フリーランスというと、自分で仕事を選ぶ事ができて自由なイメージがあるかと思います。
その一方で、会社に雇われているのではないため、会社員のように会社に守ってもらう事ができません。
例えば税金を支払うとき、会社員だと会社が天引きという形で自動的に税金を支払ってくれるのに対し、フリーランスだと自分で申請する必要があります。
そのため、もし規定の金額が支払われていない場合、脱税したことになり、犯罪となってしまいます。
このようにフリーランスは自己責任でいろいろなことを行わなければならず、自分で情報をとって、自分の身を守らなければなりません。
そこで今回は、フリーランスにまつわる保険のトラブルについてお話ししていきます。
国の制度に関わる問題もあるため、自分で調べたりするのにハードルが高いと感じるかもしれません。
しかし、フリーランスになる以上自分で情報を獲得する必要があるので、ぜひ1度目を通してみてください。
フリーランスが入っておくと安心な、損害賠償保険
損害賠償は、仕事を行う上で相手方に迷惑をかけたときに、その損害に応じた金額を補填しなければならないというものです。
通常、業務委託などの契約書に損害賠償で請求される最大の金額について言及してあるので、注意して確認する必要があります。
しかし、いつ、どのような形で賠償請求をされるのかはわからないので注意が必要です。
知らない方も多いかもしれませんが、損害賠償から身を守るための保険も存在します。
損害賠償保険について、どのようなときに必要なのか、どのような保険なのかについて見ていきましょう。
損害賠償が請求される場合
どのような事が起こったときに損害賠償が請求されてしまうのかについて見ていきましょう。
情報漏洩が起きたとき
フリーランスが企業と契約を結ぶとき、秘密保持の契約が結ばれる事があります。
企業の情報は、例えば商品の情報や顧客の情報などが漏れて競合に知られてしまうと、企業にとって損害となります。
また、企業のツールのログイン情報なども共有される事があるので、情報の取り扱いに注意が必要です。
もちろん情報を外に故意に流出することはもってのほかですが、故意でなくても情報が抜き出されてしまうことはあります。
例えば、パソコンがコンピューターウイルスに感染して、パソコンないの情報が外部に漏れてしまうことや、スマホを損失して情報が漏れてしまうことです。
このような事態は気をつけていても起こってしまう可能性がありますが、それでも情報が流出してしまい企業が損失を受けた場合は、損害賠償が請求されてしまいます。
保険に関わらず、普段からウイルス対策のソフトを購入したり、パスワードを安全なものにしたり、機器を使い分けて重要な情報の保管場所を安全にしておく事が対策として考えられます。
納期が遅れてしまった場合
業務の納品が遅れてしまった場合も損害賠償を請求されてしまう事があります。
しかし、体調や親族に関する一身上の都合などでどうしても納品できない場合もあります。
会社のようにチームで仕事を行っているわけではないので、自分自身が倒れてしまった場合、誰も仕事を納品してくれはしません。
そのような非常事態になった場合には、すぐにクライアントに相談する事が大切です。
早々に納期が遅れるかもしれないという相談が入れば、クライアントも対応する事が可能となる場合も多いです。
対策としては、
・作業を細分化して目に見えるようにする
・それぞれのタスクの納期を細かく設定し、具体的にイメージしておく
・契約書に納期を遅らせられる旨を書いておく
などが考えられます。
損害賠償を受けないための注意点
損害賠償が起こることは避けようがないという事がわかっていただけたかと思います。
そのような事態を防ぐための方法を2つ紹介します。
損害賠償を受けないための方法①:損害賠償保険に入る
損害賠償の保険は、FREENANCEやフリーランス協会の「損害賠償保険」があります。
いずれも5000万円以上の補填額まで補償してくれ、また受注先のクライアントの損害まで補填してくれるので、安心してフリーランスとしての活動をする事ができます。
FREENANCEは審査制の保険なので、FREENANCEの保険を受けているということは、フリーランスとして信頼できるということを証明する効果もあります。
そのためぜひ入ることを検討して見てください。
損害賠償を受けないための方法②:契約書を確認する
契約書は難しく、相手の企業に任せてしまっている方も多いのではないでしょうか。
しかし、契約書は自分を守るためのものでもあるということを忘れないでください。
契約書の損害賠償で確認するべきポイントは主に2点です。
1点目は責任を負わなければならない条件についてです。
例えば、「重大な過失」の時のみに損害賠償を負うのか、小さなミスでも損害賠償の範囲となってしまうかなどが確認するべきところです。
