フリーランスになりたいと思っているマーケターの方は多いのではないでしょうか。
特に人手が不足しているマーケティングの分野では、フリーランスに委託される業務が多いので、自分の希望する働き方でマーケティングに携わることができます。
しかしフリーランスにも会社員にも、メリットデメリットが存在します。
今回は吉兼氏のインタビューを通して、フリーランスと会社員、それぞれでマーケティングに携わることの魅力について見ていきましょう。
- 1 吉兼氏の紹介
- 2 デザインがデジタルシフトするという転機
- 3 Webディレクターとして事業の設計図を描く面白さ
- 4 フリーランスになった理由は「プレイヤーでいたい」
- 5 フリーランスになってもオンオフをはっきりさせる働き方を
- 6 独立や組織に属さないことについての不安
- 7 収入面への意識はどのように変わったか
- 8 フリーランスのイメージとの実際に始めてみてのギャップ
- 9 いまの仕事の魅力とこの先の展望
- 10 子どもがフリーランスになりたいと言ったら
- 11 吉兼さんにとってのマーケティングとは
- 12 自分で責任が取れる自由と自分で責任を取らなければならない不自由がある
- 13 フリーランスとしての自由を最大限に楽しもう
吉兼氏の紹介
インタビュアー:吉兼さんは、制作会社・広告会社でディレクターとして経験を積まれたのち、現在はフリーランスとして独立されています。
元々はグラフィックのお仕事をされていたそうですが、Webに軸足を移されて、現在はWebディレクターとして活躍されています。
長く企業にも在籍されていましたが、なぜフリーランスになったのか、フリーランスと会社員の違い、デジタル領域の業務の魅力などについてお話をお伺いできればと考えています。
それでは、吉兼さん、簡単に自己紹介をお願いできますでしょうか。
吉兼氏:先ほど簡単にご紹介いただきましたが、この業界に最初に入ったのは、グラフィックデザインからですね。ちょうどインターネットが始まった時代だったので、グラフィックデザインでデザイナーをやりながら、Webデザインとかディレクターの自然な流れでWebの方の仕事に進みました。
そこでデザインやディレクションを経験したのち、元々得意先で縁のあった大手の広告会社が、これからデジタルにシフトしていくというか、インターネットがいわゆるマスメディアの媒体に昇格するようなタイミングだったんですね。その縁もあって、大手の広告会社に入りまして、広告会社のデジタル専門部門で働いていました。
そこでデジタル専門子会社の組織が立ち上がったのに合わせてグループ間で転籍して、完全にデジタルシフトというか、インターネットのメディア・コンテンツなど、企業のデジタルマーケティング全体を担当する仕事になったということですね。
それを経験したのちにフリーランスになりました。
インタビュアー:ありがとうございます。最初はグラフィックデザインからということでしたが、なんでデザイナーになろうと思われたんですか。
吉兼氏:元々、イラストを描くのが好きで、自然とそういう仕事をしたいなっていう中で、グラフィックデザインのアシスタント、アルバイトから入ったんですね。そののちに、流れでそのまま社員になったっていう感じです。
デザインがデジタルシフトするという転機
インタビュアー:そのままグラフィックの道にとどまるっていう選択肢もあったと思うんですけど、今はデジタル、Webのほうにきていらっしゃいます。流れで気が付いたらそうなったってことかもしれないですけど、そのへんってどんな感じだったんですか。
吉兼氏:デザインの中にコンピューターが入ってきたことが大きかったですね。マッキントッシュがグラフィックのツールとしてすごく使われ始めた。
インタビュアー:ある世代以降の人には意味が分かんないと思うんですけど、そうですよね。あるときから、コンピューターでやることになったんですよね。デザインってね。
吉兼氏:衝撃を受けましたね。コンピューターでこういうことができるんだ、ちょっと触ってみようっていう好奇心からのめりこんだ感じですよね。
インタビュアー:最近でもそういう方まだいらっしゃると思うんですけど、デザイン系の方ってデジタルを下に見てたりとかあるじゃないですか。認めないとか。ともすると、デジタルとかWebって怪しいとか。そのへんはあんまりなかったですか。
