デジタルマーケティングを扱える人材はあなたの会社内に十分にいるでしょうか。
現在、多くの企業が、デジタルマーケティングがわかる人材の不足に悩まされています。
そしてマーケターが不足してしまうと、さらに採用がうまくいかなくなってしまいます。
なぜならマーケターとは、原因を分析して解決策を導き、好循環な仕組みを作り出すことを専門とする人材だからです。
採用マーケティングという言葉がある通り、採用にもマーケターが絡むとうまくいきやすいですが、そもそもマーケターを採用できなければ、優秀な人材も採用できないという悪循環に陥るのです。
今回の記事では、デジタルマーケティングの採用市場はどうなっているのか、デジタルマーケターが採用しにくくなっている理由、そして採用に成功するための方法についてみていきましょう。
webマーケターは引く手数多
webマーケターの採用を考えるにあたって、その背景についてみていきましょう。
まずは、webマーケターがどれだけ必要とされているかについてです。
webマーケターのニーズは増加している
株式会社電通による日本の広告費の統計によると、2018年の総広告費は前年比102.2%の65,300億円で、インターネット広告費は17,589億円と、全体の26.9%を占めています。
インターネットの広告費は前年比の116.5%となっています。
2020年には新型コロナウイルスの影響もあり、日本の総広告出稿費は前年比88.8%にまで減少しました。一方で、インターネットの広告費は前年比105.6%と成長を続けています。
このように集客の手段は、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌の4大マスメディアや、オフラインの看板、電車広告などから、インターネット上の情報へと変化しつつあります。
そこで、webから集客する方法についてわかるwebマーケターは重宝される存在となっているのです。
webマーケターは足りていない
2018年にエン・ジャパンが実施した「企業の人材不足」実態調査によると、
webマーケターの人材が最も必要とされる「IT・情報処理・インターネット関連」の企業で91%、「広告・出版・マスコミ関連」の企業で80%が、人材が不足している部門があると答えました。
参考:https://corp.en-japan.com/newsrelease/2019/16138.html
また、調査によりますと、国内のwebマーケターは2万人と推定されています。
日本の労働人口は6,868万人なので、たった0.03%しかいない計算となります。
一方で、デジタルマーケターの求人数は、7万人〜10万人だと推定されています。
求人の数は、実際のデジタルマーケターの数の4倍〜5倍にのぼる数なのです。
つまり、労働者の市場の中でデジタルマーケターは稀有な存在なのです。
参考:https://www.videoi.co.jp/news/181120.html
実際にマーケターとして働いている人材も、自分の会社内のマーケターが不足していると9割以上が考えています。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000030645.html
webマーケターの採用は難しい
webマーケティング経験者を採用することは難しいと、9割以上のインターネット広告代理店が考えています。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000072.000017442.html
デジタルマーケターの採用が難しい理由として、デジタルマーケターは転職することを望んでいないという傾向にあります。
マーケターは貴重な人材が故に給料も不満なくもらえていることが多く、自分の会社の中で成果を上げればあげるほど給料が多くなるという形態の場合もあります。
仮に元いる会社に不満があったり、ステップアップしたいと考えた場合でも、引く手数多なだけあって、独立するという選択肢を取る人も多くいます。
そのため、マーケターの中で転職したいと考えている人は、たった2%しかいないとも言われています。
マーケターを求める企業が他にもたくさんいる中で、その2%を取り合うのは大変なことです。
そのため、いかにしてまだ転職したいと真剣に考えていなかった潜在的な転職希望者にアプローチしていくかを考える必要があります。
webマーケターが今後も必要とされる理由
現状でニーズが高まっているマーケターですが、今後はマーケターの採用市場はどうなっていくのでしょうか。現在マーケターが求められている理由とともに考えてみましょう。
webマーケティングはトレンドのキャッチアップと専門性が求められる
広告費の総計の中で、インターネット広告が占める割合が4大マスメディアをここ数年で超えました。
デジタル広告の成長は今後も続くと考えられますが、その時デジタルマーケティングがわかる人材がより必要とされます。
デジタルマーケティングは、今インターネットを使っているユーザーがどの媒体に一番時間を使っており、どんな広告を打つことでどれだけの費用対効果を得られるかを考える必要があります。
しかもそのトレンドは、時代の流行とともに刻一刻と変化していきます。
さらには、インターネット広告は小さな予算から打つことができるため、中小企業や個人でも参入することができ、競合は多くなっています。
そんな中で成果の出る広告を打つためには、広告の専門家で、常に時代の最先端の情報を取り入れているマーケターの存在が必要不可欠となります。
役割が細分化され、必要なマーケターの数が増える
現在のデジタルマーケティングの主な手法として、SEO、ホームページ、SNS、広告が挙げられます。
ホームページを作れるマーケターの中でも、デザインにこだわらず成果が出ることだけを考えたホームページを作ることができる人から、プログラミングまでできて、とてもこだわったホームページを作れるようなマーケターまでいます。
