現在、全世界で18億を超えるwebサイトが公開されており、Googleでの検索回数は1日あたり10億回以上。webサイトを通じて問い合わせや売り上げを獲得していくためには、サイト構造の見直しや外部リンクの獲得といったSEO対策が不可欠です。
ただ、SEO対策には相応のコストがともなうのも事実。webマーケティング会社やネット広告代理店に委託した場合、料金の相場は月額10万円前後から、コンサルティングやコンテンツの制作まで依頼すると、サイトの規模によっては100万円単位の費用がかかるケースも珍しくありません。
さらに2020年以降は新型コロナウイルスの影響によって、webサイトを見せながら対面で打ち合わせをしたり、コンサルタントに社内に常駐させたりすることも難しくなりました。
そうしたなかあらためて注目を集めているのがインハウス、自社でのSEO対策です。今回はそんなインハウスの運用に役立つ13種類のSEO対策ツールをピックアップし、用途別ご紹介していきたいと思います。
キーワードの選定
「Ubersuggest」
アメリカの著名webマーケターが開発したキーワード選定ツールです。日本語を含めた100ヵ国語以上に対応しており、トップページの検索窓に任意のキーワードを入力するだけで過去6ヵ月間の検索ボリュームやSEO対策の難易度、関連キーワードの候補を一覧表示します。
表示速度が非常に速いうえ、無料ツールにありがちな煩わしい広告表示もなく、Googleキーワードプランナーなどとあわせて長年使い続けているマーケ―ターも少なくないようです。
「共起語検索」
Googleの検索上位30位までに表示されているサイトのなかから、共起語(webサイトでメインキーワードと併用されることが多い語句)を抽出します。
たとえば「人材派遣」で検索した場合、共起語としてリスト表示されるのは「紹介」、「スタッフ」、「転職」、「キャリア」など20種類以上。ロングテールSEOにおけるキーワードの選定、コンテンツの作成などには非常に役立つツールだと思います。
「グーグルサジェストキーワード一括DLツール」
こちらはGoogleの検索ボックス下に表示されるサジェストキーワード(対象ワードとあわせて検索される頻度、関連性が高い語句)を抽出できるツールです。
抽出されたワードは50音別に表示され、そのままCSVファイルとしてダウンロード可能。前述の「共起語検索」とあわせて利用すれば、ユーザーの検索ニーズをしっかり見極めたうえで、ピンポイントな施策を打てるようになるのではないでしょうか。
検索順位の確認
「順位チェック」(ohotuku.jp)
自社webサイトの検索順位をチェックできるツールです。使い方は検索窓に任意のURLを入力し、対象の検索キーワード(最大3つまで)を指定するだけ。30秒程度でGoogleとYahoo! JAPANでの順位が表示されます。
「RANKING CHECKER」
「順位チェック」と同様、検索順位の確認に特化しており、最大5つまでのキーワードに対してGoogle、Yahoo! JAPAN、Bingでのランクを表示します。
2011年のリリース以来、ユーザーの意見を取り入れながらアップデートを重ねており、精度の高さに定評があるようです。
競合サイトの分析
「SEOチェキ!」
競合サイトのURLを入力することで、タイトルタグやメタディスクリプションの記述、外部・内部リンク数、ページ表示速度、ドメインの取得年月日などを確認できます。
個人が提供しているツールながら非常に完成度が高く、webマーケティング会社やネット広告代理店でも幅広く利用されています。無料SEO対策ツールの代名詞的存在として、webメディアなどで紹介されるケースも少なくありません。
「SimilarWeb」
こちらはロンドンに本社を置くIT企業が提供している解析ツールです。
Googleアカウントでログインし、社名など必要事項を入力すれば無料版の利用が可能。独自開発のクローラーが競合サイトのアクセス数や平均滞在時間、訪問者の利用デバイス比率、直帰率などを解析し、グラフ形式で表示します。
海外製ではあるものの、日本語に対応しているうえ画面レイアウトも非常にわかりやすく、解析ツールが初めての方も操作に迷ったりすることはないでしょう。
内部対策
「ラッコツールズ」
webサイトの運営やコンテンツの更新作業の効率化を目的に開発された無料ツールです。SEO対策向けの機能も充実しており、検索上位に表示されているページの文字数をカウントしたり、ページに含まれる見出しタグやリンク、画像などを抽出したりすることができます。
検索エンジンに評価されるページにはどんな共通点があるのか、どういった構成にすれば伝わりやすいコンテンツに仕上がるのか、内部対策を行ううえで非常に参考になるはずです。
「ファンキーレイティング」
webページ内に含まれる語句をカウントできるツールです。特徴的なのは、任意に指定したキーワード出現率(含有率)にあわせて、追加・削除すべき語句の数まで表示されること。
Googleのアルゴリズム変更によって以前より重要度が下がったとされる出現率ですが、ページ内に対策キーワードが含まれていなければ当然上位表示は難しくなりますし、逆に不自然な偏りがあるとペナルティを受けることも。
このツールを活用すればそうしたリスクを防ぎつつ、バランスの良いコンテンツに仕上げられるでしょう。
「高評価」
URLと対策キーワードを入力することで、キーワードに沿って適正な内部対策がとられているかジャッジを受けられます。
評価の基準となるのは、タイトル、内部リンクなど7つのパラメータ。十分な対策がとられていない箇所には問題点とあわせてアドバイスが表示されるので、参考にしながら改善を重ねていきましょう。
あわせてタグの構成やaltテキストも確認することができ、使い方によっては競合分析にも効果を発揮すると思います。
その他
「マイサイト被リンク」
被リンクの総数および、リンクを貼っているページのURL・タイトルを一覧表示します。表示結果はCSV形式でエクスポートできるうえ、無料ツールとしては珍しく競合を含めた他社サイトのデータまで閲覧することが可能。ユーザーに受け入れられやすいコンテンツの内容・傾向をいち早く把握できます。
「リンク切れチェックツール」
更新やリニューアルにともなうURLの変更などによって起こりがちな404エラー。404エラーそのものが直接的に検索順位を落とすことはないとされていますが、リンクが切れたまま放置すればユーザービリティは低下し、せっかく積み上げてきた信頼を失いかねません。
このツールを利用すればそうしたリンク切れをいち早く察知し、速やかに対応できるようになります。
「類似ページ判定」(sujiko.jp)
2つのURLを入力すると、それぞれに含まれる語句や文章をチェックし、タイトル・本文およびソースコードの類似度をパーセンテージ表示します。コンテンツ制作を外注した際のコピペや、ミラーサイトによる評価の分散、ペナルティ防止に効果を発揮するツールです。
最後に
ここまでSEO対策に役立つ13種類の無料ツールをご紹介してきましたが、さらにコストを抑えて対策の費用対効果を高めたいのなら、業務委託のマーケターを活用するのも方法の1つ。
業務委託の人材なら継続的に賃金を払うことなく、自社サイトの課題や競合の状況にあわせて必要なタイミングで必要な人材をアサインできます。経験・スキルによってはコンテンツ制作や効果測定はもちろんのこと、webマーケティング全体の戦略立案にも力を貸してくれるでしょう。
今回ご紹介したツールの導入とあわせて、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。