吉兼氏:僕は全然そういうのはなくて、むしろ、新しいことに興味を持って、飛びついた世代ですね。そのタイミングで、大手の広告会社のグラフィックをされてる方は、2つに分かれたのかもしれないですね。インターネットでどんどん吸収していく方と、グラフィック、平面制作にすごくこだわりを持っていく方に分かれた感じがします。
インタビュアー:そこは多分、分岐点ですよね。今となっては完全にデジタルじゃないですか。なので、デジタルができないって今はどうなんでしょうね。活動の範囲が狭くなるんでしょうか。
吉兼氏:そうでしょうね。例えば、テレビCMをつくるのも広告会社の仕事のメイン業務ですけど、15秒・30秒で完結するテレビCMの続きをネットで見る形が出てきて。CMはほんとにきっかけであって、その後の、人とのつながりとか、商品を買ったり応募したり、もっと知ったりっていうところは、インターネットで見るっていう場合が多いと思うんですよね。そういうところをどうつくるかというのも、広告会社のこれからの仕事に関わっていくところで、その企画・提案するところが、広告会社ですごく学んだところです。
インタビュアー:グラフィックデザインから、今おっしゃった企画とか提案の仕事って、実は結構ジャンプしてるっていうか、やることがかなり変わったんじゃないですか。
吉兼氏:そうですね。グラフィックというのは平面制作の中で、いかにかっこよく作るかとかなんですけど、そこに、インターネットでインタラクティブの要素が加わって。
インタビュアー:久しぶりに聞きましたね。インタラクティブ。
吉兼氏:そういう要素がすごく加わるんで、そこをどう提供するかを考えるところが、面白いところだったんじゃないですかね。
インタビュアー:先ほど、デジタルの専門子会社を立ち上げるみたいなお話があったんですけど、どういうメンバーが集まって立ち上がったんですか。そういう組織って。
吉兼氏:広告会社は、四大を出て、普通に新卒として入社する人たちが多分多いと思うんですけど、時代が急速にインターネットにシフトしていく中で、1から育てることが難しいんでしょうね。外部でいろんな経験をした人を、もっと多く採用しないといけないっていう時代になったのかもしれないです。
そういう中で、デジタル系の知識を持っていたり、経験のある人たちをどんどん集めていくっていうことが企業として必要になってきたんじゃないですかね。そのタイミングで私もそういう仕事に出会ったっていう感じかもしれません。
インタビュアー:グラフィックのデザインって、それこそ、就職したときにはそんな職種はなかったってことですよね。そんな仕事はなかった。
吉兼氏:そうでしょうね。
インタビュアー:転身したあとはどうだったんですか。やっぱりグラフィックに戻りたいとか。
吉兼氏:今でこそ、デジタルは当たり前なことだと思うんですけども、当時は、これから爆発的な発展をとげるというタイミングでニーズの高まりもすごくあって、注目されてたんです。いろんな営業から、この企業にきてほしいとか、こういう案件に関わってほしいとか、かなり引きずり回されたと言いますかね。猛烈に忙しかった時代でした。
インタビュアー:そもそも、広告会社って忙しいんですかね。
吉兼氏:そうでしょうね。今では働き方改革とか言われてますけれども、僕たちがちょうど働き盛りというか、若い頃は、今とは考えられないぐらいの相当な残業時間を経験して。
インタビュアー:今では考えられない働き方してたんですかね。
吉兼氏:そうですよね。今は、そういう意味ではいい時代ですよね。
Webディレクターとして事業の設計図を描く面白さ
インタビュアー:さっき、CMのお話がちょっと出てきたりしたんですけど、企画提案みたいなことも含めて、結構いろんな領域に触れられたと思うんです。それを経て今はWebディレクターとして活躍されるようになった経緯ってどういった感じなんですか。
吉兼氏:インターネットの制作というのは1から10まで全部1人でできるわけではなくて、かなり、細分化された分業の制作なんですね。企画提案を考える人、それをデザインにする人、それらをコーディングする人と、システムエンジニアっていうのもいたり、インタラクティブデザイナーみたいな、今でいう、いわゆるUI/UXみたいな立場の考える人もいれば、あとは、つくったコンテンツをいかに見てもらうかっていう形で呼び込む施策を考える人であったり、全体を分析する人がいたり、いろんな人の関わりの中で専門化されていってる分野だと思うんですけど。
インタビュアー:すごい細分化されてきてますよね。
