あなたの会社には、女性従業員はどのくらいいますか?
結婚・出産しても仕事を続ける女性や、そもそも結婚・出産をしないことを選択することがライフプランとして当然の選択肢となった影響で、昨今、女性従業員の割合は増えてきたのではないでしょうか。
フリーランス市場でも同じことが言えます。
しかもフリーランスは結婚・出産によって生活スタイルが変わった女性でも選択しやすいので、今後色々なライフプランを持った人が参入してくると考えられます。
Webマーケティングの拡大に伴い、急激にフリーランス人口が増えているマーケターの世界では、その傾向がより顕著に現れていると言えるでしょう。
今回は、女性フリーランスの現状と、女性フリーランスマーケターに仕事を依頼するメリットについてご紹介します。
女性の仕事と出産・育児は深く関わっている
フリーランスの女性の現状を見る前に、まずは働く女性がどの程度いるのかを見ていきましょう。
厚生労働省が行った「国民生活基礎調査」によると、児童がいる家庭の女性で、仕事をしているのは全体の72.4%です。
子どもがゼロ歳の家庭から17歳の家庭まで、すべての年代の家庭で女性の就職率は年々増加傾向にあります。
とはいえ、全体の27.6%は働いていないということになりますが、女性の離職理由にはどんなものがあるのでしょうか。
同じく厚生労働省が行った「21世紀成年者縦断調査(国民の生活に関する継続調査)」では、離職した女性のうち、31.9%が「出産・育児のため」を理由としていることがわかっています。
これは他の理由を大きく離し、一番多い離職理由です。
これらのデータからわかるのは、女性の仕事は子どもと密接に関わっているということです。
ちなみに男性の場合、離職理由として大きな割合を占めているのは、「能力・実績が正当に評価されなかったから」「給与・報酬が少なかったから」「会社の経営方針に不満を感じたから」などです。
どれも10%から15%ほどを占めていますが、これらの8つほどの理由で家庭に密接に関わる理由はありません。
非正規雇用で働く女性が多い
それでは、72.4%の働く女性の現状を更に細かく見ていくとどうでしょうか。
先ほどの「国民生活基礎調査」によると、働く女性の中でも正規職員として働く女性は、子どもの年齢がゼロ歳から中学生になるに従い、30%弱から20%ほどに減っていきます。
子どもが高校生になると25%ほどに回復しますが、それでも全年代の平均でみると、正規職員として働いている子持ちの女性はここ数年で20%をやっと越えたほどです。
一方非正規雇用で働く女性は、ゼロ歳の子どもがいる家庭で15%ほど、その後年齢が上がるにつれ働く割合が増え、子どもが高校生になると約半数もの女性が働いているのです。
正規雇用には限界がある場合も多い
子育て中の女性の多くが、働き方として非正規雇用を選んでいます。
以前からの仕事にやりがいを持っており、出産を経ても同じように働きたいという女性もいるでしょう。
しかし現在の日本ではまだまだ「育児は女性が担う」という意識が定着しており、育児に参加したい男性が育児休暇を取ることを嫌がる企業もあります。
男性が仕事を主に担う場合、保育園の送り迎えや、食事時間・就寝時間などの子どもの生活リズムに女性が合わせることになります。
また子どもが病気にかかった時には、急な対応を迫られることもあり、しかも保育園に通う年代の子どもが発熱することは少なくありません。
もちろん出産前と同じように仕事を続けることも可能ですが、周りからの助けは必須です。
・両親などの親戚からの協力
・時短勤務・時差出勤などの会社の制度
・急な欠勤などへの職場の理解
・状況に応じてシッターや病児保育、家事代行など外注サービスの利用
これらの手助けのほかにも、そもそも子どもを保育園に入れられず仕事に復帰できない待機児童の問題などもあり、出産前と変わらずに正規雇用で働き続けるのは女性にとって難易度が高いことです。
非正規雇用やフリーランスで働く女性が増えている
先ほども述べたように、非正規雇用で働く女性は正規雇用で働く女性よりも多くいます。
子どもが保育園、小学校に入ったタイミングなどで再就職活動を行ったり、社会人インターンや副業などを始めるためにサービスへ登録して転職・復職に乗り出します。
その中でも、独身時代に行っていた仕事のスキルを活かしたり、新たに勉強して身に着けたスキルを元にフリーランスとして仕事を始める女性もいます。
フリーランスであれば、多くの職種で時間帯や場所を選ばず仕事ができますし、週5、8時間勤務に縛られることもありません。
他にも、
・自分の裁量で仕事を受けるので、スケジュールの調整がしやすい
・子ども都合の急な休みを作りやすい
などの利点があります。
なによりも、出産・育児というブランクから自分のやりたいタイミングでキャリアをリスタートできます。
この利点を活かした職種が、女性フリーランスにも人気です。
