フリーランス目線、事業会社内外の目線で「マーケティング」を語る

昨今のマーケター不足により、フリーランスのマーケターに仕事を外注する人が増えています。

正社員より柔軟に、自社に合ったマーケターに担当してもらうことができるからです。

とはいえ、今まで正社員が担当していたマーケティングをいきなりフリーランスに外注するのは、踏ん切りがつかない企業も少なくないと思います。

今回は新卒からマーケティングに携わり、現在ではフリーランスマーケターとして大手企業を中心にマーケターとして活躍されている大沼氏の話を通して、フリーランスのマーケターの現状について徹底的に見ていきましょう。

大沼氏の紹介・経歴について

インタビュアー:マーケターズ・プロファイル。このコンテンツは活躍するマーケターの方にスポットを当て、その秘密に迫るものです。

今日お招きしているゲストは大沼勇哉さんです。大沼さんは、ベンチャー系事業会社に新卒で入社され、マーケテイング業務を経験したあと、コンサルティング会社に転身。コンサルタントとして大手企業を中心に複数のプロジェクトや、マーケティング戦略策定支援を経験されました。現在は独立し、マーケターとして活躍されています。

フリーランスになったきっかけ、マーケティングのどこに魅力があったのか、なぜ、その選択をしたのかなどを深くお伺いできればと思います。大沼さん、よろしくお願いいたします。

大沼氏:はい。よろしくお願いします。僕は正社員として2社経験していて、1社目が新卒で入った人材系の事業会社です。そこで、マーケティングの部署にたまたま入れてもらえて、マーケティングをやり始めたってとこが一番大きかったのかなって思っています。

そのあとコンサル会社に転職して、ECだったり、人材とか保険の業界のマーケの支援をしてました。マーケから入って、戦略の支援みたいなところまでやらせてもらったりしてたっていう感じです。2社経験したあとに独立して、今3、4年目になってます。

インタビュアー:ありがとうございます。マーケティングの中の得意領域っていうのはどんなところなんでしょう。

大沼氏:toB、toCどっちもやっていますが、多分toCのほうが今までやってきたことが多いから、そっちのほうが強いのかなと思ってます。領域でいうと、一通り上から下までできるかなと。
コンサル会社行ったりとか、コンサル会社で結構上のほうをやったりしつつ、事業会社で実際に手を動かしながら下のほうもやったりしてたんで、一通りはできるけど、上のほうがちょっとお金になるのかなって思ったりはしてます。

フリーランスに転身したときの話

インタビュアー:分かりました。ありがとうございます。今って、テレワークがすごくやりやすくなったじゃないですか。

大沼氏:はい。

インタビュアー:フリーランスになったときってどうだったんですか。何年前ですか、フリーランスになったの。

大沼氏:2019の1月からやってます。3年前ぐらいですね。

インタビュアー:そのときって、業務はリモートでできました?

大沼氏:広告運用とか、オンラインでもできるというか、別に今すぐやらなくてもいいみたいな仕事とかは結構オンラインもありましたけど、企業側の意識的には、やっぱり来てもらって、作業してるところも確認したいです、みたいなところが結構多かったんで。

インタビュアー:リモートだと、手抜いてるとか、そんなイメージありましたよね。

大沼氏:そうですね。なので、あんまり多くなかったという答えになります。

インタビュアー:今はもうほとんどリモートですか。

大沼氏:ほぼリモートの案件が多いですね。

インタビュアー:ですよね。やっぱり、大沼さんの立場的にはすごいやりやすくなってるんですか。

大沼氏:そうですね。移動時間とか、空いた時間とかにいろんな仕事ができると思うんで、そっちのほうがやりやすいですね。

インタビュアー:何となく、春までこのままいくような感じがしますけど、コロナが収束して、元に戻りますって言ったらどうします?