吉兼氏:そうですね。僕は、今までの仕事の中で、いわゆる最初の部分、企画提案を考える部門に面白さを感じ、だんだんそっちに仕事がシフトしていった感じかもしれません。
インタビュアー:じゃあ、企画から全体のディレクションっていってますけど、具体的には進行管理っていうか、PM的な。そんな役割でやって、プロデュースよりの見方もできる感じですか。
吉兼氏:そうですね。予算を確保したり、その予算をどういうところに割り振ろうか考えたり、あとは、営業さんとかマーケの人とか、映像をつくる人とかと内容をつめていったり。そういう全体設計というか、設計図を書く立場っていうか。つくっていく上で、そういうのがすごく面白いですね。
インタビュアー:テクノロジーはどんどん変わってるんで、この領域でやれることはどんどん増えるじゃないですか。キャッチアップとか大変じゃないですか。
吉兼氏:何でも見て、聞いて、とりあえず体験してみるっていう。SNSも、新しいものが始まったら、とりあえず1回やってみるとか。ずっと続けるかどうかは別として、どういう仕組みのモデルなんだろうとか、どういう流れで人が動くんだろうとかっていうものを、とりあえずいじってみて、つまむようにしてます。
インタビュアー:一緒にチームでやるってことなんですけど、一緒にやるスタッフの方とか、結構若くないですか。
吉兼氏:若い子も多いですよ。やっぱり。
インタビュアー:どうですか。そういうのって。
吉兼氏:あんまりそこに違和感はないですね。むしろ、一緒になって楽しむ。そこを、常に心掛けてやっている。
インタビュアー:すごいですね。今は、フリーランスっていうことなんですけど、会社に所属されてた期間も結構長かったんですよね。
吉兼氏:そうですね。僕はまだ、フリーランス初心者というか、まだ2年たってないので、まだまだ初心者なんですけど。
フリーランスになった理由は「プレイヤーでいたい」
インタビュアー:どうして、フリーランスになろうと思われたんですか。どのくらい前から考えたりはしてたんですかね。
吉兼氏:僕の場合はちょっと遅かったのかもしれないですね。フリーランスとか、起業する人って結構若くからする人もいますし、僕の場合はかなり遅かったパターンだと思います。会社員として働いてることも、それが自然だと思ってたし。
インタビュアー:自然ですよね。会社員になるって。当時の自然でした。
吉兼氏:かなり、過酷な労働条件の中で働いてたので、少し燃え尽きたっていうか、疲れたのもあったのかもしれないですね。あとは、広告会社のデジタル部門の子会社に配属されて、どんどん重要性が増してきて、組織が大きくなってくるんですよ。そうなると、だんだん私も働いてる中で部下を持つ管理職になってきまして。年齢的にも、プレイヤーとしてやっていきたい気持ちはあるけれども、会社がそれをなかなか許してくれないというか。
インタビュアー:会社員あるあるですよね。
吉兼氏:そうですよね。管理職として、部下の面倒をみたり、部署の数字を管理したり。あとは、部下の人たちの起こす問題を解決するためのトラブル対応に追われたりとか。
そういう仕事にどんどんシフトしていって、それが自然な流れなのかもしれないですけど、僕はもうちょっとプレイヤーでいたいなっていう気持ちが強かったのかもしれないですね。
インタビュアー:これからは分かんないですけど、当時の会社って、やっぱり管理職にならないと給料も上がらないっていうのがあるじゃないですか。
吉兼氏:そういうのもあったんでしょうね、多分。会社に管理職として定年までずっといるっていうっていうのが、きっと普通の流れなのかもしれないですけど。あとは、子どもが大きくなって、働いて巣立っていったっていうタイミングもあったと思います。
インタビュアー:いくか、みたいな。周りの反応とかはどうでした? ご家族とか。
吉兼氏:もちろん、会社の上の方には驚かれましたし、いたほうがいいんじゃないの?って言われましたし、いろいろと葛藤はあったんですけどね。でも、結構身軽にもなったし、どこまでできるかわからないですけど、ちょっと違うことをやってみたほうがいいんじゃないかって思ったことも事実なんで。それに、流れに乗ったという感じもあります。
インタビュアー:なんか、勝算みたいなのはあったんですか。
吉兼氏:そのあたりは、ポジティブ思考なので。この業界にも周りに独立してる人が結構いますし、そういう周りの状況も見ているとなんとかなるんじゃないのっていう気持ちもあったのかもしれないです。
インタビュアー:お子さんは巣立ってったってことなんですけど、奥さんはどうでした?