例えばマーケティングであれば、市場の分析から施策の提案、施策の実施、結果の分析に至るまで、必ず出社してやらなければならない仕事はありません。
毎日長時間パソコンに張り付いている必要もなく、「なにが何でもこの日にやらなければならない」という仕事はそう発生しません。
しかも、最近は有能なマーケターは引く手あまたなので、仕事を継続的に獲得できるようにさえなれば、自分のやりたいペースで仕事を受けることができます。
女性フリーランスにマーケティング業務を依頼するメリット
ここまで非正規雇用、フリーランスで働く女性が多い理由を見てきました。
ここからは、女性フリーランスに仕事、特にマーケティング業務を依頼するメリットを3つ見ていきましょう。
理由①:女性ならではの仕事がある
フリーランスに依頼される案件の多くに、それぞれの性別ならではの感性が必要とされる部分があります。
例えば化粧品を売るためのマーケティング戦略をたてる場合で考えてみましょう。
マーケティングに関する知識が同じレベルのマーケターが2人いたとして、1人が普段から色々な会社の化粧品を自分で選んで使っている女性、もう1人が化粧品の有名ブランド名すらもあまりなじみのない男性だったとします。
あなたが化粧品会社の社員だったら、どちらにマーケティングを頼みたいと思うでしょうか。
男性マーケターでも、マーケティングの知識を使って市場リサーチや顧客の分析を行い、成果を出すことはできますが、女性マーケターの場合は、その知識に日常生活で培ってきた経験をプラスすることができるのです。
これは極端な例ですが、「女性だから」「男性だから」日常生活から触れている分野は確実に存在します。
そういった分野のマーケティングの場合、マーケターの採用を検討する条件の中に性別が入ることは企業としては当然のことです。
自分の企業が扱う商品が性別によって差がある場合は、そういった視点で女性フリーランスに仕事を頼むことはメリットとなります。
理由②:女性の方が共感力が高い
脳科学や人間科学の研究では、一般的に男性よりも女性の方が共感力が高いと言われています。
一方男性の方が共感などの感情よりも、目的のために本質を見据えて行動する傾向があります。
そのため共感が必要な広告関連の案件では、女性がディレクション・デザインしたものが多く使われています。
また最近のマーケティング手法として、YouTubeやデジタルサイネージなどの視覚に訴えるものが使われることが増えています。
視覚に訴えるマーケティングは理論で説明するよりも、まずは感覚でユーザーの心をつかむことが重要です。
「この商品が気になる」「つい目に留まってしまう」という部分が先にあり、その後で「この商品のこの点がメリットだから、私に適しているかもしれない。」という購買の理由付けが発生するのです。
それらの仕事では女性マーケターがディレクションした方が、ターゲットの共感を揺さぶるものを作れる可能性が高いということです。
もちろん個々の職業スキルがあるのは大前提ですが、特にBtoCの分野では効率やコストだけでなく、共感や感動などの感情が購買の理由になるものなので、女性の方が結果を出しやすい脳の構造になっていると言えます。
更にマーケティングでは、ターゲットの心理状況やニーズを分析によって想像しながら施策を講じる必要があります。
潜在・既存顧客へのアプローチでも、顧客に寄り添える方を起用することで、購買へつなげやすくなるでしょう。
理由③:人脈を生かした仕事をしている人が多い
「フリーランス白書2020」によると、女性フリーランスには以下のような傾向が見られます。
「人脈」や、「過去・現在の取引先」から仕事を受けている人が76.7%と、ほとんどの人が今までの人脈を活かして仕事を受けています。
また、「自分自身の広告宣伝活動」では男性と倍近くの差がついていました。
理由②の共感力の高さも理由としてあるのかもしれませんが、女性フリーランスの方が過去のつながりを活かして仕事の安定を得る人が多いということです。
フリーランスへの業務委託には、自社の理念や方向性を理解してもらい、二人三脚で仕事をしてもらう必要があります。
自社についてわかってくれている方が仕事がスムーズに進みますし、効率的に結果が出せます。
自社の理念に共感すればするほど、親身になってくれて、持っている技術を社員に教えてくれることも増えていくでしょう。
女性フリーランスマーケターを活用して競合と差をつけよう
この記事では、女性フリーランスの現状と、女性フリーランスに仕事を依頼するメリットについて見てきました。
現代は、職業の数だけでなく生き方も働き方も多様化し、自分らしく働ける場所を求める女性が増えています。
ブレーンスタイルにも、自分のスキルを活かして仕事をする女性フリーランスマーケターがおります。
女性フリーランスに仕事を依頼して、差別化できるマーケティングを行ってみませんか。