ライブ配信と聞いて、何をイメージをしますか?
アイドルやインフルエンサーがファンへのサービスでやっているものでしょうか。
弾き語りなど、アーティストの配信の印象も強いでしょうか。
実は、ライブ配信はエンタメだけではなく、マーケティングでも続々と利用されつつあります。
動画マーケティングの先進国中国では、ライブ配信マーケティングの市場が毎年数倍のペースで拡大しているのです。
そんなライブ配信が、日本でもマーケティングの手段として、商品購入のメジャーな動機付けになる日が間も無く来ると言われています。
今回は、ライブ配信が拡大している理由と、きたるライブ配信マーケティングの時代にどう成功すれば良いかについて見ていきましょう。
ライブ配信マーケティングが拡大してきている理由
消費の動向として、
↓
コト消費(体験に価値をおく)
↓
トキ消費(その時、その場でしか味わえないことに価値をおく)
と時代に沿って移り変わっている経緯があります。
ですのでライブ配信は、「今見なければ、二度と同じ配信を見ることができない」という非再現性があることや、「コメントでライブ配信に参加することができる。自分も盛り上げに貢献しているんだ」と視聴者を巻き込むことができるという点で、トキ消費という時代の潮流の価値観にぴったり当てはまっているのです。
そんな理由で人気が上がっているライブ配信がマーケティングに有効活用できるのは一体なぜでしょうか。その理由を三つ確認していきましょう。
理由① 双方向のコミュニケーションができる
自社の商品やサービスを買ってもらいたいと宣伝するときに、一般的な広告画像や広告動画だと、一方通行なコミュニケーションになってしまいます。
つまり、宣伝を見てくれているお客さんが「どんなことに興味を持ってくれたのか」「どんな理由で購入を悩んでいるのか」「どんな情報を聞きたいか」がわからないため、お客さんが本当に求めている情報を発信できていない可能性があるのです。
一方ライブ配信では、視聴者がコメントしてくれるため、その場その場で視聴者が必要としている情報を発信することができ、購入してもらいやすくなります。
さらにコメントしてもらうことで、市場調査のようなことも簡易的にできます。
また、双方向のコミュニケーションができることから視聴者に、より親近感を感じてもらいやすくなります。
商品を開発するに至った思いの熱さや、社会問題などへの考え方にも共感してもらいやすくなり、自社のファンを獲得することにつながります。
ライブ配信はデジタルマーケティングなので、一対多数で発信できますが、対面で話しかけているかのような距離感でもあるという、いいとこ取りなマーケティング手段なのです。
理由② 制作コストがかからない
ライブ配信では、視聴者とコミュニケーションをとりながら進行していきます。通常の動画広告などとは違い、台本を事細かに考える必要がありません。
ライブ配信では、配信中に起こったトラブルでさえ、不確定要素の多いライブ配信の持ち味となってしまうからです。
また、もちろん編集コストは一切かかりません。
通常のYouTubeチャンネルを運用をする際は、各動画ごとの視聴数やクリック率など、数値に表れた結果をもとにどう改善していくかを分析する必要があります。
そこで立てた仮説が正しいかどうかはもちろんわからないため、仮説を検証している期間はコストがかかってしまいます。
一方でライブ配信では、発信をしながらすぐに視聴者の意見を取り入れることができるため、分析にも時間を描けなくて済みます。
そして、お客様の意見を取り入れることが簡単にできるので、視聴者がもっと見てくれるような動画を作ることもすぐにできるのです。
理由③ 購入率が高い
ライブ配信は、商品に対して興味がわかなければすぐに離脱されてしまいます。
早送りもできない中、リアルタイムで見なければならないという点は、非常に制約が強いものです。
それにもかかわらず配信を見てくれているお客さんはとても商品に興味があったり、会社自体のファンとなってくれているお客さんです。
また、ライブ配信では、商品の使用感などを編集できず、ありのままを配信することとなります。
ですので、配信されている商品への感想などはごまかしようがないものなので、視聴者から商品や会社への信頼感が高まります。
以上の理由から、ライブ配信は購入率が高く、効率の良いマーケティング手法なのです。
ライブ配信のデメリット
ライブ配信をする際、もちろん適当に喋って良いわけではありません。
戦略を練らずにライブ配信をしてしまった際のデメリットを三つ見ていきましょう。