吉兼氏:びっくりはされましたけどね。
インタビュアー:だいたいもめるって皆さん。口を聞いてもらえないとか。
吉兼氏:いや、そんなことはないですよ。
フリーランスになってもオンオフをはっきりさせる働き方を
インタビュアー:そんなことはないですか、すばらしいですね。フリーになって、出勤とかないと思うんですけど、どうですか。働き方とか、変わったりしました?
吉兼氏:まだ、そんなに年月はたってないので。
インタビュアー:いやいや、でも、2年もたったら結構もう。
吉兼氏:まだ、会社員思考はありますよね。朝早く起きて。
インタビュアー:抜けない感じなんですか。
吉兼氏:抜けない感じですね。ただ、今のコロナの状況で、リモートワークとか、テレビ会議とか増えてきて。そういう形の劇的な働き方の変化は、ひょっとしたらフリーランスには向いてるのかもしれませんし。
インタビュアー:比較的、時間の融通がきいて、趣味とかしてるんですか。昼間に趣味を持ったりとか。
吉兼氏:結構いろいろインプットすることが増えたかもしれないですね。
インタビュアー:お休みは、基本はサラリーマン的な休みですか。
吉兼氏:はい。今のところは、5日働いて2日休みというのを意識してます。やっぱりリズムは大事かな。オンオフの切り替えが、働き詰めだとできない部分があるので、そこは、会社員時代からすごく意識してたと思います。
どうしても、忙しすぎたときも多かったので、ずっと仕事を引きずって、なかなか休めないっていう状況をなるべくつくらないようにずっと意識し続けてたというのが、まだ残ってるのかもしれないです。
独立や組織に属さないことについての不安
インタビュアー:僕なんかは自分で会社を起こした口ですけど、会社やめたときってやっぱり、ちょっと不安とか感じたりしました?
吉兼氏:僕の場合は、比較的少なかったかもしれないです。なにも全然ゼロからスタートしたわけではなくて、元々会社時代から続けてた仕事をうまく引き継ぎながら独立できたというのもありますし。あと、応援してくれる人もいたので、いくつかの会社さんとうまくお付き合いしながら、不安なく進められたのかなっていう気はしてます。
収入面への意識はどのように変わったか
インタビュアー:これ、皆さんにお伺いしてるんですけど、収入面はどうなんでしょう。ぶっちゃけ。
吉兼氏:まだ、ちょっとよく分からないとこはありますね。僕の場合は個人でやっていて、会社組織ではないので、経理とかも全部自分でやらないといけない部分がやっぱりありまして。そういうところは非常に分からないところが多いなと。難しいですね。
インタビュアー:税金、分かんないですよね。
吉兼氏:サラリーマンって知らない間に税金を引かれてるじゃないですか。だから全然意識せずに今まで働いてたなって思ってまして。今、すごく税金取られてるなって実感があります。
インタビュアー:確定申告とかもすると、すごい払いますよね。
吉兼氏:合法的にですけど、払う額を減らす方法ってどういう形があるかっていうのを、いろんな人に教えてもらいながら。
インタビュアー:でも、こんなに取られるんだっていうぐらいは収入はあるわけですか。
吉兼氏:普通ですよ。普通が高かったらやばいんですけど。ただ、僕は今もフリーランスなんで、そのぐらいまでだと思ってください。もっと儲かれば法人にすればいいんですけど、そこまではいってない。税金もあんまり払わず、仕事も忙しすぎずっていう、いいバランスのところで、いかに長く続けていけるか。
インタビュアー:いいバランスを保てるっていうのが、収入含めてのバランスだと思うんですけど、不安定なところもあるんですか。仕事がなくてとか。
吉兼氏:もちろん、毎月の中で年間通じて波はありますよ。そこは、月給もらってるときとは全然違うんで。制作系なので、今やってる仕事が納まるのって、何ヶ月か先になるじゃないですか。請求書を出しても結局振り込まれるのは翌月末、2カ月後とかになる。そこが、全然まだ馴染めていないところですかね。
インタビュアー:サラリーマンは毎月給料もらえますからね。おっきな会社とか支払いまでのサイクルが長かったりしません?