大沼氏:僕はもう、その仕事を取らないかもしれないですね。

インタビュアー:リモートでも問題なくできますもんね。

大沼氏:そうですね。昔から、結構リモートで仕事することが多かったですし。
今まで、会社員の方とか多分出社が多かったと思うんで、切り替わった瞬間っていろいろ大変なこととか、慣れないこととかいっぱいあったと思うんですけど、自分は昔からやってたんで、そこはそんなに大変じゃなく、むしろやりやすいなと思ったりしてて。家でも仕事できるような環境を一応作ってはいたので、そこはあんまり障壁にならなかったというか、むしろやりやすいっていう感じでした。

インタビュアー:家には、仕事部屋みたいなのがあるんですか。

大沼氏:そうですね。一部屋仕事部屋にしてます

インタビュアー:そういう方はストレスなくリモートで仕事されてますよね。そこが確保できないと、やっぱりちょっと厳しいみたいなことおっしゃってますけど。

大沼氏:そうですよね。一部屋用意するのは結構きついですからね。

会社員としてのキャリアのスタートの話

インタビュアー:仕事のほうのお話で、キャリアの最初ってどういう感じでスタートされたんですか。

大沼氏:新卒で人材系の事業会社に入って、そこで、たまたまマーケティングの担当にしてもらえたんで。そこで、マーケティングってこういうのだよねみたいな基礎とか、こういうふうにやるんだみたいなのはいろいろ教えてもらったりしてて。

インタビュアー:元々マーケ志望とかっていうことではなくて、たまたま。

大沼氏:そうですね。一応大学、商学部でマーケティングみたいなのやってたんですけど、いざ会社でやりたいかって言われると、別にそんなやりたいとかじゃなかったですね。最初は。

新卒の社員とかって別に何ができるわけでもないんで、言われたことをやるしかないかなと思ってたので。でも、ほんとにたまたま入れてもらったとこですけど、社会的に働きやすいというか、需要がある職種だったのは今、感謝はしてるっていうか。

インタビュアー:そこで、ちょっとマーケティングが面白いなとは思ったってことなんですか。

大沼氏:うん。面白いと思いました。

インタビュアー:その後は、転職されてコンサルティング会社に行かれたんですか。

大沼氏:はい。ITのコンサル会社で。マーケ中心っていうよりは、戦略から提案して、ソリューションがITで、そこでお金をいただくみたいな感じの。

ザ・アクセンチュアみたいなビジネスモデルの会社で、マーケとか、結構上流工程の設計みたいなところとかも入れてもらったりしながらやってました。そこで、今まで事業会社では取りあえずやるみたいな感じだったのが、コンサルとしての考えとか基礎とか、こういうふうに仕事進めてくんだとか、プロジェクトの進め方とか、そういう基礎をたくさん学びました

インタビュアー:最初の事業会社とコンサル会社を比べると、コンサルってやっぱり忙しいんですか。

大沼氏:すごく大事にしてくれるコンサル会社だったので、そんなことはなかったです。事業会社のときは、ほんとに朝から夜中までって感じだったんですけど。コンサル会社になった瞬間、なんかもう、7時に帰っていいっすよみたいな感じだったんで。

インタビュアー:逆のイメージありますね。

大沼氏:そうなんですよ、会社によると思うんですけど。僕がいたコンサル会社は本当にホワイトな会社で、最初転職したての頃は、7時以降になにすればいいんだっけ、みたいな。

インタビュアー:いい会社じゃないですか。なんで辞めちゃったんですか

大沼氏:今まで夜中まで仕事して、家帰ったら風呂入って寝るぐらいの感じだったんですけど、7時に終わったときに何していいんだっけってなって。最初は友達と飲みにいったりとか、遊んだりとかしてましたけど。たまにならいいけど、別に毎日やりたいわけでもないからと思って、自分の勉強とか、今後につながるようなことをやっていこうかなと思って、最初ちょっと勉強してたんですよ。マーケのこととか、コンサルの基礎みたいなのをいろいろ勉強してたんですけど。

もう、お金にならないっていったらあれですけど。自分のためにはなってるのかもしれないけど、お金にならないから、ちょっと副業でいろいろやってみようかなと思って、副業とかの案件をいろいろ見始めたんですよね。

インタビュアー:副業サービスみたいな。

大沼氏:副業サービスとか見たときに、あれ?これ、副業じゃなくて、独立してこういう案件取ってったほうが稼げるんじゃないかとか思ったりもしたし。あと、そのときコンサル会社で一緒にプロジェクトやってた方が、業務委託で仕事してまして。
その方、すごく能力が高かったりとか、すごく自由に働いてたりとかして。今まで、正社員で働くっていうことしか頭になかったし。社会人とは正社員であるみたいなところがちょっと自分の頭の中にあったんですけど、あ、こういう働き方もあるんだって思って。じゃあ、これ自分もやってみたほうがいいかなと思って独立しました

