マーケティング業務は外注しにくいと思っていませんか?
マーケティング業務は、自社の商品についての理解や、業界についての深い知見がないとできないと思っていたり、マーケティングは自社内で完結して当然と思われているかもしれません。
しかし、実はマーケティングを外注した方が成果が出る会社は一定数存在します。
今回の記事では、実際にマーケティングを外注する際にはどんな仕事を任せることができるのか、どんな会社に外注が向いているのか、そして具体的に任せる場合はどのような手順で任せれば良いのかについてお話ししていきます。
マーケティング業務委託人材ができること
マーケティングの業務を外注すると、一つ一つのマーケティング施策をプロに頼むことができます。
一方、自社でマーケティングを行おうとすると、教育に時間がかかったり、マーケティングに精通した経験豊富な人材がおらず成果に結びつかなかったりすることがあります。
しかし、マーケティング周りをまるまる外部に投げるだけではうまくはいきません。
もし業務委託人材にマーケティングを委任するとしたら、任せられるマーケティングの案件にはどのようなものがあるのか、6つの具体例を見ていきましょう。
①リスティング広告運用
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!の検索エンジンで言葉を検索したときに、上位にホームページが表示される広告です。
リスティング広告では、他の広告と比較しながら、広告が一回クリックされたときのクリック単価を自ら決定します。
予算が決められている中で、成果を出すためにはクリック単価をいくらに設定するのか、豊富な経験と戦略が必要になってきます。
成果を出す広告を作るためには、広告をクリックした先でお客さんが見る、LPの作り方についても考える必要性があります。
ですので、ただ広告を回すだけではなく、LPに関するデザインやHP制作の知識も同時に必要となってきます。
ただ広告を出稿して予算を使ってくれさえすればなんでも良いというものから、LP作成のディレクションから始めて、一貫して自社の販売の戦略に関わってほしいというものまで、業務内容の守備範囲が多岐に渡ります。
そのため、募集の相場を確認してみると、1案件あたり、10万円〜80万円とまちまちです。
②SEO対策
GoogleやYahoo!でユーザーが検索した際に、広告以外で上位にホームページが表示されるための対策です。
具体的な業務内容としては記事を書いたり、ホームページの構成を修正したりします。
しかし、上位に表示されるためには、
・現段階で、ユーザーが何人くらい、ホームページのどこから流入しているのか
・他のホームページはどのような対策をしていて、自社はどんな差別化ができるのか
・GoogleやYahoo!はどのようなホームページを上位に表示しようとしているのか
を考える必要があります。
そこには文章力、ITの知識、リサーチ力と様々な力が必要となってきます。
そのため、外注の相場は1日単位で依頼して1日2万円というものから、HP全体の構成から見直してもらう案件として、100万円を超えるような高額案件も存在します。
③市場調査
新規商品の開発、商品の販売方法の検討などにおいて、市場の調査をする必要があります。
市場調査は、労力がかかる作業ですが、目的なく行ってしまうと、無駄な調査となってしまい、お金と労力の無駄になってしまいます。
市場調査を効率的に行うためには、
・どんなターゲットに対して市場調査をするのが効率が良いか
・仮説の検証のためにどんな調査内容にするべきか
・得られたデータから、どんな結果を導き出せるのか
を考える必要があります。
市場調査を頻繁に行うことは、大きな企業でないとできないため、自社で市場調査のできる人材を育てることはなかなか難しいです。
そのため、経験豊富なマーケターに頼んだ方が要領良くこなすことができます。
時給ベースで3000円〜5000円でリサーチの手伝いを依頼するような案件もあれば、
リサーチの要件定義から商品開発の企画まで全て丸投げし、100万円を超えるような案件もあります。
④SNS運用
企業のSNS運用も外注化することができます。
SNS運用自体は特別なスキルが必要な業務ではないように思えるかもしれませんが、内製化しようとして失敗する例は多々あります。
SNS運用は、一朝一夕で成果が出るような業務ではありません。
成果につながらない時間は辛抱が必要ですが、他にも業務の多い社員に任せてしまうと、優先順位が下がって、おざなりになるケースが多いです。
SNS運用は特に正解がない分、こなした案件数が多く、成功と失敗の事例をたくさん持っている人が強いノウハウを持っていて、SNS運用を成功させられる可能性は高いです。
自社のメンバーがSNS運用を行うことのアドバイスをもらうような体制の場合、月に5万〜10万から案件があり、丸ごと運用を依頼する場合には、30万〜60万円の案件となります。
⑤データ分析
データを収集する技術も発達し、ビッグデータなどというワードも流行していますが、データは分析をして意味を見いだして初めて価値を持ちます。
