自社のマーケティングがうまくいっていない方は、マーケターを採用することを考えるでしょう。
しかし、いざマーケターを採用しようと思っても、どんなスキルを持ち合わせているマーケターが優秀なのかの基準が明確にわかっていなければ、優秀なマーケターと優秀ではないマーケターとの見分けがつきません。
特にデジタルマーケティングに関しては、仕事の内容の全体像が分かりにくいこともあり、デジタルマーケティングに必要なスキルはなかなかイメージがつきにくいかもしれません。
コストと労力をかけてせっかくマーケターを採用したのに何の成果もでない、ということは防ぎたいですよね。
今回の記事では、マーケターに必要とされるスキルを一挙に見ていきます。
マーケターを採用する際に、どんなスキルを持っているのかという点を面接で判断し、優秀なマーケターを見分けられるようになりましょう。
デジタルマーケティングの業務内容
デジタルマーケティングに必要なスキルを考えていくにあたり、まずはデジタルマーケティングを担当するマーケターがどんな仕事をするのかについて見ていきましょう。
デジタルマーケティングとは、言葉の通り、デジタル環境でのマーケティング手法です。
従来のマーケティングとの一番の大きな違いとしては、「データの活用」があります。
デジタル環境では消費者の購買履歴や、インターネット上でどんな情報を閲覧したのか、アンケートへの回答情報などが全てデータの記録として残ります。
集まった膨大な情報を活用して消費者のニーズを分析したり、最も効率の良い販促手段を考えることがデジタルマーケティングには必要となります。
その前提を抑えた上で、デジタルマーケティングを担当するマーケターの実施する手法について見ていきましょう。
SEO対策
SEO対策とは、GoogleやYahoo!で検索した時に、自社のホームページが上位に表示されるように対策をすることです。
HPを作る際にどうやったら上位に表示されるようなHPになるのかという知識と経験が必要となります。
GoogleやYahoo!が上位に表示するHPを選ぶときの基準は、半年に一回ほどのペースでアップデートが起こり、その都度変わります。
変わるたびに自分の運用しているHPの掲載順位を確認し、「こんなHPが上位に表示される傾向にある」と推測して対策を行います。
アップデートが起こるとはいえ、GoogleもYahoo!も、使うユーザーが多くなってくれるのが目的だということは変わりません。
そのために常に「ユーザーにとって最も有益で、ユーザーがもっと見たいと思うHP」を上位に表示します。
そのことから考えると、「ユーザーはどんな情報を求めているのか」「ユーザー目線ではどんなHPだと快適に使ってもらえるのか」をつきつめることが重要となります。
SNS運用
私たちも日常生活の多くの時間を使って閲覧している、SNS上で顧客との接点を作る手法もあります。
BtoCではSNSが有効なイメージがありますが、企業の決裁者も日常の中ではSNSを使う時間も長いので、BtoBでも効果のある手法となります。
SNS上では無数のユーザーがいますし、参入障壁が小さいことから、個人を含めSNSマーケティングを研究している人はたくさんいます。
その中で成果を出せるSNSマーケターへと頭一つ飛び抜けるには、仮説を立てて検証する、という作業を速いスパンで数多くこなすことが重要となります。
インターネット広告
インターネット広告では、検索エンジンで調べたキーワードに対応する広告を出稿するリスティング広告や、SNSを見ているユーザーの元に、興味のありそうな広告を表示するSNS広告が主流です。
インターネット広告はクリック単価で広告費がかかることが多く、クリックをして自分の作ったwebページを見てくれた見込み顧客のうち、何%がお問い合わせをしてくれて、さらにそのうち何%が購入してくれたのかを数値で割り出すことができます。
そのパーセンテージを高めることで、広告を出稿した時にどれくらいの売り上げが上がるかという費用対効果を計算し、利益が出ることが確定してから一気に広告費を投じることで、大きな売り上げを低リスクで作ることができます。
単価が安くなる広告を作るための仮説検証を素早く行うことが、効率的な広告を作るためには必要です。
MAツール
マーケティングオートメーションの頭文字で、会社の業務をデジタル上で管理したり、自動化することで作業の効率化を図ることができます。
例えば、会社の見込み顧客以上の顧客情報を全てMAツール上に落とし込むとします。
顧客の基本情報、検討段階、自社の営業メンバーが接触した時にどのような会話をしてどのような悩みがあるのか、などのデータを一元で管理できることになるのです。
すると、購入する可能性の高い見込み顧客を見落としてしまうことがなくなったり、営業のメンバーが変わったとしても引き継ぎを簡単にすることができます。
データをデジタル上で管理することで、企業の活動を効率化がはかれるということです。
デジタルマーケターに必要とされるスキル
以上のような手法で顧客を集める仕組みを作るのがマーケターの業務です。
それでは、マーケターが業務を行うのにあたって必要なスキルとはどのようなものがあるのか、6つ見ていきましょう。
①データ分析力
デジタルマーケティングの大きな特徴として挙げたように、結果として現れた数値のデータを分析する能力が必要となります。
安定して売れる「仕組み」を作るためには、数値によって表れる客観的なデータが重要となるからです。
