SNSマーケティングというと、TwitterやInstagram、TikTokなどでの運用をイメージするかと思われます。
しかし、一番使われているSNSはLINEです。
月間アクティブユーザー数は8,600万人にも上ります。(2020年9月時点)(参照元:LINE For Business)
このうちの86%のユーザーが毎日ラインを開くという調査結果も出ています。
見込み顧客のメールアドレスに対し、定期的に商品紹介のメルマガを発信する手法は、かねてより有効なマーケティング手法でした。
それが、何千万人にも使われているアプリケーション上で行われると、その効果は計り知れません。
しかし、LINEマーケティングの重要性に気づきながらも、有効活用しきれていない企業は多いのではないでしょうか。
今回は、企業のLINEマーケティングの活用法にはどういったものがあるのか、どのように有効活用していけるのか見ていきましょう。
LINEマーケティングでは何ができるのか
マーケティングの手法としてはあまり認識されていないLINEですが、一体どのようなマーケティング手法があるのか、4つの方法を見ていきましょう。
LINE公式(旧LINE@)
企業や店舗がLINEアカウントを作り、サービスや情報を届けることができます。
いわゆるメルマガのように、全員に対して、期間限定の商品の情報などを一斉配信することができます。
さらに、一対一の個別でやりとりをすることもでき、顧客とのコミュニケーションツールともなるのです。
以前は、誰でも作成できる、無料のLINE公式アカウントであるLINE@と、大企業が利用する高額のLINE公式アカウントが別々で存在しました。
しかし、その両者が統合して、大企業しか活用できなかったLINE公式アカウントを誰でも無料で利用できるようになりました。
LINE広告ネットワークの活用
LINE広告は、LINEアプリ内のタイムライン部分に出稿できるだけではありません。
LINEマンガやLINENEWS、LINEクーポンなど様々なLINEに関わる媒体上に広告を出稿することができます。
LINEが保有する、年齢や住んでいる地域、年収や世帯に関する属性、端末の変更やテレビの視聴といった行動に関する条件で、広告配信をするターゲットを絞り込むことができます。
また、すでに友だち登録をしているユーザーと似た属性のユーザーに広告を配信することもできるので、見込み顧客になりやすい潜在顧客に、効率的に広告を配信することができます。
スタンプ配信
企業の公式アカウントと連動させたスタンプを配信することによって、公式LINEの友だち数を増やすという手法です。
スタンプを獲得したユーザーが友だちにスタンプを送ることによって、二次、三次拡散を見込むことができます。
LINE Messaging API
LINEが提供している上級者向けのツールです。
Messaging APIを利用することによって、様々な機能をLINE公式アカウントに追加することができます。
基本のLINE公式アカウントでは、友だち登録してくれたユーザーが何かを送信するまで登録してくれた人がわからないのですが、このツールを導入することで友だち追加者の一覧を見ることができます。
他にもブロックしている人がわかったり、こちらから一対一のトークを始めることができたり、メニュー形式やボタン付きのメッセージなどを送ったりすることができます。
こんなにもすごい追加機能があるのであれば、誰でも使いたいと思うかもしれませんが、デメリットもあります。
このツールを使う際にはサーバー料金がかかってしまいます。また、使用するためにはツールを自分でプログラミングをして作成する必要があります。
しかし、Lステップなどの有料の外部ツールを導入すると簡単に使用することができます。
LINEマーケティングが注目される理由
このような施策を実行できるLINEマーケティングですが、なぜ今、LINEマーケティングが注目されているのでしょうか。
ここでは4つの理由について見ていきましょう。
幅広いターゲット層にリーチできる
冒頭でも述べたように、LINEは使っているユーザーの数も、アクティブユーザーの数も多く、ユーザー数は日本全人口の3分の2を超えます。
ユーザーの性別の比率が女性:男性=53:47であり、日本全体の男女比率と近かったり、60代でも半分以上が使用していたりと、デジタルマーケティングの中でも幅広い層に対して発信することができます。
情報伝達力に優れている
LINEでは、公式LINEの友だちのユーザーに対し、ダイレクトメッセージを送ることができます。そして、開封率も60%を上回ると言われています。