インタビュアー:その、知り合った業務委託の人っていうのは、いわゆるフリーランスの人なんですか。

大沼氏:一応会社は立てたけど、1人会社で自由に動いてるみたいな感じでした。

インタビュアー:でもコンサル会社って、言える範囲でですけど、結構給料いいんじゃないですか。

大沼氏:事業会社にいたときよりは上がりました。それから、マネージャーとか、もっと上にいくと多分1,000万超えてくるイメージですけど、コンサルタントとしてはそこまでではなかったかな。

インタビュアー:でも、そんなホワイトというか、19時に終わるとか。まあ、当たり前っちゃ当たり前なのかもしれないですけど。給料も良くて。それでも、やっぱり何か、満たされないって言ったらあれですけど、こっちのほうがいいなって思っちゃった感じなんですかね。最初に入った会社、1社目はどうだったんですか。

大沼氏:新卒で入ったのはよかった会社だよねみたいなのは、結構みんな口をそろえて言っています。鍛えられたじゃないけど、社会人としての基礎ができたんですごくよかったなっていう。辞めた同期も、いろんなとこでちょくちょく活躍してたりとかするんで。起業してたりとか、すごく大きい企業で新規事業の開発の責任者やってたりとか。本当に1社目としてはいい会社だった。

インタビュアー:1社目は厳しいほうがいいんですかね。鉄は熱いうちに打てとかそういうことですかね。

フリーランスになることへの不安

インタビュアー:フリーランスになることに不安はなかったですか。会社辞めちゃって。

大沼氏:不安は、別にすごくぜいたくな生活してるわけじゃなかったので、最悪バイトすればいいかなとか。僕、大学のときに居酒屋でバイトしてて、すごい楽しかったんで、最悪居酒屋とかで大丈夫かなって。そんな感じでした。

インタビュアー:自分の中でのリスクヘッジみたいなのができていたと。周りの反応はどうでした? お仲間とか、ご家族とか。

大沼氏:仲間にはあんまり言わなかったですね。当時コンサル会社で働いてた人たちには、独立することにしましたみたいな。まあ「大変だから、頑張りなね」みたいな反応ではありましたけど。でも快く背中を押していただいた感じですね。家族もそのとき、ちょうど結婚したてだったんですけど、妻が結構背中を押してくれたというか。

インタビュアー:押してくれたんですか。

大沼氏:あ、いいんじゃない? みたいな。

インタビュアー:逆の話はよく聞くんですけど。嫁ブロック的な話。

大沼氏:そうですよね。嫁ブロック結構あるかなと思ったんですけど。独立しようと思うんだよねって言ったら、まあ、いんじゃない?みたいな感じだったので。ありがたい。

インタビュアー:奥さんも働いてるんですか。

大沼氏:はい。妻のほうがちゃんとしっかり働いてるんで、それがあるのかもしれないです。最悪養ってやろうみたいな気持ちが、もしかしたらあったのかもしれないです。

インタビュアー:そういう意味でもリスクヘッジがあってっていうことですね。

大沼氏:そこが大きいかもしれないですね。1人だったらどうだったかなっていうのはちょっとあるかもしれないですね。

フリーランスの良い点、悪い点

インタビュアー:実際なってみてどうですか。良い点、悪い点でいうと。

大沼氏:独立していい点は、収入面もそうですけど…。

インタビュアー:収入はやっぱりよくなったんですか。

大沼氏:収入はそうですね。よくなったかもしれない。でも、今はちょっと会社を立てちゃってるんで、普通のサラリーマンの方と同じぐらいのお金ぐらいしか手元には入れてないです。

あと、すごく自由に働けるというか、会社員のときって自分で仕事選べないじゃないですか。そこが独立してから、働く人とか、やるプロジェクトを対等な立場で自分も選べるっていうのがすごい自分にとって大きいかなと思った。