データ分析のできる人には、2種類の人がいます。
1つ目はデータを収集し、集計データを示せる人です。
2つ目はデータから意味を見出して問題解決の手段を提案することができる人です。
前者には、データを収集するための特別なスキルが必要な場合もあり、エンジニアに近い仕事です。
後者は、数値的なデータから論理的に戦略を提案する点で、コンサルのような仕事です。
いずれも専門的なスキルを必要とする業務であり、50万円〜150万円ほどの相場となっています。
⑥マーケティングコンサルタント
今までのマーケティング手法に関する知識を持ち合わせた上で、より高次元から、どんな手法を使うことで企業の問題を解決できるかを提案するのが、マーケティングコンサルタントです。
SEO対策を任せたいという企業の本質的な悩みは、「売り上げを上げたい」ということだったとします。
その場合、単純にSEO対策の得意なマーケターを探して問題の解決に当たるのではなく、SEO対策以外に売り上げを上げるための手法があるのかどうか、まずマーケティングコンサルタントに相談する方が効率的です。
主に、
・データの分析
・マーケティング手法の戦略立案
・具体的にどう施策を進めていくのかのKPIやスケジュールの策定
などを依頼することができます。
相場としては、50万円以上と高単価になります。
外注するまでの流れ
ここまで、業務委託人材に任せられるマーケティングの具体的な内容を見てきました。
ここからは、その案件を実際にマーケティングを業務委託する場合には、どのような流れになるのかを順に追って4段階に分けて見ていきましょう。
①要件定義
まずは、自社の課題を洗い出します。
自社が目指す姿はどのようなものであって、それに対する現状はなんなのかを確認します。
理想の姿と現状の姿とを埋める手段が明確であれば、その手法ができる人材を探して依頼します。
もしその手法がわからない場合には、マーケティングコンサルタントに相談するのがおすすめです。
このとき考えることとしては、
・現状利用できる、お金やマーケティング人材をはじめとするリソース
・依頼したい内容と、その目標値
などが挙げられます。
②ヒアリング・見積もり
自社の依頼したい要件が定まったところで、依頼するマーケター探しを開始します。
フリーランスが登録しているプラットフォームを利用したり、SNSで出会ったマーケターに依頼したり、知り合いづてに優秀なマーケターを紹介してもらいます。
一緒に仕事を進めていく上で、仕事の仕方や信頼できるのかどうかはもちろんのこと、スキルやノウハウ、実績がどの程度あるのかも重要となってきます。
このとき、複数のマーケターに要件を話した上で、どのような提案と見積もりが上がってくるかを比較することで、一番自社の課題を解決してくれると思われるマーケターを見定めることが重要となってきます。
③戦略のすり合わせ
契約を交えた後、まずは具体的にどのように業務を進めていくのかの戦略立案をします。
自社の現状、商品、業界、理想とする姿について共有した後、どのようなスケジュール感で、どのような手法によってゴールに近づいていくのかについて考えていきます。
特にwebマーケティングでは実際に行う業務内容が専門的だったり、詳しくないと目的のわからないような業務も多いので、双方が納得するように、業務内容の名言化を行うことが重要となります。
④施策実行
実際に施策を行っていく際には、マーケターからのフィードバックの報告が重要です。
マーケティング施策は、実際に行ってみて、市場からの反響があって初めて成功なのか失敗なのかがわかります。
そのため、実際に行ってから、結果を分析して、PDCAを回す能力が求められます。
施策を行っても特に結果を分析せずにやりっぱなしのマーケターはプロとは言えません。
この段階で、結果にコミットして試行錯誤をし続けてくれるかどうかで、継続して任せるべきマーケターなのかどうかがわかります。
業務委託先を探す際に気をつけることとは
マーケティングを業務委託人材に任せることについて、イメージは具体的になったでしょうか。
マーケターと一括りにしても、依頼する仕事の内容は多岐に渡るため、売り上げを上げたいというざっくりとした考えだけで依頼してしまうと、うまくいかない場合があります。
自社の期待値通りの結果を業務委託人材に出してもらうためには、
・依頼する前に、自社の現状と目指す姿を理解していること
・どの業務をどんな単価で請負い、どんな成果が出ると期待できるのかを具体的にイメージ共有してくれること
・言われたことをこなすだけでなく、自社にとって最善の利益があげられるような戦略の提案をしてくれること
ができるマーケターに依頼することです。
まずはマーケターと面談してみる中でしか、本当に成果を出してくれる、依頼するべきマーケターに出会うことはできません。
フリーランスが多数登録するプラットフォームなどもフル活用して、マーケターとの接点を持ってみてはいかがでしょうか。
参考記事
https://profuku.com/magazine/article/91