TwitterやInstagramなどのSNSと比べると、LINEはDMが主体のアプリとなっているため、個人に当てて送信した情報をユーザーが読んでくれやすいという特徴があるからです。
リピーター獲得に適している
公式LINEを友だち追加してくれたユーザーは基本的にサービスや商品についてすでに知っている方、もしくはすでに来店、購入してくださった方であることが多いです。
そのためLINEマーケティングは、既存顧客とコミュニケーションを取る中で顧客との関係をより強固に築き、再来店や再購入を促すための施策だと言えます。
新規顧客を獲得するのにはコストがかかってしまうので、一人一人の顧客の生涯単価を増やすという考え方がマーケティングでは非常に大切です。
LINEマーケティングはリピート客を獲得し、顧客単価を上げることに適した施策だと言えます。
ステップ配信をすることができる
先ほどのLINE Messaging API、ないしは外部ツールのLステップを導入することによって、ステップ配信を行うことができます。
ステップ配信はそもそもメルマガで利用されていた手段です。
メルマガ購読者に決められた順番で決められたメールを配信することで、メルマガ購読者が商品を購入したくなるように誘導するという手段です。
単純接触効果も手助けし、あらゆる商品を売ることができるマーケティング手法として注目されていました。
メッセージのやりとりが、メールからLINEをはじめとするSNSに移りつつあるため、最もユーザー数の多いLINEでステップ配信を行うことができるのが、いかに効果を発揮してくれる施策なのか想像がつくかと思います。
LINEマーケティングの効果的な活用法
以上のような特徴を持ち合わせているLINEですが、どのように活用すればビジネスを最大化できるのでしょうか。ここでは2つの活用法を見ていきましょう。
PUSH型とPULL型をうまく活用する
PUSH型はこちらから定期的にアプローチする方法です。
友だち登録をしてくれたユーザー全員に対して情報を発信することができ、認知度向上や思い出してもらいやすくなるという特徴があります。
一方で、全員に対して同じ情報を発信することになるので、必要のない情報を発信してしまう可能性もあり、その場合、不要な情報を送ってくるアカウントとしてブロックされてしまうこともあります。
また、配信するのにコストもかかってしまいます。
PULL型は、友だち登録してくれたユーザーに行動を起こさせる方法です。
見込み顧客に見合った情報を発信することができ、本当に必要とする情報を提供することで喜んでもらえます。
しかし、PULL型ではなによりもまずユーザーに行動を起こしてもらう必要があり、行動を起こしてもらうために、リッチメニューなどデザインを充実させることにコストが必要となることがあります。
両者がアプローチできる客層は異なっているため、それぞれの強みを生かして、組み合わせた施策を行うのがおすすめです。
マーケティングオートメーションを手軽に実践
マーケティングオートメーションとは、見込み顧客の獲得、顧客データの管理、顧客の分類とそれぞれの属性に対する独自のメッセージを発信、リスト化、の一連の流れを自動的におこなうことです。
マーケティングオートメーションは、マーケティングを自動化し効率を上げるだけではなく、それぞれの属性のお客さんに最適なメッセージを送信することによって、成約率を高めることもできます。
例えば、配信したどの情報に興味を持ってくれたのか、どんな商品を購入するのか、アンケートにどう答えてくれたのかなどを一括で管理し、それぞれの特性を持つ見込み顧客に一番響くメッセージを作成し、送ることができます。
LINEマーケティングを活用することによって、これらを手軽に実践することができるのです。
公式LINEを上手く活用しよう
公式LINEは無料で作ることができます。
そして、公式LINEで獲得できた友だちは、自社の商品をすでに知ってくれている存在であり、いつでもLINEという情報伝達力の高い方法でアプローチができる貴重なリストとなります。
また、Lステップなど外部のツールも利用することでステップ配信をし、商品の購入率を上げる施策を打てるという応用力まで持ち合わせています。
しかし、LINEを上手くマーケティングに活用するためのは、コピーライティング力をはじめとするマーケティングの力が必要です。
業務委託の専門的なマーケターに依頼し、企業の公式LINEを構築する戦略を実践するのはいかがでしょうか。