はじめに
とても良い商品を開発しているのにも関わらず、商品が売れないという悩みを抱えている方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
商品のことを知ってくれさえすれば買ってくださるお客さんがいるのに、知らないがために買っていただけていないのは、非常にもったいないことだと言えます。
そんな方にこそマーケティングの力が重要です。
マーケティングというと、商品がたくさん売れるようにひたすら頑張る…という地道な裏方作業を連想してしまいがちですよね。しかし買ってくれるお客さんを集めるためには、まず商品が広く知れ渡ることが肝心となってきます。
今回は、マーケターがどうして認知を上げることにこだわる必要があるのか、具体的にどんなことをすべきなのか、その施策の効率を上げるコツについてお話しします。
認知を高める効果
認知を高めることでお客さんが増えるということは当たり前のようにも思えますが、ただ闇雲に認知を広めるのではあまり意味はありません。
認知を広めることで得られる効果を意識しておくことで、目的意識を持って効率的に認知を広めることができます。
まずは、認知を広めることによって得られる効果を3つ見ていきましょう。
ブランディングが確立される
認知が広まると、〇〇といえばこの会社だよね、と真っ先に想起されるようになります。
そうなると、広告宣伝費や販売促進費にお金をかける必要がありません。
価格競争に参加せずとも、多少高くてもこの商品を買おうと思ってもらえます。
ブランディングが確立された時点で、その商品はオンリーワンの商品となり、競合と比べて圧倒的に有利となります。
例えば、電子ポットといえばT-falを思い浮かべますよね。
競合よりも高かったとしても、とりあえずT-falを買う人はたくさんいます。今度、T-falを持っている人に選んだ理由を聞いてみてください。
ファンが増える
認知度が上がれば、会社の取り組みや商品のこだわり・質の良さ、社長やマスコットキャラクターなども広く認知されていきます。
そして会社の思いに共感してくれた人はファンとなり、今後もその商品を買ってくれるリピーターとなります。
マーケティングにおいて一番大事な指標と言っても過言ではないのが、LTV(Life-Time-Value)、生涯顧客単価です。
つまり、いかに一人のお客さんにリピートしてもらって、たくさんの商品を買ってもらうかということが重要になるのです。
ファンが増えるというのは、LTVを増やしていくための最短ルートなのです。
お客さんが勝手に集まる
認知が広まっていると、その分話題に上りやすくなります。
企業の側から広告を打ったりしなくても、SNS等で商品を使った感想や講評を書いてもらえます。
単純接触効果と呼ばれるように、よく見聞きするものはより気になってしまいますし、信頼性や安心感をどことなく感じてしまいます。
今まで全くアプローチできていなかったお客さんにも、話題になっているからと購入してもらえる機会があるかもしれません。
認知を高める方法
ここまで、認知を高めることの重要性について説明してきました。
インターネットが普及している現代で、商品やサービスの認知を高める方法には一体どんなものがあるのでしょうか。
ここでは8つの方法を紹介していきます。
①記事を書く
1つ目は企業のコーポレートサイトの中に入っている記事やブログなどで、商品について書くという方法です。
しかし、「商品を売りたいだけなんだな」という印象を持たれてしまうと、見込み客に読んでもらうことはできません。
あくまでも、お客さんの役に立ちたいという思いを持って、有益な記事を書くことに徹しましょう。
②SNSに投稿する
SNSの強みは、すでに興味を持ってくれている方に最短で情報を届けられること。
そしてその人たちが二次拡散、三次拡散してくれるため、労力をかけずに新しい人にアプローチできることです。
その拡散を促すためには、各種SNSをどんな人が使っているのかを理解しつつ、自社商品を購入してくれそうな人が、情報があふれるSNS上でどんな情報に目が惹かれるのかを徹底的に考える必要があります。
③メールを配信する
現代ではSNSに目がいきがちですが、メールもまだまだリストを取り、アプローチする方法としては最も有用なものです。
開封してもらうために、目を引くメールを作れるツールを使い、開封したいと思うようなコピーライティング力も意識しましょう。
④web広告を出稿する
SNS広告、バナー広告、ディスプレイ広告、アフェリエイト広告、リスティング広告など、デジタルの広告にはたくさんの種類があり、それぞれにメリットデメリットがあります。
効率よく成果を出すには、売りたい商材の特性から最適な広告を選び取る必要があります。
例えば、買うまで悩んで時間がかかってしまう贅沢品の場合、リターゲティング広告で何回も広告を表示するのが有効です。
⑤プレスリリースを出す
新しい商品をリリースする際に、自分の商品を紹介する記事をライターさんに書いてもらって、メディアに掲載してもらう方法です。