インタビュアー:いいですね。お金も増えて、自由で。悪い点はないですか。

大沼氏:悪い点。やっぱり契約期間が3カ月とかが多いんで、そこですかね。明日は安定ではない、じゃないけど。

インタビュアー:翌月とか、来月、半年後は分からないとか、そんな感じなんですか。

大沼氏:そうですね。半年後どうなるかは分からないと思いながら、毎日暮らしてますけど。

インタビュアー:そういうのって、プレッシャーになってるんですか。

大沼氏:いやあ、最初のほうは結構プレッシャーだったんですけど、今はもう。もういっかなみたいな。

インタビュアー:なんとかなるでしょ的な。

大沼氏:なんとかなるでしょ、で。慣れですね。

インタビュアー:実際どうなんですか。仕事は途切れたりとかしないんですか。

大沼氏:途切れることもありますけど、せっかくの休みだしって思っちゃいます。1〜2カ月ぐらい休むか、って。

インタビュアー:今はあんまり行けないかもしれないかもしれないけど、どっか行っちゃおうかとか。

大沼氏:旅行とか行きたいですね。

インタビュアー:でも極端な話、リモートだったら旅行に行っても、旅行先で仕事もできますしね。

大沼氏:そうなんですよね。だから、時差があんまりきつくないところ、東南アジアとか、結構いいかなと思ってるんですけど、やっぱり家族がいる手前あんまり。

インタビュアー:そこまで自由にすると怒られちゃうっていう。

大沼氏:仕事は自由にしていいけど、プライベート的な自由をしすぎると家族の目が気になっちゃう

インタビュアー:あんまり自由にしすぎてもあれですね。仕事はいいけど、私生活はやっぱり節度を持って。

大沼氏:ほんとそんな感じですね。この前、知り合いの経営者の方と日曜日のゴルフが急に決まって。ゴルフ行こうって言ったら、え?みたいな。まあ仕事だけど、それ、ゴルフする必要ある?みたいな。

インタビュアー:今、そういうのがコロナで、明らかになってきてますからね。

大沼氏:ちょっとブロック気味でしたけど。まあ、行かせていただきましたけど。

インタビュアー:今お話聞いてると、取りあえずでフリーになって、あんまり悪いことはなくていいことのほうが多いんですかね。

大沼氏:そうですね。まあ、あんまり言うとちょっと怪しい感じになっちゃいますけど、僕はあまりデメリットは感じなかったかな。

でも、上に人がいて教えてもらえる環境って、会社員の特権というか、いいところかなと思ったりするんですよね。駄目なことを駄目って言ってくれたりとか、できてないところを正してくれる。その辺は独立しちゃうと難しくて、結局できてなかったら、契約切られて終わりなんで。そこは結構あるかもしんないですね。

インタビュアー:あと、情報とかもそうですよね。会社にいると情報が勝手に入ってきますからね。

大沼氏:そうなんですよね。だから、自分でその情報とかスキルをアップデートしにいかなきゃいけないので。そこは、会社にいるときより大変かもしれないですね。

インタビュアー:逆にいうと、フリーでもそういう環境がうまくできたりとか、使えたりすると、なおよしということですか。

大沼氏:そうですね。入る案件によっては、社員さんと変わらない感じで扱ってくれる人だとか会社もあったりします。僕も一応プロフェッショナルとして、プロジェクトに入らせてもらうんですけど、その中でいろいろ教えてもらったりとか、学ぶこともたくさんあるので、そういうプロジェクトに入ると、得したなじゃないけど、自分も成長できてるかなみたいな感覚はあります。

インタビュアー:確かに、成長はフリーランスの課題かもしれないですね。

大沼氏:難しいですよね。

フリーランスとして困ったとき、悩んだときの対処法

インタビュアー:困ったときとか、悩んだときとか、相談できる仲間や環境はあるんですか。

大沼氏:同じような業界とか職種で独立してる人が結構周りにいるので。分かんないことがあったら、これどうしてる?とか、これって今どんな感じ?とかっていうのは、結構教えてもらったりすることが多いんで、そこは、ちょっと恵まれてるかもしれないですね。

インタビュアー:会社員でも上司とか同僚に聞いたりしますもんね。周りにフリーランスの方が多いんですね。

大沼氏:フリーランスっていうよりも、会社立てちゃって、企業としてやってる人が結構多いです。僕、従業員なしで一人会社をやってるんですけど、そのケースは稀かもしれないですね。周りは、下に人を付けて仕事してる人が多いですね。

インタビュアー:1社目のお仲間が多いって感じですか。

大沼氏:1社目もですし、大学とか高校の友達とかも、結構独立してたりする。

インタビュアー:ちなみに感覚でいいんですけど、ずっと入った会社にいようっていう人って何割ぐらいなんですか。

大沼氏:自分の周りだけの感覚ですけど、7割ぐらいは会社にいるんじゃないすかね。

インタビュアー:そのぐらいはずっといるんですね。

大沼氏:そうですね。6〜7割ぐらいはいるイメージがありますね。特に大学の時の友達は、結構しっかりしてる人が多いというか。ちゃんとした企業にみんな就職したりしてたんで。やっぱり、大きい企業とかしっかりした企業に入った人はそのまま進む。お金とか、福利厚生とかはいいから。それを捨ててまでってなるんですかね。

インタビュアー:それでも、4割くらいは独立してるって感じですか。

大沼氏:そうですね。そのくらいは、独立してる人がいますね。

インタビュアー:周りから、今どういう感じでやってるのか、ってなんか言われます?