デメリット① 面白くないライブ配信になってしまう
動画が編集される理由の一つとして、視聴者に飽きられにくい動画にするためというものがあります。
例えば、YouTubeの動画では、言葉の間の何も喋っていない時間などを切り取るという、「ジェットカット」という手法があります。
これは、演者が言葉に詰まっていたり、「まぁ」とか「えーっと」などの不要な言葉をカットすることで、テンポの良い動画にして、飽きられずに最後まで見てもらうようにするための編集技術です。
そんな編集技術に頼れないライブ配信では、演者にトーク力が求められます。
また、台本まで考える必要はありませんが、商品を買ってもらうためにこんな話をするんだという構成は、あらかじめ考えておく必要があります。
そして、そこから逸れてしまった場合は、話をもともと自分が進めたかった方向性に軌道修正する力も求められます。
社員を複数用意しただけでは、内容がぶれたり、内輪ウケの動画になったりしてしまいかねません。
ですので、ナレーターや演者はしかるべき人に依頼して、ギャランティも適正価格をお支払いして、高クオリティの配信にすることを目指しましょう。
デメリット② 不適切な内容を発信してしまいかねない
ライブ配信では、台本もなく、動画の編集もすることができません。
ですので、自社の商品を過大に宣伝してしまったり、他者の批判をしてしまったりして、責任追及されることがあります。
危険行為や反社会的行為、わいせつ行為、暴力行為などといった言動にはもちろん気をつけなければなりません。
ついつい口を出てしまったり、聞く人の解釈によっては、悪く受け止められる余地のある言動をしないように最新の注意を払わなければなりません。
社員がライブ配信を行う場合には、しっかりと研修と指導を行う必要があります。
デメリット③ その時見てくれる視聴者を集める必要がある
ライブ配信を行っている瞬間に見てくれる視聴者を集めるのは、通常の動画のように、動画を置いておき、いつでも見てもらえるものに比べるとはるかに難易度が上がります。
ライブ配信を通して、熱狂的で、時間を指定したらその時間に集まってくれるほどのファンを作ったり、見てくれる可能性がある「アカウントのフォロワー」を増やすという手法が考えられます。
いずれにせよ、ただライブ配信をするだけではなく、少しでも多くのお客さんに見てもらえるようなライブ配信を意識し続ける必要があります。
ライブ配信マーケティングの事例
こんな特徴があるライブ配信ですが、マーケティングで実際活用している企業は、どうやって利用しているのでしょうか。
二つほど事例を見ていきましょう。
事例① 格力電器〜EC〜
こちらは、中国の家電メーカーの格力電器の社長がライブ配信をしたというものです。
たった3時間のライブ配信で、46億円を売り上げたという凄まじい結果を叩き出しました。
配信内容は、ライブ配信で名の知れているインフルエンサーと、商品を実際に使用してみたり、商品紹介をしたというものになります。
今はテレビで商品紹介している番組はありますが、今後はライブ配信を通じて商品が紹介されるのが主流になるかもしれませんね。
事例② キッチンDIVE
https://www.youtube.com/channel/UCo9e_ilRlTxHTCFAcaLR2-w
こちらは都内のお弁当屋さんを24時間配信しているというものになります。
お弁当の在庫状況や店内の混み具合がいつでもわかるため、お客さんにとって便利なサービスです。
それに、月の売り上げなどがリアルタイムでわかるようになっているため、その点でも応援されています。
ライブ配信先進国の中国でも、屋台の店主が自分の料理シーンを淡々と配信し続けているというようなことがありふれています。
ライブ配信は身構えて配信するものではなく、日常を常に配信し続けるものとして、より身近なものに変化していくのかもしれません。
ライブ配信をマーケティングで有効活用しよう
大注目のライブ配信がマーケティングにも活用できることがわかっていただけたでしょうか。
そうは言っても、ライブ配信ならではのデメリットもあるので、始めるのにハードルを感じますよね。
ライブ配信は、コストもかからないので始めること自体は簡単です。
しかし、配信するからには、購入につながるように多くの人にも見ていただき、より多くの割合の視聴者が購入をしてくださるような配信をしたいと思います。
そのためには、マーケティングの知見にたけている業務委託人材を採用して、しっかりと準備した上で内製化するというのも効果的な方法の一つです。