、1日8時間以内ですが、最近では所定労働時間が1日7時間の企業も増えてきました。
テレワークによって雇用機会が増大し、効率的に業務できるようになったことが要因の一つとして挙げられます。
事業の効率が上がり、労働時間が短縮されるのは労働者・経営者ともにメリットでしかありません。
勤務時間を労働者に合わせる
テレワークを導入することで、場所だけでなく時間にもとらわれずに働くことができます。
そのため、夜勤のみ、昼勤のみといったように、勤務時間を労働者に合わせることが可能になります。例えば、育児に追われていて、昼間の勤務が難しい家庭などには良い傾向です。
まとめ
働き方が大きく変わろうとしている背景には、長時間労働や労働力不足の問題があります。
日本は世界的に見ても労働時間が長い一方で、少子高齢化によって労働力人口は減少傾向にあります。
このままでは、労働者の負担は増える一方です。
そこで、働く力があるのにその力をうまく活かせていない女性や障がい者、退職した高齢者がテレワークを活用すれば、貴重な労働力になります。
それだけでなく、すべての働く人がテレワークで働く機会が増えると期待されています。
以前は、「対面の方が円滑にコミュニケーションがとれる」という考え方からテレワークを推奨していなかった企業も、コロナウイルスの影響をきっかけにテレワークの導入が進みました。
結果として、仕事のパフォーマンスは変わらずに、従業員の満足度やコスト削減などのメリットが得られた事例が多く、全面テレワークに切り替える企業も増えていくことが予想されます。
一方で、テレワークの導入に踏み切れない企業は充分にデジタル化時代に対応出来ていないといえます。
ビジネスや生活のデジタル化が進み、顧客の購買行動が変わったことで、マーケティングを含むデジタル化の対応が遅れている企業は、存続が難しくなりつつあります。
組織の体制として、デジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みを進めるためにも、テレワークの導入を検討してください。
デジタルトランスフォーメーションについて詳しく知りたい方は、こちらの記事にて詳しく解説しています。
https://digitalmarketingmorefree.brainstyle.co.jp/what-is-digital-transformation-overview-and-case-studies-are-explained/