大沼氏:あんまり、仕事の内容を聞いてくる人はいないですけどね。お金ありそうだよねみたいな。今日おごってくれるのかな?みたいな空気感はちょっと出てくるかもしれない。

インタビュアー:サラリーマン的な発言ですね。

大沼氏:そうですね。でも、気になるとこってそれぐらいじゃないですかね。結局、同じような業界にいる人は、どういう内容やってんのとか言ってくるけど、結構関係ない領域の人とかだと、そんなに聞いてこないかなっていうイメージが。

インタビュアー:なるほど。フリーランスになってみて、イメージと違った面ってなにかありますか。

大沼氏:だいたいこんなもんかなっていう。

インタビュアー:だいたい想像の範囲内というか。

大沼氏:そうですね。

事業会社の中と外から見ることの違いについて

インタビュアー:話が変わるんですけど。元々事業会社でマーケティングをされていて、今は外に出て、逆にそういう企業さんのマーケティングを見る側だと思うんですけど。中にいたときと外から見たとき、思うことはありますか。

大沼氏:中にいるときって、やっぱりよその勝手が分からないというか。自分の会社独自の感じになっちゃうみたいなところもあるし、結構企業が大きくなれば大きくなるほど、ジョブローテとかあったりとかして。

ことマーケに限ると、会社内にマーケの人材はそんな多くないのかなって思うんで。企業の中にいて、インハウスでマーケティングをやるのは結構難しいことなのかなって思ったりします。自分もほんとに手探りでやってましたし。

インタビュアー:インハウス人材ってなかなか難しいですよね。その、ジョブローテの問題とか。

大沼氏:マーケができるのであれば、独立したほうがよっぽどお金もらえるんで。それでもそこにとどまるのには理由があるんですよね。その会社のことがめっちゃ好きか、すごくやりがいがあるとか、お金のことは気にしないとか、そういう人じゃないと優秀な人はどんどん抜けてっちゃうイメージがあります。

インタビュアー:結構転職しちゃうし、それこそ独立する方も多いですよね、マーケの人は。でも、もはや専門家がすごいんで、ジョブローテしてすぐできる仕事でもなかったりするじゃないですか。そこも難しいのかなって思うんですけど。

大沼氏:だから、大きい会社になるほど外注とかが多くて、自社のマーケ担当の人は外注管理屋さんじゃないけど、ベンダー、管理担当になっちゃうことが結構多いのかなって。

インタビュアー:ただ管理も、マーケの中身が分かんないとできないじゃないですか。そこも、ローテとかだと難しいっていう感じになってきちゃってるのかなって気もしますけどね。

大沼氏:難しいと思います。大きい会社の人って、そもそもが賢い方が多いから、結構吸収とかよくされて、なんとなくは分かってるのかなとは思ってますけど。

インタビュアー:とはいえ、やっぱり限界がありますよね。だから企業がマーケティングをちゃんとやるって、意外と難しいなって気がすごくしますけど。

大沼氏:自社でやるのは難しいですね。

インタビュアー:外注のコントロールが難しいところもありますよね。

大沼氏:そうですね。

インタビュアー:結構、外注あるある、ありますもんね。

大沼氏:いっぱいありますね。ちゃんと中身が分かってないと、なにされてるか分からないんでね。でも、何されてるか分かんないからこそ、やりたい放題みたいな面もちょっと。

インタビュアー:そんなに、悪いことしてないと思いますよ。別にだまそうとか、そういう会社って世の中にそんなないと思うんですけど。

大沼氏:そうですね。

インタビュアー:ただ例えば、広告代理店だと、要はマージンでお仕事してるので、広告会社からすると予算が大きくなったほうがいいわけじゃないですか。
でも、企業側は別に予算を増やしたくないっていう。今と同じ予算のまま効果が出たほうがいいですから。