広告を担当するマーケターと言っても、SNS広告を専門としている人や、Google広告を得意としている人など、広告の種類の数だけマーケターが細分化されています。
各施策を実行できる人から、戦略を考えるコンサルティングを専門とするマーケターまでいます。
ITの発達や流行するアプリの変化に伴って、今後もマーケティングの施策は増える可能性が高いですし、それにより、市場で求められるマーケターの数はどんどん増えていきます。
今後も、マーケティング人材の不足は加速し、マーケターの採用が更に激化する可能性があります。
マーケター採用に成功するためにすることとは
現状も、今後もマーケティングの採用は難しいということがわかりましたが、そんな中でもマーケターの採用を諦めるわけにはいけません。
どんなことをするとマーケターの採用につながるのか、そのポイントを5点確認していきましょう。
① 求める人材と待遇を見直す
マーケターの採用がうまくいっていない場合、自社が求めるマーケターはどんな人材で、どんな条件を出してどんな見せ方をして採用しようとしているのかを今一度考える必要があります。
ここまで見てきたようにマーケターの仕事は多様化しているので、マーケターの中でもどんな仕事を任せたいのか明確に書かないと、マーケター側も応募するのが難しくなります。
また、マーケターは引く手数多なのも理解しないといけません。
他の会社がどんな採用条件で募集しているのかを見て、その条件よりも高待遇の条件を出さなければ、選ばれるのが難しくなるのは当然です。
待遇と言っても、ただ給与や就業時間だけではなく、福利厚生や社内のイベント、研修制度の充実度、休みの取りやすさなどどのポイントを魅力的に感じるかは人によって異なりますので、他社の情報を集めて検討してみましょう。
② 採用広報を強くする
最近は、アプリを使って採用をするという手法が主流になっています。
マーケターを採用するにあたっては、wantedlyやキャリアバイトなどの求人情報を扱うwebサイトが最もよく使われています。
これらのアプリを使っている人は、マーケティングや営業職に興味関心のある、優秀な人材が多いです。
wantedlyでは、自身の会社の社風に関するブログや、社員の言葉を載せることができ、より会社について理解を深めてもらうことができます。
また、まだ転職する意思が顕在化していない人に向けては、SNSでの発信が効果的です。
Twitterでは社長や社員ががどんなことを考えている人なのかということがわかりますし、TikTokでは動画を用いて会社内の雰囲気などを見てもらえます。
採用を全面に押し出すのではなくて、有益な情報を発信する人、考え方が似通っている人、雰囲気の良い会社だと覚えられることによって、いざ転職を本気で考え始めたときに真っ先に思い出してもらえる存在となることを目的としています。
③ 複数のエージェントに登録する
まだまだ採用市場で求職者が一番集まるのは、リクルートやマイナビなどの転職エージェントです。
求職者の母数が多いので、それだけ求める人材とマッチングできる可能性も高くなります。
エージェントに登録して情報収集をしている人材は、転職することに対して積極的なので、すぐに採用につながるケースが多いです。
コストこそかかってはしまいますが、いつかの採用のために投資をするのではなく、すぐに採用に繋げられるというメリットがあります。
④ 様々な採用手段を考える
採用を成功させるためには、採用できる可能性のある、あらゆる手段を試すことが有効です。
大きく分けて3つの方法があります。
1つ目は、ダイレクトリクルーティングという方法です。
ダイレクトリクルーティングとは、採用媒体を介さずに、企業側が求職者に直接声をかける採用方法です。
採用媒体を介していないので、手数料を払わずに済みます。
また、採用担当者が厳選した候補者に声をかけるので、自社の求める人材像にマッチした人材を採用できる可能性が高いです。
一方で、一人一人声をかけて採用する必要があるので、労力がかかる上、そもそも求める人材を探し当てることができないというリスクがあります。
2つ目はリファーラル採用という方法です。
これは、社員やその友人の紹介で、自社にマッチした人材を採用することです。
この手法も母数は少ないものの、自社の雰囲気や求める人材像について理解した人の紹介した人材と接触することができるので、求めていた人材とのミスマッチを減らすことができます。
最後がポテンシャル採用というものです。
ポテンシャル採用は、経歴よりも潜在能力を優先して採用するという方法です。
例えばSNSのフォロワーが1万人いる人は採用する、というものであったり、バズるツイートを考えてみてください、という問題を出したりするものです。
この方法は、マーケターとして成果を出せるような考え方やスキルがある人材を採用することができます。
このように、あまりみられない採用の手法を組み合わせることで、より優秀なマーケターの採用につなげることができます。
マーケティングを業務委託人材に任せた方が効率的
マーケターの採用市場は、マーケターの数に対してマーケターを求める企業の数が多く、競争率の高い市場となっています。
そんな中でマーケターの採用に成功するためには、上記で見てきたポイントを含め、様々な施策を行う必要があります。
採用するのも難しいですが、労力をかけて採用した後も、独立などで離職してしまう恐れもあります。そうなってしまうと、採用にかけたコストに費用対効果が見合わないということも起こりえてしまいます。
そこで、マーケティングを業務委託人材に任せることを検討してみてはいかがでしょうか。
転職をしたい経験豊富なマーケターを探し、自社のメンバーとして採用するのは難しいかもしれませんが、経験豊富なフリーランスのマーケターを見つけることはより簡単です。
フリーランスのマーケターは、時間の融通も利きますし、様々な案件を同時に抱えることもできるからです。
優秀なマーケティングの業務委託人材のそろうプラットフォームもあるため、一度相談してみることをおすすめします。