クラウドソーシングという言葉をよく耳にしますよね。
クラウド(“crowd”)=群衆、ソーシング(“outsourcing”)=業務の外部委託であり、文字通り、webサイトなどを使って不特定多数の人に仕事を発注することです。
かつては、業務を安く発注するためだけに利用されるというイメージが強いものでした。
しかし、近年では中小企業がコストを削減するために利用する他、大企業でも新規事業を立ち上げる際にリスクを減らすためアウトソーシング人材に依頼したりと、戦略的に活用されるものとなってきました。
時代の変化が激しい現代では、様々な環境の変化に対応できるように体制を整えておく必要があります。
そのために有効なアウトソーシングについて、そのメリット・デメリットやうまく活用する方法について企業側の視点から詳しくみていきましょう。
クラウドソーシングのメリット
人気が高まっているクラウドソーシングですが、その理由とは一体なんでしょうか。
メリットを4つ見ていきましょう。
①有力な人材を活用できる
自社にない専門的な知識やスキルが欲しいと思った時、採用という形で手に入れるのはなかなか困難です。有能なスキルを持った人材は引っ張りだこですし、たまたま職探し中のスキルを持った人と出会うのは更に至難の技です。
クラウドソーシングは事業を進める上で、その時その場で欲しい人材の力をすぐに借りることができるという点でとても有効なサービスなのです。
②コストの削減
従業員として雇用してしまうと、解雇することはなかなか難しかったり、社会保険や福利厚生など、様々な余剰金が発生してしまいます。また教育にもお金がかかってしまいます。
必要な時だけ、必要な量、仕事を依頼することで、人件費が固定費としてかかって切迫することを防げるというのは、財務面でのメリットといえるでしょう。
③従業員の負担を減らせる
従業員の長時間労働などの問題が大きくなっている現在、外注できる仕事は積極的にクラウドソーシングを使うことで問題を解決できます。
従業員は成長につながる仕事だけをしたり、やりたい仕事により時間をかけられるようになります。それによってよりモチベーションがアップしたり、有力な人材に育ったりするので企業にとってもメリットとなります。
④ビジネスをスピーディーに
新たな事業を立ち上げるとなった場合、そのための人材集めは非常に苦労しますし、金銭的なコストやリスクも考えなくてはならず、時間を要してしまいます。
しかし、クラウドソーシングで人材を集めようとすると、スポットでだけ入れる人なども活用し、欲しい人材をすぐに集めることができ、リスクも少ないのでスピーディーに新規事業に挑戦することができます。
クラウドソーシングの問題点
一方で、クラウドソーシングは手放しで良いものだと言えない側面ももちろんあります。次からは、クラウドソーシングのデメリットを3つ見ていきましょう。
①社内のメンバーが成長できない
外部委託した人材が業務をこなしても、そこで得た経験やノウハウは会社の財産とはなりません。せっかく案件をこなしたとしても、すぐにその人材は他のところに行ってしまうからです。
自社の人材として雇用するのも、教育や経験をさせるのもお金のかかることですが、そうやって成長した人材は会社の財産となるので、ある程度必要な投資であることは念頭に置いておく必要があります。
②自社のノウハウやスキルが流出してしまう
クラウドソーシングによって一緒に仕事をすることになる人は、あくまでも外部の人間です。業務をする上で過度に教え込んでしまうと、自社の強みであるスキルやノウハウを持っていかれる可能性があります。
「クラウドソーシングした人材がライバル会社に行ってしまう」くらいに思ってリスク管理をした方がいいかもしれません。
③発注相手を見極めるのが難しい
クラウドソーシングでは、直接会話をせずに仕事を依頼する必要があります。仕事を任せる以上、締め切りを守ってくれるのか、途中で投げ出したりしないのか、情報漏洩をしないのか、といった不安要素は決してなくなりません。
一緒に仕事をしていける相手なのかを見極めるためには、過去の業務経歴やスキル、口コミなどをフル活用して、人柄を吟味する必要があります。
クラウドソーシングは多様になっている
クラウドソーシングの業務内容としてどのようなものを思い浮かべるでしょうか?
ライティングやデザインや翻訳など、スキルさえ身につけていれば、パソコン一台あればどこでもできそうな仕事、データ入力をはじめとする単純作業などだと思います。
それも、実力が定かではないような人材が、単価を下げざるを得ない中で競い合っていると思っていませんか?