吉兼氏:そこは、あんまり一喜一憂してもしょうがないなっていうふうに思うようになりました。
フリーランスのイメージとの実際に始めてみてのギャップ
インタビュアー:フリーランスになる前となった後でのイメージのギャップというか、驚いたこと、逆に良かったこととかありますか。
吉兼氏:会社員との違いは、圧倒的な自由ですね。自由だけど、不自由というか。すべては自分次第だし、会社員時代だと絶対断れなかった仕事も、別にやらなくていいわけですから。
インタビュアー:それ、皆さん言いますよね。
吉兼氏:そういう意味では、責任のない環境というか、自由なんだけど、責任を持たないといけない箇所もやっぱりあるし、そのメリハリは大きいですね。
インタビュアー:こんな質問いいのかわかりませんが、フリーランスになってよかったですか。
吉兼氏:今はよかったと思ってます。どこにも所属していない。ただ、いろんなお付き合いのある会社はあるわけで、僕の場合はいくつか受託契約というか、辞めた会社ともつながってるし、外部パートナーとして昔お付き合いしてた会社と、またつながらせてもらう機会もあったので。1つの会社に所属してると、1つの会社だけのお付き合いですけど、今はいろんな会社と親しく、うまくゆるくつながっていけるっていう、そういう心地よさもあるなと思ってます。
インタビュアー:質問がかぶるかもしれないですけど、多分、吉兼さんがずっと会社に所属して仕事してきた環境でも、まわりにフリーランスの方はたくさんいらっしゃったと思うんですよ。そのときに見ていたフリーランスの方たちのイメージと、実際自分がなって、ギャップはありますか。
吉兼氏:さっきの自由と不自由っていう話もあったと思うんですけど、今まで会社員として、フリーランスの方に仕事をお願いする立場と、同じフリーランス同士で仕事のやりとりをする立場の、そこの違いは若干ありまして。そこは、先ほど言ったような責任ですよね。
なにかあっても会社が責任を取ってくれる環境と、フリーランスとして、ちゃんと責任をその人たちに取らないといけない環境。シビアな責任っていうか。そこは、強く感じるところがありますね。
いまの仕事の魅力とこの先の展望
インタビュアー:まだ2年目ですけど、この先ってどんな展望をお持ちなんですか。
吉兼氏:今は、まだこの先どうするかって野心はないんですけど、今の環境をどう継続させていくかっていうところですね。あと、お付き合いしている会社の組織が大きくなったり、増えていく楽しみを今感じてるので、お手伝いさせてもらってる会社が今後も大きくなっていくとありがたいなって思ってます。そうすると、また、面白い仕事もできるでしょうし、立場も変わっていくのかもしれないし。
インタビュアー:吉兼さんにとってはどういう仕事が面白い仕事?
