オンラインマーケティングの需要が増え続ける現在、マーケターとしてフリーランスを目指す人と、フリーランスマーケターを活用したい企業は増え続けています。
しかし、いざフリーランスを目指す際、どのような知識やスキルが必要なのか分からない、会社勤めを辞める勇気が出ない、という人も多いのではないでしょうか。
大手企業などに7年ほど勤めた後、フリーランスに転向して順調に仕事を続けている石橋脩二郎氏へのインタビューを通じて、フリーランスマーケターの働き方やメリットをご紹介します。
- 1 石橋氏の紹介
- 2 広告業界を選んだきっかけは、イベント企画運営の経験
- 3 フリーランスへの憧れを実現させるため、スモールスタートで始めた
- 4 フリーランス転向後、コロナ禍でも仕事の依頼は安定していた
- 5 会社勤めよりも、フリーランスの方が働きやすい
- 6 フリーランスの魅力は成果が数字と評価で、明確に返ってくるところ
- 7 自分で選び取っている仕事なので前向きに取り組める
- 8 成果に直結するマーケティングを、シンプルに顧客に届けたい
- 9 ベースのスキルがあれば、フリーランスマーケターはメリットしかない
- 10 フリーランスはすべての責任を一人で背負うからこそ視野が広がる
- 11 フリーランスマーケターは強みを活かして働きやすさを実現できる
石橋氏の紹介
本日お迎えするのは、石橋脩二郎さんです。
石橋さんは、学生時代から広告・マーケティング業界に興味を持ち、複数の企業に就業して経験を積み、現在はフリーランスとして活躍されています。
それでは石橋さん、最初に簡単に自己紹介をお願いいたします。
石橋氏:現在、フリーランスマーケターをしている石橋と申します。
フリーランスになる前なんですけど、約3年ぐらい、株式会社オプトというWeb専業の代理店にいて、運用型広告のコンサルの業務に従事していました。
業務内容はほぼ今と同様ですが、Web広告の入札調整を管理画面で行ったり、顧客対応、要望を吸い上げたり、資料作成やプレゼン、社内スタッフと連携してクリエイティブをつくったり、そのようなディレクション業務を行っていました。
運用調整からレポート作成、プレゼンテーションまで一気通貫して対応していました。
その前は、IT企業の展示会プロデューサーとして業務に従事しておりまして、外資系のマイクロソフトさんなどの展示会プロデューサーをやっておりました。
そのときの業務内容は、会場の利用交渉であったり、Webサイトや舞台装飾を作ったりもしていました。
あと、施工管理も担当したり、出演者さんの手配や紙媒体のパンフレットの制作ディレクションなど、幅広くすべてのディレクション業務をやっていた感じです。
広告業界を選んだきっかけは、イベント企画運営の経験
インタビュアー:広告やマーケティング系のお仕事を始められたきっかけはありますか。
石橋氏:学生時代からイベントを開催して、スポンサー探したり、出演者さんと交渉して、イベントを作り上げていく活動をしていたので、それに近いことがしたくて。それでいうと、広告会社になるかと考えていましたし、先輩もそういった方が多かったです。
インタビュアー:学生時代に周りも含めて広告業界に興味を持っていて、そのまま業界に飛び込んだんですね。実際、働いてみた感想はいかがでしたか。
石橋氏:やはり、現実は厳しい、と思うことが多かったです。出演者さんのお弁当手配や控え室のセッティング、ホテル予約なども業務に含まれるので。下積みはなかなか大変でした。
インタビュアー:逆に、広告業界に入ってみて良かったところはどんなところですか。
石橋氏:やってみたら想定とは違ったんですけど、社内やお客さんに感謝されるとか、そういった喜びはありました。
フリーランスへの憧れを実現させるため、スモールスタートで始めた
インタビュアー:会社勤務は、全部で何年ぐらいやられていたんですか。
石橋氏:7年ぐらいですかね。
インタビュアー:フリーランスになった理由はありますか。
石橋氏:業務範囲が広く、大きな会社だったので、部署ごとに業務が細分化されていました。その担当する業務領域にちょっと閉塞感みたいなのを感じた、というところが大きかったです。
インタビュアー:しっかりと準備してフリーランスになられたんですか。
石橋氏:そうですね。当時は、フリーでやっていけると思っていなかったのですが、でも、どうしてもフリーでやりたい、という気持ちがあって。
そこで、会社の近くのレンタルオフィスを借りて、仕事が終わったら個人で活動するということをしばらくやってから退職しました。
インタビュアー:アタリをつけてから辞めてみたっていう。
石橋氏:そうですね。やはり、急に辞めるのは怖かったので。
フリーランス転向後、コロナ禍でも仕事の依頼は安定していた
インタビュアー:フリーランスとして活動し始めて、最初から仕事の依頼は途切れずにあったのでしょうか?