そこをちゃんと分かって、ベンダーコントロールするしないとか、広告会社のビジネスモデルを理解した上で一緒にお仕事するとか、そういうことだと思うんですけど。SEO会社は、SEOにもっと力を入れたほうがいいって言いますし。当然ではあるんですけど。

大沼氏:そうですよね。広告代理店がテレアポしてきたんだけど・・とか、web広告出して、アンケ取っておけばいいんじゃないのみたいなところもありますからね。

マーケティングの魅力について

インタビュアー:ちょっと話を変えますけど、マーケティングの魅力ってどんなところだと思いますか。元々素養はあったんでしょうけど、たまたま最初に入った会社でマーケやったわけじゃないですか。そこで、結構いいなと思ったところって、主にどんなところですか。

大沼氏:会社が提供してるサービス自体の質っていうのも、もちろん関係あるんですけど、そこが一定以上だった場合、マーケ次第でどうにでもなるというか。会社の売り上げだったりとか。

インタビュアー:それ、ありますよね。

大沼氏:だから、化粧品とか、コスメとか、特にtoC商売とか。バルクオムとか、マーケでのし上がってるじゃないけど、あるじゃないですか。それこそ、青汁王子とかも。
だから、その商品の質があまりに悪かったら、さすがに無理ですけど、一定以上だったときはほんとにマーケ次第だから。結局、事業をやる上で欠かせないというか、マストな部分でもあるし、比重を大きくするべき場所かなと思ったりしますけどね。

その重要性を分かって、ちゃんとやってる企業さんももちろんたくさんあるけど、たまに、そこをおざなりにしてる企業さんとかもいたりするんで、そこがすごく大きいところなのかなって。

インタビュアー:そこに気付かない企業って多いと思うんですけど、なんでなんですか。

大沼氏:なんでなんですかね。いいものをつくれば売れるじゃないけど。

インタビュアー:プロダクトアウト思考ですよね。

大沼氏:多分、それも確かにあるとは思いますけどね。これが口コミになってとか。あるとは思いますけど。ほんとにめちゃめちゃいいプロダクトをつくるのってめっちゃ大変ですからね。だからそこは、一定以上いったらそこからは、マーケも力も結構でかいかなという感じ。魅力でいうと、マーケ次第でどうにでもなるっていうところですかね。

インタビュアー:そこに気が付いて、そこに力をいれる企業は、ベタですけど業績が上がったりとか。

大沼氏:そうですね。それに、僕たちもおいしいと。

インタビュアー:マーケターの活躍する場も広がる

大沼氏:マーケターもおいしい。

インタビュアー:でも、本当にそうだと思いますね。まだまだそこの余地っていうか伸びしろはすごくあると思います。

大沼氏:そうですね。盛り上げていただいて。

インタビュアー:そこに気付いてもらうにはどうしたらいいんですか。アメリカ企業とか、大手企業って結構マーケティングに力入れるじゃないですか。コンサルとかも経験されてる大沼さんとしては、そのへんはどうでしょう。

大沼氏:それは、分かんないな。気付いてもらうしかないんですかね。

インタビュアー:あと、マーケをやれば伸びる余地があるとはいえ、そんなにすぐ結果が出るもんでもないじゃないですか。来月から急に売り上げ上がるとかってないと思うんですけど。そのへんは。

大沼氏:やっぱ、最初の握りが結構大事ですよね。だから、自分で営業して案件取ってくるときは、ちゃんとそこの握りからやるんで、いいんですけど。誰かが取ってきてくれたような案件にアサインしてもらうときみたいなのは、僕が入る段階でもめっちゃ気を付けます。

インタビュアー:妙に期待値が高かったりとか。

大沼氏:はい。あとは、ちょっとおかしいぞっていうとき、たまにあるんで。やっぱりそこは、現実的なマイルストーンじゃないですけど、まあそうやってもらって、進めることが多いですね。

インタビュアー:とはいえ、必ず効果は出ますけどね。伸びる線の角度はいろいろ多分あるかもしれないですけど。

大沼氏:だから、あまりにも多くを期待されてしまうと、必ずしもそれに答えられるわけでもないので。

将来の展望について

インタビュアー:今、フリーランスになられて、会社組織に最近されたんでしたっけ。

大沼氏:そうですね。今年に入ってからです。

インタビュアー:将来の展望とかってなにかありますか。

大沼氏:自分でプロダクトとかサービスつくって、それを展開していきたいなとはうっすら思ってますけど。そんな細かくこれをこうしてとか考えてるわけではないというか、小学生がサッカー選手になりたいみたいな。それと同じレベルかもしれないです。