実は、クラウドソーシングで依頼できる業務の幅、人材のスキルレベルの幅は大いに増えていっているのです。
多種多様な仕事の種類
クラウドソーシングで頼める仕事として、戦略コンサルティングのように、会社のことを深く理解した上で上流にアドバイスするような施策を実行する業務もあります。
また、マーケティング全般を委託し、集客をしたいという目標の達成のため、考えうる施策を複合的に行ってくれるような業務も依頼できます。
マーケティングの外注というのは、コンテンツマーケティングとして記事や動画の制作をしたり、広告を打ったりするだけではありません。
コンテンツを作る上で、実働するメンバーを取りまとめるディレクション業や、マーケティング施策の分析、そもそもどの施策を複合的に行っていくのが良いかといった戦略を立案することまで頼むことができます。
もはや、企業にCMOをおかずとも、クラウドソーシング人材にマーケティングを全て投げることさえできてしまうのです。
幅の広いスキルや経験の保持者が登録している
クラウドソーシングで獲得できる人材が必ずしも、フリーターの経験しかないわけではありません。
かつて企業のCMOを経験していた人も登録しており、企業にお手伝いで入ってもらうことができるのです。
またフリーランスの世界でやってきた方々も、フリーランス激戦の時代で案件を獲得していけるのは並大抵な実力ではありません。
プラットフォーム側が綿密にインタビューしたり、案件を依頼する前に実力を図ったりするケースが多いので、スキルの面では十二分なレベルと言えます。
クラウドソーシングの活用方法
クラウドソーシングは、性質を理解した上で上手な使い方をすると、会社を成功させる戦略の立役者ともなってくれます。
クラウドソーシングを有効的に活用していくための具体的な方法を3つ見ていきましょう。
①コストを抑制するための活用法
クラウドソーシングは不特定多数に対して募集し、直接契約を結ぶことができるため、従来の外注よりも安く発注することができます。
またクラウドソーシングはどんどん競争が激化しているため、値段は安くなる傾向にあります。
作品を提出してもらい、その出来上がりから比較するコンペ形式。
クラウドソーシング上で単純な仕事を大量に安価で発注するタスク形式。
このように、大量に応募が来るため安価で発注できる仕組みが整っています。
定期的に発生する単純な作業を外部に委託することで、コストを削減することができます。
②一般集合知として利用する
自社の業界を知り尽くしている社員ももちろん商品開発を行いますが、お客さんの目線にたって商品開発をすることも求められます。それは業界を知りすぎていない、クラウドソーシング人材の方が適任かもしれません。
例えば、新商品の開発案をクラウドソーシングで募集した事例もあります。その後、良い案をアンケートの人気投票で募り、商品のヒット確率を上げる工夫をしています。
また、パッケージデザインを募集し、1000件以上応募を獲得した事例もありました。
商品の開発段階から募集やアンケートをとることで、消費者が開発に関わっているように感じ愛着を覚えるので、SNSの口コミで販売促進を狙えます。
またマスコミで取り上げられれば宣伝効果を狙うことができます。
③リスクを減らして新規事業に参入できる
新規事業を始めるにあたっても、業務委託人材は有効に使えます。
その新規事業の実現可能性が不明な場合、そのために人材を新たに採用しても継続できるかどうかわかりません。採用後に、撤退してその社員に払うお金がなくなってしまうことは避けたいはずです。
そんな人材をクラウドソーシングで募集すると、新規事業の分野に経験のある人材や専門的なスキルを持つメンバーを集めることができます。成功する見込みが立ってから正式に採用すればいいのです。
新規事業のアイデアを試してみる敷居は低くなり、イノベーションを起こすことが可能になるという戦略があります。
おわりに
企業が環境への適応力を高めるためには、クラウドソーシング人材を活用することによって身軽になると同時に優秀な人材を確保する必要があります。
企業の数はあまりにも多く、人材を一社で抱えておくよりかは、あるスキルを専門的に身につけているような貴重な人材をシェアし合うことが必要となってくるでしょう。
その上では、信頼できるプラットフォームで、一緒に仕事をしたいと思えるような人材と巡り合う必要があります。
ブレーンスタイル社が提供する、マーケティングに特化した業務委託人材をご紹介するシステムでは、多種多様なスキルや経歴を持つ人材を揃えております。
御社の状況を事細かにヒアリングさせていただいた上、ピッタリとハマるような人材をお探ししますので、是非一度お電話をいただければと思います。