責任の範囲が曖昧に設定されていると、様々な理由をつけられて、責任を負わなければいけないように言及されてしまう場合もあります。
2点目は、損害賠償を請求された時に負担しなければならない上限の金額についてです。
金額の上限が決まっていなければ、保険でも適応できないほど請求されてしまうこともあるかもしれません。
これらのポイントを確認した上で、企業と対等な関係で契約を結ぶ事ができているかを注意してください。
失業保険について
フリーランスになる方で、前の会社を辞めてからフリーランスとして独立された方は、失業保険をもらえるのではないかという疑問を持つ方もいらっしゃるかと思います。
結論からいうと、お金を受給することは可能です。
失業保険がもらえる条件から、どのような形で受給できるのかについて見ていきましょう。
失業保険とは
失業保険とは雇用されているときに、企業と働いている本人の両者が負担している雇用保険からまかなわれています。
そして失業保険は、再就職する意思や能力があり、積極的に仕事を探しているが、新しい仕事に就くことができていないことを条件として支給されます。
フリーランスとして活動している人は、仕事をしていますし、積極的に新しい雇用先を探しているという条件にも合致しません。
そのため、正確に失業保険を受け取ることはできません。
その代わり、再就職手当というものが支給されます。
再就職手当とは
再就職手当とは、ハローワークが離職者に早く仕事についてもらうことを目的として設けた制度で、就職祝い金というイメージです。
早く就職してもらうことが目的なので、いつまでに職についたかどうかが重要となります。
フリーランスになった人でも再就職手当を受け取るためには次の条件をみたした人のみです。
・事業開始の前日までに失業の認定を受け、その後の基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること
・1年を超えて勤務することが確実であると認められること
この条件を満たしている方は、ぜひハローワークへ足を運んでください。
自分が就職したわけではないので関係ないのでは、などと考えてしまっていてはもらえるものをもらっていないことになるのでもったいないです。
雇用保険に関するトラブル
フリーランスになると、会社に雇用されるわけではないのでフリーランス自身が雇用保険に入っていない状態となります。
しかしだからといって雇用保険と無縁になったわけではないです。
フリーランスが雇用保険について注意すべきことを2点紹介します。
雇用とフリーランスの境界が曖昧になっている問題
雇用とフリーランスとして業務委託を受けている状態では指揮権や監督権の有無という違いがあります。
例えば、雇用している人には労働時間、労働場所、仕事の進め方に関する細かい指示などをすることができますが、フリーランスに対してはそのような指示をすることはできません。
しかし、フリーランスとして業務を受けているのに、細かく指示をされたりしている場合もあります。
そのような場合は、虚偽請負ということになるので、企業に対して雇用という形式をとって、雇用保険を払ってもらうことも可能です。
フリーランスも人を雇用すると雇用保険が発生する問題
フリーランスも人を雇用することができますし、雇用側として雇用保険と関わっていかないといけないといけません。
株式会社のように法人でなかったとしても人に仕事をお願いするときには正式に雇用保険を払わなければならないのです。
ただし、雇用保険は一定の条件を満たさない短期間の労働者や親族に関しては対象にならないという注意点があります。
短期間の労働者とは、31日以上連続して依頼する見込みのない人、1ヶ月の労働時間が20時間未満であることという2つの条件のいずれかに該当する労働者です。
そのような場合でも、労災保険は払わなければならないというような条件もあるので、注意が必要です。
フリーランスは保険のことも理解する必要がある
フリーランスにまつわる保険や金銭のトラブルについて見てきました。
フリーランスになると、営業から顧客のアフターフォロー、契約のやり取りまで全て自分でやらないといけないということはよく言われています。
その中には、この記事でお話ししたお金や保険といった制度についてもある程度以上把握しておいたり、少なくとも調べてわかるくらいの基本的な知識が必要となります。
もちろん全てを完璧に勉強する必要はなく、先輩フリーランスの話を聞かせてもらうことで、その都度必要な知識の基礎をキャッチアップすることで簡単に追うことも出来ます。
どんな知識も正式に公開されている情報や、まとめられている情報があるので、心配する必要もありません。
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