メールマーケティングは、メールの内容や配信のタイミングを一人ひとりのユーザーに最適化させることで、狙い通りにユーザーに動いてもらうことを目的とした施策です。SNSや動画コンテンツが台頭し、マーケティングの手法も多様化してきましたが、メールを利用したメールマーケティングは今でも最も身近な施策のひとつと言えるでしょう。
本稿では、メールマーケティングの概要やメリット、お薦めのメール配信システムなどについて解説していきます。これからメールマーケティングの導入を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
メールマーケティングとは何か?
メールによるマーケティング施策と聞くと、「メルマガ」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。購読してくれているユーザーに向けて一斉にメールを配信するメルマガは、マーケティングの手法としては最も知られた古くからある手法のひとつです。
一方メールマーケティングでは、ユーザー一人ひとりに最適化された内容のメールを、最適なタイミングで配信します。メルマガがすべての会員に「画一的にメールを送る」のに対し、メールマーケティングでは「ユーザーに最適化されたコンテンツを提供する」という点が大きく異なります。
「メールマーケティングは古い」の嘘
SNS全盛の時代にあっても、特にBtoB企業においては、メールは欠かせないコミュニケーションツールです。総務省の「令和元年版 情報通信白書」によると、インターネットの利用目的については、「電子メールの送受信」がほぼすべての年齢層で最も高くなっています。最も利用率の低い13~19歳の世代でも60%以上の利用率があります。
「ソーシャルネットワーキングサービスの利用」よりも「電子メールの送受信」の方がインターネットの利用目的に挙げられているのです。
参照:令和元年版 情報通信白書
HubSpot Researchが2019年11~12月に実施したグローバル調査によると、「直近12か月間にEメールへのエンゲージメントが増えた」と答えたマーケティング担当者の割合は78%にものぼります。EメールマーケティングのROI(投資対効果)は今でも上昇しており、最近の調査では、1ドルの投資に対して、42ドルの収益が得られているとのことです。
「メールマーケティングはもう終わった」。この言葉は過去10年以上にわたって繰り替えされてきましたが、実情は異なっています。メールマーケティングは今でも成果の得られる施策です。
メールマーケティングのメリット
まずはメールマーケティングにはどのようなメリットがあるのか、3つ紹介していきます。
メリット1:マーケティング施策として、高いROI(投資対効果)が期待できる
メールマーケティングのメリットとして、高いROI(投資対効果)が期待できることが挙げられます。まず、メール配信システムの利用料は、Web広告など他のマーケティング施策やサービスと比較して非常にリーズナブルなため、導入コストもランニングコストもあまりかかりません。
またメールの配信先となるターゲットについても、メルマガの配信に同意している登録会員であることがほとんどです。そのためすでにサービスや商品にある程度の興味や関心を持っていることが考えられ、コンバージョンにつながりやすい層へのマーケティングとなります。
低コストで導入・継続が可能で、しかもコンバージョンが上がる可能性が高いメールマーケティングは、高いROIが期待できる施策といえるでしょう。
メリット2:登録会員一人ひとりに最適な情報が配信できる
メールマーケティングでは、登録会員の属性や行動履歴などを把握、分析したうえで、ユーザー一人ひとりに最適化されたコンテンツを最適なタイミングで提供できることは、ほかの施策では見られない大きなメリットです。メルマガにしても他の広告にしても、全員に同じコンテンツを配信するためには汎用(はんよう)性の高い内容のものにする以外なく、多くのユーザーにとって訴求する内容とはなりません。
しかしメールマーケティングでは、ユーザー一人ひとりがカスタマージャーニーのどのステップにいるかによって、あるいは資料請求したなどすでに起こしたアクションに対して適切な内容のメールを配信できるため、ユーザーの反応は良くなります。メールマーケティングでは、One to Oneコミュニケーションに近い距離感を演出できるのです。
メリット3:容易に効果測定ができる
メールマーケティングのもうひとつのメリットは、効果測定が容易であることです。メールマーケティングでは、メールの到達率や開封率、メールに仕込んだリンクのクリック率などを測定できます。