例えば、広告を打つ上では、「クリック率」「webページを見てくれたユーザーのお問い合わせ率」「お問い合わせをしてくれたユーザーのうち、購入してくれた確率」「購入した人の、自社の商品にかけた金額」を計測して、データを分析する必要があります。
いずれかの数値を改善する必要があればテコ入れをし、結果が伴うかを計測します。
この数値が全て安定して、広告の費用に対し、利益が十分に上がることが確定してからでないと広告費を投じることは危険です。
他にも、SNSを運用する上では「インプレッション数(何人が自分の投稿を見てくれたか)」「自分のプロフィールに到達してくれる確率」「プロフィールを見てくれた人のうちフォローしてくれる確率」「フォロワーのうち自分の商品に興味を持って接触してくれる確率」を考える必要があります。
ただ闇雲に運用していても、「フォロワーは増えるが商品の販売には全くつながらない」なんていうことにもなりかねないので注意が必要です。
②コミュニケーション能力
マーケターは企業の中でも様々な部署と連携して仕事を進める必要があります。
例えばHPを作る上では、どんなHPを作りたいかエンジニアに注文をしたり、営業のメンバーから顧客の声をヒアリングしたり、ブランディングを考えるメンバーと連携をとったりと様々なメンバーと密にコミュニケーションを取ることになるからです。
そもそもマーケティング的な考え方とは、「顧客目線で考える」という根本的な考え方を指すので、どんな業務にもマーケティングが関わってきます。
顧客目線で考えるとは、自分とは全く異なる顧客目線で、どんな思いをするのか、どんな悩みがあるのかを考えることです。
そんな考え方をするためには、様々な人とコミュニケーションをとり、どんな悩みがあってどんな考え方をしているのか理解している必要があります。
③情報収集力
デジタルマーケティングで効果的な手法は、刻一刻と変わります。
今流行っているマーケティング手法は何なのか、時代の流行に乗り遅れないように情報を集めることが大切になります。
情報として最も有効なものは、一次情報です。
マーケターの知り合いから、「〇〇という商材が〜〜という売り方でかなりうまく売られている」というような、経験に基づく情報が最も信頼できますし、実際に役に立つ情報です。
ネットに出回っている情報のリサーチももちろん大事ですが、一次情報を大事にしているマーケターは実際に成果に結びつけることが可能です。
④企画力
デジタルマーケティングを成功させるためには、仮説検証を行う必要があります。
仮説検証では仮説を自分で立てて実行して、その効果を測定して有効かどうかを判断する必要があります。
仮説となる企画を立てるためには、まず問題を見つけることから始まります。
「売り上げを上げる」というゴールを達成するためにどんな課題があるのかを羅列し、その中で一番成果につながる課題をとりあげます。
そして、その課題を、顧客の目線に立って考えるとどのような解決方法があるのか、根拠のあるアイディアを出します。
さらに実行するためには、その企画を検証するため、プレゼンをする必要もあります。
ここでは、様々なマーケティングの事例に関する知識と、それを柔軟に組み合わせる発想力を持ち合わせることが重要となります。
⑤マーケティングに関する全般の知識
マーケティングでは、マーケターがよく使うカタカナ言葉など、専門的な言葉がたくさんあります。
また、STP、4P、3Cなどと言った、考え方のフレームワークがあります。
マーケティングのフレームワークは、過去に成功した「売れる仕組み」の作り方を、抽象化して、誰にでも再現できるようにするために作ったものです。
そのため、基本的なフレームワークなどを勉強している方が、成功する可能性が高いです。
過去の経歴の中で、マーケティングについての研修を受けていたかどうかや、中小診断士やネットマーケティング検定、MBAを取得しているかどうかで知識があるかどうかを判断することができます。
⑥ITスキル
デジタルマーケティングでは、最新のツールを使う場面がよくあります。
ネットで情報収集する際も、パソコンを使いこなすのは必須です。
さらには、web制作のスキルを持っている、またはweb制作の全般について理解していれば、マーケティングの施策を根拠つきで理解することができます。
デジタルマーケティングの専門家として、デジタルにどれほど精通しているかもチェック項目の一つになります。
優秀なマーケターを採用するには
以上のように、優秀なマーケターを見分けるために、マーケターに必要とされるスキルについて見てきました。
マーケターに必要なスキルを持ち合わせているかどうかを採用するまでに判断できれば良いのですが、簡単にはいきません。
面接で話したりするだけでは、どのような仕事ぶりをして、スキルがどのレベルまであるのかはなかなかわかりません。
そこで、マーケティングの業務委託人材に依頼するのはいかがでしょうか。
業務委託人材は、過去に自分が担当した仕事の内容として、何をやってどんな結果が出たのかまで明確にわかります。
過去の実績をもとに、どんなスキルがどのレベルであるのかまでわかりやすいので、期待値とそぐわない仕事ぶりを見せてくれるはずです。
参考記事
https://start-x.work/blog/content/nTfIW99v
https://manpowercareecre.jp/bible/jobtype/023/#3
https://www.pasonatech.co.jp/workstyle/column/detail.html?p=2229
https://ferret-plus.com/7884