インタビュアー:いいんじゃないですか。

大沼氏:でも「いつか」ってしっかり思ってないと、行動は多分しないんで。そう思っておきながら、今結構修行期間だとも思って、いろんなプロジェクト入ったりとか、いろんな仕事してますけど、そこで培ったものを、自分の事業とかで出せるタイミングがあったら大きいと思うんで、そのタイミングがきたときに、しっかり出せるようには準備しておきたいなとは思ってますね。

インタビュアー:いろんな会社に、ある種インハウスの立場で業務されてると思うんですけど、それって、すごい経験ですよね。

大沼氏:ほんとそれは思ってますね。何個も転職してると、ちょっとこいつ、ころころ転職してるぞ……って。

インタビュアー:5社も行ってたら結構みたいな話になるんですけど。5社なんてもんじゃないですもんね。業務委託。

大沼氏:そうなんですよね。だからそれはすごくいい、プラスのこと。自分にとってはポジティブなことかなと思いますね。

インタビュアー:ご家族も結構今の感じで満足されていますか。

大沼氏:あんまり外出しなくなってしまったので。コロナもあったりして。だから、家でできる仕事なんで、家族が家にいてくれるのはありがたい、みたいなのは言ってくれますけどね。でも、仕事の内容がどうこうとかって、多分家族には関係ないことだと思うので。

インタビュアー:そうですよね。

大沼氏:取りあえずやることやって、ある程度金を持って帰ってきてくれれば、それでいいみたいなところはあるかもしれないですね。

大沼氏にとってマーケティングとは

インタビュアー:皆さんに聞いてるんですけど、大沼さんにとってのマーケティングってどんなものなんですか。

大沼氏:あれですね。情熱大陸的ななにか。

インタビュアー:商学部で勉強したときに、将来自分がマーケティングに関わるとか、マーケターになるって当然思ってなかったですよね。

大沼氏:思わないし、授業とかそんな真面目に聞いてるわけないじゃないですか。

インタビュアー:なんだ、マーケティングってみたいな。

大沼氏:取りあえず、テストに出るぞって言われたから、みたいな感じだったところから、結局1社目入ったあとにまた、1から学び直して、結局、身になってないんで、1から勉強したけど。なんだろうな。マーケティングとは。自分の武器になった。自分の武器ですかね。

ほんとにたまたま、マーケの部署に入れてもらって始まったことですけど、それのおかげでここまで生きてこれたというか。まだ、数年しか生きてないですけど。すごい感謝はしてますけどね。何ですかね。自分にとって武器なんですよね。

インタビュアー:分かんないもんですね。そういう出会いって。

大沼氏:分かんないですよね。僕がその部署に入ったのだって、そのときにそこのマネージャーやってた方が、多分僕に合うみたいな感じで言ってくれて、それで入れてもらえたんですよ。その人にもめちゃくちゃ感謝してますね。その人は今、その会社で執行役員をやってるんですけど、やっぱりその方もすごくしっかりされてて、その方にいろいろ教えてもらえたんですよ。マーケのことも、社会人としてみたいなところも。

インタビュアー:そういう、いい出会いもあったってことですね。

大沼氏:はい。それが、大きかったですね。

インタビュアー:大沼さんどうもありがとうございました。今日のお話のポイントは2つかなと思いました。1つ目はフリーランスは自由に働け、仕事を選べる。これ結構インパクトがあるお話ですよね。必ずしも、皆さんが全員がそうではないかもしれませんが、意外と、私の周りにいるフリーランスの方は、そういうお話をする方は多いですね。少なくとも、大沼さんもそうで。うらやましいお話ですね。

そして、2つ目、多くの企業で業務を経験することができる。これも、意外と言われてみれば、そうなんだっていう。なかなか貴重な経験ですよね。転職しても、おそらく5社とか経験してると、結構多いねって言われちゃうと思うんですけど、フリーランスの方だと、1年で軽く超えちゃうぐらいになると思うんで、そういった経験って実は、キャリアを考える上で、なかなか貴重な経験かなっていうのは今日聞いてて、あらためて思いました。

いかがだったでしょうか。マーケターズ・プロファイル。ブレーンスタイルでは、今後も活躍するマーケターの方々にスポットを当てたコンテンツを配信していきますので、ご期待ください。それでは今回はこれで失礼いたします。また、お会いいたしましょう。