あらかじめ目標とする指標を定めておけば、測定した数値を元に効果を測り、うまくいっていないと判断できれば改善を繰り返すなど「PDCAサイクル」を回すことが可能です。メールの質を上げ、効果を最大化していくことを考えると、容易に効果測定できることはメールマーケティングのメリットといえるでしょう。
メールマーケティングの施策に役立つ機能
ここからは、メールマーケティングの施策に役立つ3つの機能を紹介していきます。
HTMLメール
HTMLメールは、リッチテキスト(HTML)の形式で作成されたメールです。webサイトのようにHTML形式で記述することで、画像やリンクなどの要素を加えることが可能になります。テキストだけのメールより、デザインがきれいでブログのように読めることが特徴です。
ひと昔前まではプログラミングの知識がないと作成することが難しかったHTMLメールですが、最近では誰でも簡単にHTMLメールを作れるツールが増えてきました。メールの開封率やクリック率を検証するには、HTMLメールで作成しましょう。
最適なタイミングで情報を伝達
メルマガの登録者の会員登録日などを基点として、ユーザーのステップや行動歴にあわせてメールを配信する機能もあります。いわゆる「ステップメール」と呼ばれるもので、あらかじめ準備しておいた複数のメールを、スケジュールに沿ってユーザーに配信していくシステムです。
ステップメールを用いて、ユーザーが情報を必要とする適切なタイミングで、有益な情報を提供していけば、ユーザーを優良顧客にナーチャリングしていけます。見込み客だけではなく、購入後のユーザーに対しても、効果的な使用方法や合わせて使うとよい商品などをステップメールで伝えることで、リピート購入につなげることも可能です。
メール開封率に合わせたアプローチ
メールマーケティングでは、ユーザーに送ったメールの開封率や開封の行動歴を分析し、それに合わせてアプローチを変えることも可能です。ユーザーが興味を持って開封したメールタイトルの傾向や、メールを開封した人が多い時間帯などを調べたうえで適切なメールを配信すれば、購買行動につながる可能性を高められると考えられます。
またメールから購入された商品を分析すれば、レコメンドなどを提供するコンテンツを作成して配信するなど、ユーザーの関心に合わせた適切なアプローチができるでしょう。
メールマーケティングに活用出来るメール配信システム
メールマーケティングに活用できる、お薦めのメール配信システムを3つ紹介していきます。
WiLL Mail
WiLL Mailは、総務省が後援しているASPICクラウドIoTアワードを2015年から5年間連続受賞の実績がある信頼できるメール配信システムです。ドラッグ&ドロップのマウス操作だけで簡単にHTMLメールが作れるエディタが採用されているため、制作コストを削減できます。
開封率やクリック率などの配信結果も、グラフやヒートマップで視覚的に分析可能。初期費用不要で最低契約期間1カ月から利用できるのも安心です。もちろんスマホにも完全対応で、継続利用率が99%と高いことも納得です。
Benchmark Email(ベンチマークイーメール)
世界50万社に選ばれたメール配信システムのBenchmark Emailも、ドラッグ&ドロップの簡単操作でHTMLメールをデザインできます。自分でデザインするのが心配な方でも、500種類以上のデザインテンプレートが用意されているので安心です。
WordPressやFacebookなどのアプリとの連携も可能で、記事の内容をメールに最適化して配信します。効果測定以外にも、件名のABテストやブラウザ別プレビューなど機能も豊富。月250通までなら無料で利用できるトライアルアカウントもあるので、気軽に試してみてはいかがでしょうか。
参照:https://www.benchmarkemail.com/jp/
blastmail(ブラストメール)
20年の歴史があり、9年連続顧客導入数シェアNo.1を誇るのがblastmailです。はじめてメールマーケティングに取り組むひとでも簡単にメール配信できることを追求していて、マニュアルを読まなくても直感的に使用できます。
HTMLメールはもちろん、デコメールの作成にも対応。クリック率や開封率などの効果測定はもちろんHTTP(S)、XML-RPCとのAPI連携も可能です。月額料金は登録メールアドレス数によって変わるため、会社の規模にあったプランを選べます。
まとめ
メールマーケティングは、マーケティング施策のなかでは低コストで導入・継続が可能なため、企業の規模や業種にかかわらず活用できます。メールマーケティングを始めるときには、目的を設定し、施策にあった機能が備わったシステムを選定することが大切です。今回紹介したメール配信システムでは、HTMLメールの作成も容易にできるため、機能を十分に活用し、効果的なメールマーケティング施策を実施してください。