デジタルマーケティングの代表格として聞きなじみが深い「SEO対策」。
「とりあえずSEOをあげて欲しい」とざくっと指示されたり、「よくわからないが、SEOをあげればなんとかなるはず」と右も左もわからずやり始めた人もいるでしょう。
しかし、「そもそもSEOって何?」というところから、「SEO対策はいろいろな方法が出てきすぎて、何をしたら良いかよくわからない」ということも多いはずです。対策の正解が分かりにくいSEOのために大きく投資するのは、本当に意味があるのかという疑問ももっともです。
今回は、SEOを定義とその重要性、最新のSEO対策のためにはどんな施策をすれば良いかということを一緒に見ていきましょう。
SEOとは
SEO(Search Engine Optimization)は検索エンジン最適化の略語です。
つまり、検索エンジンでキーワードを調べた際に、自分のwebページが上位に表示されるよう、いかに最適化するかということです。
GoogleやYahooなどの検索エンジンはユーザーが入れたキーワードをもとに、ユーザーが興味関心を持ちそうな情報をweb上から探してくるシステムです。
検索エンジンとしては、少しでも長い時間GoogleやYahooのアプリ上にとどまっていて欲しいと考えます。だから、よりユーザーにとって面白い情報を上位の方に表示して長い時間見てもらおうとします。
どのページを上位表示するかは、そのwebページに関する様々なデータをもとに、Googleのアルゴリズムが計算して評価付けします。
サイトの構造や訪れたユーザーがwebページ内でとった行動など、評価の基準となる数値は100を超え、それぞれ重要な指標はより全体に影響を及ぼしやすいようにと重みづけがなされて、記事のランキングが決められています。
ちなみに検索エンジンは、日本では主にGoogleとYahooが使われていますよね。検索エンジン最適化は、Google用とYahoo用の二種類やらないといけないのかと思われたかもしれません。
結論から言うと、Googleの検索エンジンへの対策だけで事足ります。なぜなら、YahooはGoogleの検索エンジンを借りているからです。
SEOの重要性
次はSEO対策をする重要性についてみていきましょう。
SEO対策をしないと検索から見てもらえない
Google上にはあまりに多くのページがあります。SEOという単語をGoogleで調べただけでも、7億近くのページがあるようです。
しかし、SEOに興味があって調べたユーザーが見る記事はいくつぐらいでしょうか?
何個かを見比べるにしても、せいぜい平均すると五個以下でしょう。それも、検索して出てきた順に上から訪れるのが普通です。
ランダムに表示されるとしても、自分の記事に訪れてくれる確率は7億分の1以下です。
数億円の宝くじが当たる確率も1000万分の1やそこらなので、いかに確率が低いかということが分かりますよね。
しかも表示される順番はGoogleによって決められているので、上位に表示されなかったら、見てもらえることなど到底ないのです。
SEOからきてくれたお客さんは良質
SEOは検索欄で、自分たちの商品と関連があると網を張っていた語句を調べてくれたユーザーに対して、上位に表示してクリックしてもらうものです。
つまり、自ら疑問や課題があると自覚して、語句を調べて訪れてきてくれているので、自社の商品やサービスにマッチしやすいお客さんが、自分たちからアプローチをせずとも勝手に訪れてきてくれるのです。
SEOは資産となる
webページをより多くのお客さんに見てもらいたいからといって、必ずしも検索で調べて、そのページにたどりついてもらう必要はありません。
検索結果に表示する他にも流入元として、「広告」と「リンクからの外部流入」があります。
広告は、語句をGoogleやYahooで検索したときに、上の数個が「広告」という表示とともにwebページが表示されているもので、リスティング広告と呼ばれています。
これはクリック単価であり、一人のお客さんが訪れるたびにお金がかかるという仕組みになっています。
サイトに訪れたお客さんのうち、何%のお客さんが商品を買ってくれるかが明らかになり、そこから広告に当てる費用が妥当だという計算になればとても有効な手立てではあります。
しかし、いったん上位に上がってしまえば資産となるSEOとは異なり、ずっとコストがかかってしまうという難点があります。また、SEO記事の方が広告よりもクリック率が高いという特徴もあります。
また、「リンクからの外部流入」とは、SNSなどに貼ってある記事のリンクを見てユーザーが訪れてくれるというものです。
訪れてくれるユーザーの数を爆発的に増やせる施策ではあるのですが、ユーザーの数が増えるのは投稿されたときだけという、一過性のある施策となってしまいます。