石橋氏:最初は新規でのお客さんは見つかりませんでしたが、知人から紹介で仕事をいただいたりして、仕事がゼロという状況は、ほとんどなかったです。
インタビュアー:今は、仕事の依頼は安定していますか。
石橋氏:はい、おかげさまで今は安定しています。ただ、業務量が多すぎて少し厳しい状況ではあります。
インタビュアー:うれしい悲鳴みたいな。
石橋氏:そうですね。
インタビュアー:今はフリーになって何年目ですか。
石橋氏:4年目です。
インタビュアー:コロナは仕事の依頼に影響がありましたか。
石橋氏 私の場合は、あまりなかったですね。お客さんが、コロナの影響で苦しまれているっていうのはあったんですが。
あと、補助金も出たので。補助金制度も使いながら提案して、お客さんとコミュニケーションを取ることが多かったですね。
インタビュアー:コロナもあまり影響はなかったということですし、デジタルは強いですか。
石橋氏:そうですね。デジタルのニーズはコロナでむしろ増えたんじゃないかと思います。コロナでお客さんが減ったからWebでの集客に力を入れなきゃいけない、デジタル化を進めないといけない、といった文脈で語られることも多いです。
会社勤めよりも、フリーランスの方が働きやすい
インタビュアー:実際にフリーランスになって、なる前となった後の印象が異なった点などありますか。
石橋氏:フリーになった最初の頃は少し恐怖があって。
あと、働く人も知らない方と働くこともあったので、慣れない難しさもありました。ただ、慣れたらすごく自然と、意外と違和感なく進められたような気がします。
会社に勤めていたときより、フリーランスの方が働きやすいと感じました。
インタビュアー:少なくとも石橋さんには合ってるんですね。会社員に戻ろうと考えたりしますか。
石橋氏:会社員に戻れる状態にいなきゃいけないな、とは思っているんですけど。ただ、はっきり言って、戻りたいとは思わないです。
インタビュアー:戻れる状態にいなきゃいけないと思っているっていうのは、例えばどういうことなんですか。
石橋氏:今は、うまくお仕事をいただいて回っていますが、仕事が無くなる最悪な状況も、やっぱりフリーだと想定したりするので。
インタビュアー:想定はしますよね。
石橋氏:はい。なので、40歳や50歳になったときに雇われる人はどういう人かと思ったときに、結構な専門知識がないと厳しいだろうなと。
なので、強みの知識を持っている状態でありたいとは思っています。
フリーランスの魅力は成果が数字と評価で、明確に返ってくるところ
インタビュアー:フリーランスを実際にやってみて、フリーランスの魅力ってどういうところですか。
石橋氏:やった分だけ数字として、評価として、返ってくるっていうところですね。
会社とか組織ですと、役職に紐づいたりもしますが、フリーランスだと成果がダイレクトに数字で返ってくるので、夢中になれるというか。
これも人によると思うんですけど、私の場合はそこがすごい面白いなって思って。
あと、業務領域も大きい要素ですね。
やりたい仕事を自分で探す必要はあるんですけど、仕事の領域を自分で選んで組み合わせられるので、すごく魅力的だと思います。
インタビュアー:自分でキャリアの方向性を決めて広げていける、ということですよね。広げたい領域や、深めたい分野はありますか。
石橋氏:今は広告での集客業務がメインですが、顧客育成のCRMの部分もやっていきたいです。
例えば、セールスフォースさんのツール活用など、そういったとこも一気通貫で対応できるようになると、より本質的な課題に向き合えるし、人材としてのニーズも高まるので、そういった人材を目指してやっています。
インタビュアー:確かに、なかなかそこを一気通貫で出来る方はいらっしゃらないですよね。
石橋氏:そうなんですよ。
自分で選び取っている仕事なので前向きに取り組める
インタビュアー:フリーランスになられて、収入面はどうですか。
石橋氏:そうですね。今のところ、会社員のときよりも大幅に増えました。
インタビュアー:会社員の頃と比べて、フリーランスになってからの働き方や忙しさ、環境面はどうでしょうか。
石橋氏:忙しさでいうと、会社員のときよりも忙しいですね。労働時間は増えています。
ただし、自分で選び取っている仕事なので前向きに仕事ができる、会社員の頃と仕事に対する気持ちのようなものが少し違う、というのはあります。
インタビュアー:休日はしっかり取れていますか。
石橋氏:はい。基本的に土日休みになることが多いです。お客さまが土日休みなので、それに合わせて自分も休みになります。休みは自習もしますが、しっかり休んでいます。