申請してもメディアが面白いと思ってくれなければ、記事にしてもらうことはできません。その代わり掲載さえしてもらえれば、第三者目線で書かれた記事として評価されることになります。
⑥展示会に出店する
自社の所属する業界の展示会に参加したり、ターゲットとなる業界の展示会に足を運ぶことも、デジタルに負けず認知拡大につながる方法の一つです。
ターゲットとなる人だけが集まって、営業をかけても素直に聞いてくれるという、他にはない好環境で認知を広めることができます。
⑦セミナーを実施する
ターゲットが興味を持ちそうなテーマで、ターゲットに価値提供をできるような内容のセミナーを実施する方法です。
最近では、web上のセミナーであるウェビナーを行う人も多く、セミナーを開催するハードルは下がっていると言えます。
そもそも関心の強い見込み顧客が集まりやすく、あるいはセミナー内で熱感を高めることができれば案件につながりやすいメリットがあります。
⑧TV,CM,マス広告を使う
はやりはデジタルマーケティングであるのは確かですが、マス広告もまだまだ圧倒的に強いのが現状です。
テレビに出ていたものがSNS上で拡散されることもありますし、テレビや新聞で紹介された、という信頼の伴う口コミの強さにかなうものはありません。
ターゲットの年齢層によってしまう部分もありますが、まだまだ有効な手段として検討しても良いでしょう。
認知のマーケティング施策の効率を上げるためのコツ
認知を広める方法を8つ紹介してきましたが、各施策を漫然と行っていても効率よく認知を広めることはできません。
どの施策を行う場合でも共通している、効率を高められる方法を3つ見ていきましょう。
①知識を教え込む
人は、商品やサービスを広告で目にしたり話を聞いたりしても、自分に関係のないものだと思ったらすぐに忘れてしまうという傾向があります。
例えば、ダイエットではカロリーよりも糖質を気にするべきであるということが知らなければ、糖質オフを売りにしている商品を見ても、その商品がいかに自分にとって重要かがわからず、記憶には残らないでしょう。
ですので、周辺知識もお客さんに教えて、覚えてもらうことを心がけましょう。
たとえば商品の導入事例を、導入した際の具体例として知ってもらったり、コーディネートやレシピなど、商品単体ではない方法で紹介したり、有益な一般知識を教えるコラムを書いたりすることが有効です。
②顧客を思いやる
顧客としてイメージしている人のことを徹底的に想像することが大切です。
どのような生活スタイルを送っているのか、普段どんな媒体を使って情報収集しているのか、どんなことに興味を持って生活しているのか。直前に見たことに影響された色眼鏡のもとでしか物事を見られないこと。あまりにも商売っ気がする情報を見たときに、どう感じるのか、など多角的に考えましょう。
顧客のことを理解するために大切なことは2つあります。
まずは顧客の気持ちになるために、自分がそんな状況下だったらどう感じるのか、自分の経験を思い返してみることです。
感情は理屈で説明できないものですし、人からいくら説明を受けたからといって頭で理解できるものではありません。
実際に自分が体感している感情を思い返すことがいちばんの顧客理解です。
次に、顧客像と近い人や、実際に過去に商品を購入してくださった方にインタビューすることです。
いくら想像を働かせて鮮明にイメージしたとしても、それが顧客を正確に捉えているという保証はありません。
論より証拠で、ターゲットに近い人に普段の行動をひたすら聞くこと、実際に購入してくださった人がどこで知ったかを聞き、戦略を練ることが成功への近道です。
③ターゲットを明確にイメージする
広く認知されるような広告の戦略や文言を考えたつもりでも、結局は誰にも刺さらないメッセージとなってしまうこともあります。
一口に認知されると言っても、「誰でもいいから知ってもらえばいい」のではなく、顧客となりうる人に認知してもらうことが重要です。
そのためには、ペルソナという、ターゲットになるユーザーを代表している一人の人物を詳細に言語化することが大切です。
昔はマス広告を打つくらいしか手段がなかったかもしれませんが、現代では、見込み顧客に認知してもらうためのアプローチ方法がたくさんあるため、ペルソナの行動まで分析し、商品のことを知ってもらうため、どうアプローチするのが良いかを考える必要があります。
おわりに
マーケティングの認知の部分だけでも、お客さんへのアプローチ方法がたくさんあり、様々な手段を組み合わせる中で、効率が一番良くなる方法を考えることが必要となっています。
先述の通り、マーケティングの認知の部分は大事ではありますが、あくまでも基盤となることです。
他にも、知ってくれたお客さんにいかに買ってもらうかや、リサーチや商品開発など全てを行う必要があり、多岐に渡って手を掛ける必要があります。
ここまで考えないといけないことが多いマーケターを企業の中で育てたり、中途で採用することは難しいです。
マーケティングの案件に特化して、様々な経験を持っている外部人材に業務委託するのも有効な手段だと言えるでしょう。