この三者の中で、SEOは上位表示されることが資産となり、ブランディングにもつながります。流入源を計測すると、基本的にSEOからの流入が一番多くなるので重視すべきという理由もあります。
SEO対策をする上での注意点
次は、SEO対策をするにあたって、押さえておくべき注意点も見ていきましょう。
SEO対策には時間がかかる
SEO対策は始めてから上位に表示されるまで、半年〜1年かかるのが相場です。
上位に表示されるようになるまで、長期的にずっと投資し続ける必要があるため、効果が出ていない期間も耐えるだけの辛抱と資金力が必要となります。
SEOのアルゴリズムは頻繁に変化する
2020年では、5月と12月の二回、評価アルゴリズムの算出方法が変わりました。
この変化が起きるタイミングで、今まで上位表示されていた記事でも一気に順位が落ちることもあります。その際は、最新版のアルゴリズムがどの指標に重きを置いているのかを分析した上で対策を打っていく必要性があります。
SEOはあくまでも相対評価
他のwebサイトがSEO対策を行って、自分のサイトよりも上位に表示されたらどうでしょうか。
SEOは考え方としては、ある語句を調べたお客さんを自分の記事へと誘導するために、同じ語句に網を張っているライバルとお客さんを取り合うといったイメージとなります。
だから、他の強いサイトが似たような内容の記事を仕上げてきたら、お客さんを取られてしまうこととなります。アルゴリズムの変化に合わせて、SEO記事は一回上位に表示されたら資産になって安泰なのではなく、度々更新し続ける必要があるのです。
SEO上位表示するためには
注意点を押さえたところで、あとはどんな具体的な方法があるかわかれば成功への近道となります。SEO対策はどういった手立てがあるのか見ていきましょう。
SEO対策の歴史
先述の通り、SEOで重要視される指標はアップデートし続けてきました。
昔は評価基準が今よりも難解ではなかったがため、テクニックで上位表示を狙うことができました。
過去の評価基準のもとで有効だった対策が現在でも有効な対策であると信じられている場合も多いので、過去に有効だったSEO対策から見ていきましょう。
最も初期は、Googleはページの評価を、いかに他のサイトからリンクをされているかということで判断していました。
ですので、内容と関係なくお互いリンクを貼り合ったり、文章としては意味がない、リンクを貼るためだけの記事を生成したり、隠しリンクというものを作り出したりと、被リンクを集めるためのテクニック的な施策が横行しました。
しかし、これでは記事の内容の良さが反映されないという不本意な結果になってしまったので、アルゴリズムは変化を強いられました。
ここで有名なパンダアップデート、ペンギンアップデートが起こります。同時に記事の品質を評価する基準が設けられました。
そして、Googleは企業ポリシーとして10の事実(https://www.google.com/intl/ja/about/philosophy.html)を掲げるようになりました。
ここでは、ユーザーの利便性と有益性を重視すると書かれています。
最新のSEO対策
最近のSEOでは、大注目されているYMYLとE-A-Tという二つのキーワードがあります。
YMYLとはYour Money Your Lifeの頭文字で、幸福や健康、金融に関する話題のことです。
コロナ以来、特に命や健康、経済などに関する重要なことを調べる機会が多くなりました。こういった類の話題では、誤った情報が流れることは絶対に許されません。
そこで、2018年ごろより登場したE-A-T(Expertise Authorititaveness Trustworthiness)つまり記事の専門性と権威性と信頼性がより一層重視されるようになったのです。
具体的には、誰が情報を書いているのか、その発信元がどれだけ権威や信憑性があるかどうかが重視されるように変更が加えられました。その対策として、運営元の情報をいかにGoogleに知らしめるかということが考えられています。
また、2021年のアップデートでは、よりユーザーにとっての利便性、例えば読み込み時間がどれくらい早いか、ページの見た目がどれだけ安定しているのか、それに起因して、直帰率がどれくらい低いかと言ったことが重要視されるようになるのではないかと言われています。
おわりに
SEO対策は結果が出るまでに忍耐が必要な上、常に情報をキャッチアップしつつアップデートし続けないといけません。最新の情報を取り入れつつ、SEO経験の豊富なマーケターを自社で1から育てるのはなかなか大変なことでしょう。
他のSEO対策の案件もこなしている、プロのマーケターに業務委託する形で任せるのも有効なのではないでしょうか。