インタビュアー:リモートで基本は働いているんですか。
石橋氏:はい。今は、ほぼリモートです。通勤がないのは、メリットしかないと思います。
インタビュアー:フリーランスになってから、会社員時代と比べると仕事に対する気持ちの変化はどういったものがありますか。
石橋氏:お客さんに対して何かの助けになりたい、という気持ちが増しました。自分が知っていて相手が知らないことを、どんどんギブしてあげたいという気持ちが強くなりましたね。
インタビュアー:やっぱりお客さんの喜びの声や、感謝の気持ちがダイレクトに伝わってくるんですよね。
石橋氏:そうですね。
あと、自分が勤めていたような会社がエージェントになり、仕事をいただく立場になったので、受注側の苦労も身に染みて分かるので、そういう方のお役に立てるっていうのは、結構、自分の中で前向きな気持ちになれますね。
成果に直結するマーケティングを、シンプルに顧客に届けたい
インタビュアー:広告やマーケティングの領域といっても、いろいろなものがありますが、石橋さんにとってマーケティングはどういったものでしょうか。
石橋氏:ちょっと難しい質問ですが、マーケティングは、成果に直接的に結び付くアクションを起こすことが大事だと思ってます。
PDCAを回す、と言われますが、実際、成果が上がっている部分ってほんの一部だったりするじゃないですか。
本来、その成果が上がっている一部だけをやればいいんですけど、全体のPDCAを回すために無駄な作業も発生してしまったり。
成果に直結するところって、人が言いづらい部分でもあったりもするので、そういうところをシンプルにお客さんに提供できる人材になりたいと思ってます。
ベースのスキルがあれば、フリーランスマーケターはメリットしかない
インタビュアー:これからフリーランスのマーケターを目指す方に、アドバイスはありますか。
石橋氏:会社を辞めても大丈夫ですよ、というのはお伝えしたいです。大丈夫です、何とかなりますっていう、そこだけです。
私自身は、会社員勤めを辞めてフリーランスになった方がよかったです。
インタビュアー:一番の理由って、どういうところですか。
石橋氏:一番というか、収入面を始めとしてスキル面や業務面を見ても、デメリットが見当たらないです。
事業会社のマーケター職などの方が、狭く深くできる面はありますが、ただ、他のスキルや知識も身に付けたいとか思うじゃないですか、やっぱり。
マーケティング領域にいる方の多くが、情報収集が好きな方が多いと思うので。フリーランスになると、いろんな業界とも関わりやすいので。
ライティング領域だと、いろんな業界を取り扱ってる会社勤めのライターさんもいらっしゃると思うんですけど、フリーランスになった方が収入面は上回ることが多いと思います。
その他にも、私が見えていないメリットがあると思います。
ただし、フリーランスは分からないことが聞けない、ということは苦労しますね。 会社員だと周りに聞ける人がいるのは良いですね。
なので、最初は企業に就職してベースをつくり、その上でフリーランスになるとメリットを享受しやすいと思います。
フリーランスはすべての責任を一人で背負うからこそ視野が広がる
インタビュアー:今日のポイントは大きく2つあると思います。
まず、1つ目は、フリーランスはメリットしかない、といっても過言ではないという点です。
収入や働き方、キャリアなど多方面で考えても、会社員と比較してメリットしかない、というコメントがとても印象に残りました。
石橋さんは、最初はフリーランスになるのに自信がなかった、とのことでしたが、やってみたらメリットしかない、という確信に変わったのは大きな変化ですよね。
2つ目は、フリーランスは視野が広がるという点です。
今後のキャリアについてのお話で、全責任が自分にあるというフリーランスであるが故に視野が広り、キャリアの方向性も見いだせる、と感じました。
フリーランスマーケターは強みを活かして働きやすさを実現できる
現在、Webマーケティングの広がりに反してWebマーケターは不足しています。
複数の会社にまたがって仕事ができるフリーランスマーケターは重宝されています。
多岐にわたるマーケティングの分野の中で、自分が結果を残せる分野の仕事を選べるのがフリーランスの強みです。
ブレーンスタイルが提供するマーケターマッチングでは、各マーケターそれぞれの特性に合わせた案件を紹介しています。
更に、企業選びや単価を自身でコントロールできるのも魅力です。あなたが希望するキャリアを築くお手伝いができますと幸いです。