吉兼氏:2つに分かれてて、もうかる仕事ですよね。面白い、面白くないにかかわらず、もうかる仕事。もう1つはお金はそうでもないけれど、いろんな人と関われたり、学びがある仕事。結構、二極化しますよね。
面白いけど、全然お金にならない仕事ばっかりやってたらつらいですし、多少お金にはなっても、全然モチベーションも上がらないし、やる気もないっていうような仕事ばっかりだと、また、それはそれでつらいんで。そのあたりが、うまくミックスさせつつ、バランスよくできたらいいですね。
インタビュアー:それは、先ほどのお話だと、ご自身で選べる、選択権があるってところですよね。
吉兼氏:そうですよね。もうかるけど、全然時間がないとか、よく分からないとか、責任をどこまで持ってるか分からないとか。会社員だとしたら、つらい仕事って思いながらやってたときもあったんですけど。
でも、それって別にやらなくてもいいじゃんって。ただ、やっぱり、お付き合いの中でどうしても受けないといけないっていうときは、ちょっと頑張ろうって踏ん張る仕事も、もちろんあるにはある。
インタビュアー:制作とか開発系の仕事って、吉兼さんにとってどういうところが魅力なんですか。
吉兼氏:プロジェクトの立ち上げでゼロからいろんな人と関わって、1つの形にしていって、それが世に出たときの喜びは代えがたいものがありますよね。それで、企業のキャンペーンが始まりましたっていうところは特にドキドキします。
子どもがフリーランスになりたいと言ったら
インタビュアー:ちょっと変な質問なんですけど。お子さん、もう働かれてると思うんですけど、お子さんがフリーランスになりたいっていったらどうしますか。
吉兼氏:もちろん自分の人生なんだから、最終的には自分で決めればいいと思うんですけど、フリーランスになる前に、会社員として働きながら経験をもっと積んでからの方がいいんじゃないかなっていうアドバイスはすると思います。
インタビュアー:そちらのほうが成功する確率は高まると。
吉兼氏:そうですね。フリーランスって自由だけど、逆にすごく不自由で責任もあるので、その責任をいかに発揮するか、できるかっていうのは社会人として、働いて経験するしかないと思うので。いきなり経験が浅いままフリーランスになるよりは、いろんな会社でビジネスを経験したのちにフリーランスになったほうが、絶対成功すると思います。
吉兼さんにとってのマーケティングとは
インタビュアー:皆さんに同じ質問をさせていただいてるんですけど、吉兼さんにとってマーケティングとはなんですか。
吉兼氏:僕の場合はデジタルマーケティングになると思うんですけど。先ほども言ったように、1人だけでできるわけではないし、信頼できる仲間と仕事でつながって関われたり、一緒にやってる会社が1つの形としてできあがることの楽しみとかかなと思ってます。ニーズって絶えず変わっていくと思うんで、やっぱりインプットは常に必要で、なんでも見て、学ばなきゃないけないなって思ってる状況ですね。
自分で責任が取れる自由と自分で責任を取らなければならない不自由がある
インタビュアー:吉兼さん、どうもありがとうございました。いろいろ興味深いお話をお伺いできたんですけども、今日のポイントは2つかなと思ってます。
1つはつながりや、ともに成長するという姿勢が、モチベーションを上げる。今までいろんな方のお話を聞いてきたんですけど、僕自身、これは聞いててすごくインパクトがありました。
フリーランスって単独で仕事する印象があるけど、そんなことはなくて、人と一緒に仕事をする、人とつながってやっていく。会社に所属してるとか、フリーランスとか関係なく、つながりとか、仕事を通してともに成長していくことがモチベーションになって、仕事が楽しいとか面白いとか、そういうことにつながっていくんですよっていうお話が印象に残っています。立場に関係なくベースは一緒なのかなっていうのは、改めて感じさせていただきました。
2つ目は、フリーランスはやっぱり、自由であると。何人かの方のお話をお伺いして、皆さんから自由ですってお話を聞いたんですけど、やっぱり自由なんだなっていうのは、今日改めてお話を聞いていて思いました。
ただ一方で、自由だけではなくて不自由っていう表現をされていましたけども、責任を1人で背負わなきゃいけないところも含めて不自由って表現されてると思います。自由と不自由があって、それでもやっぱり自由ですよということですね。嫌な仕事はしなくてもいいみたいなお話もあったんですけど、フリーランスはやっぱり自由だっていうのは、お話聞いてて改めて思いました。
Marketers Profile、いかがだったでしょうか。ブレーンスタイルでは、今後も活躍するマーケターの方々にスポットを当てたコンテンツを配信していきますのでご期待ください。それでは、今回はこれで失礼いたします。また、お会いしましょう。
フリーランスとしての自由を最大限に楽しもう
フリーランスマーケターの吉兼かずゆき氏のお話を通して、フリーランスマーケターの実情を見てきました。
フリーランスにはフリーランスなりの不自由や責任があるものの、それでも自分のやりたい仕事や働き方を選択できる自由度は会社員の比ではありません。
また自由ながらも、会社員と同じように人との関わりの中で成長していくことができます。
ブレーンスタイルが提供するマーケターマッチでは、フリーランスマーケターが自分らしく仕事を行えるような環境をつくるお手伝いをしております。
自分の得意な分野を活かして、周りと共に成長できる仕事を獲得していきましょう。