コミュニケーションスキルがないマーケターは仕事を失敗しやすい理由

マーケターにとって必要なスキルとは、と考えるときに、コミュニケーションのスキルが必要不可欠という話は今までもしてきました。

しかし、どんな業務内容であれ、仕事をする上では少なからずコミュニケーションが必要となるはずです。

ではなぜ、マーケターにはとくにコミュニケーションスキルが重要だといわれるのでしょうか。

今回は、マーケターの働き方から分析し、マーケターにコミュニケーション力がないと失敗する理由と、どうやってコミュニケーション力を身につけられるのかについて見ていきましょう。

マーケターにコミュニケーション力がないと失敗する3つの理由

悩んでいる姿

マーケターにはコミュニケーションが必要とはいわれていますが、なぜマーケターは他の仕事よりも特にコミュニケーションを取ることが必要なのでしょうか。

理由は3つあります。

①:組織で仕事をするから

マーケティングの業務は、様々な業務を行うメンバーと密接に関わりながら行います。

なぜなら、マーケターの仕事とは、自分の専門とする業務だけをずっと行い、その業務のプロフェッショナルとなるような仕事ではないからです。

マーケターの仕事を大きく2つ取り上げます。

何よりも大事な1つ目は、売り上げなど会社の目標として持っている数値に責任を持ち、その数値を達成するために力を注ぐべき箇所を見定め、その部分にテコ入れをしていきます。

2つ目は、1つ目で行うテコ入れのために、メンバーの配置を考えたり、成果に直結しない部分は外注化するなどして、全体が円滑に進むように指示を出したりする役目です。

例えばYouTubeを運用するときのことを考えます。YouTubeを運用するには、以下のようなタスクが存在します。

・競合のリサーチ
・企画の発案
・台本の作成
・サムネイルの作成
・タイトルの決定
・動画の撮影
・動画の文字起こし
・動画編集
・動画の確認
・アップロード
・分析

それぞれ、台本の作成はライターに、サムネイルの作成はデザイナーに、動画の撮影は演者に、動画編集は動画クリエイターに依頼することもあります。

また、動画の文字起こしや動画のアップロードといった、業務を行う人が変わっても、成果に直結しないような業務は極力外注することができます。

一方で、以下は成果に直結することなので、マーケターが時間を使って自分の頭で考える必要があります。

・競合をリサーチし、どのような動画が伸びているのか市場感を理解すること
・サムネイルやタイトルなど、動画の伸びに直結するものを考えること
・動画の成果を分析し、効果検証をして次の動画の方針を定めること

このように、マーケターが業務を行う上で大切なことは主に2つあるといえます。

・事業において、成果に直結する大事なポイントを見定めること
・自分のリソースをその大事なポイントに集中し、成果に直結しない部分はメンバーと連携しながら組織で仕事を回していく

ここでもし、他の業務を行っている人との連携がうまくいかなくなるとどうなるでしょうか

例えば、マーケターだからといってデザイナーの業務内容が理解できず、デザイナーにとって無理のある動き方を頼んでしまったり、デザイナーのプライドを傷つけるような発言をしてしまうと組織として仕事が円滑に進みません

マーケターは専門家たちを統率することで全体として成果を生み出していく役目を負っているのに、専門家が力を発揮できないような環境にしてしまっては元も子もありません

マーケターは顧客の目線に立って、どんな商品だったら欲しいか、どんな商品だったら認知してもらえるのか考え続けるのが仕事です。

そこで、一緒に働いているメンバーの気持ちを考えられないようではマーケター失格です

②:マーケティングとはどのような業務かわかりにくいから

マーケティングは、企業の中でどのようなことを担当していて、どのような業務内容なのかということがなかなかわかりにくいです。

例えば、営業マンの仕事内容は、

・アポイントを獲得すること
・営業先に行って営業先でクライアントと話し、課題を聞き出すこと
・案件を獲得すること
・既存のクライアントとの関係を良好にするために定期的にお伺いすること

というように業務内容が誰から見ても明瞭で、わかりやすく売り上げの成果につながっています。

同様に、先ほどのYouTubeの運用をする場合を考えてみましょう。

動画を作っているのは動画クリエイターですし、動画を撮影しているのは演者ですよね。ではマーケターは何を担っているかといわれると、曖昧な方もいるのではないでしょうか。

ここでマーケターが担っている仕事は、

・競合をリサーチして市場感を把握
・動画の伸びに直接関わるところを考える
・成果を分析する

ということが挙げられます。

売り上げを上げることに責任を持って、売り上げを上げるために一番大事なポイントを見抜き、その成果に直結するところをどうやったらうまくいくのかを試行錯誤し、改善していきます。

試行錯誤をする際にも、どうしてこのような仮説を立てたのか、仮説の検証をすることによってどのようなことを確かめたいのかを説明できるようにならなければいけません。

また、その仮説を検証するために、他の要素は同じ条件にし、仮説検証したい部分のみ変更し、顧客の反応がどう変わるのかについて効果を検証する必要があります。

しかし、仮説の全てをそのような方法で検証するためには検証の試行回数が多くなり、とても時間がかかります。

お金や時間をかけて検証しているのでしたら、その検証の必要性や妥当性についても社内で承諾を得る必要があります。

社内で承諾を得るためには、具体的にどういう仮説を立てて、その仮説を検証するためにどういう実験を行ない、その結果どういう成果が出たのかを論理的に説明できると、納得してもらうことができます

こうして自分の業務について具体的に説明できるようになることが、マーケターには求められます

③:クライアントとの関係構築をする必要があるから

クライアントのマーケティング業務を行うときにも、クライアント目線で、どのような業務を担当してもらえているのかがわかりにくいです。

マーケティングの仕事の専門性や経験の必要性がクライアントに伝わっていないまま業務を進めてしまうと、「思っていたより、プロの仕事をしてくれていないな」とクライアントの信頼を損ねてしまうこともあります。

そんな事態を避けるために重要なのがコミュニケーションです。

コミュニケーションをとってできることは、大きく2つあります。

1つ目は、案件を始める前の期待値を調整するためのコミュニケーションです。クライアントの仕事を行うときには、クライアントの期待値を事前に調整することが大事です。

このような業務を行い、それぞれどのような専門性の必要な業務で、その結果このような良い成果が出ることが期待でき、だからこの単価で仕事を引き受けるということをクライアントと共有する必要があります。

期待値を調整していないと、思ったより仕事をやってくれない、この程度の仕事しかやってくれないという失望につながってしまうため、継続して仕事を獲得できなくなります。

2つ目は、実際に業務が始まってから、自分が行っているタスクについて報告をすることです。

タスクを行い始めたときは、まず10%ほどの少しの作業量をこなしてから報告して方向性が間違っていないかどうかを確認します。

そして、50%、80%、100%と完成度によってこまめに報告することで現段階での進捗度合いや、行っているタスクが先方のイメージしているものと相違がないかを確認しながら進めていきます

そのほかにも、現段階で成果が出るためにはどのような仮説を立てて、その仮説を検証するためにどのようなことを行っているのかも報告しなければ、しっかりと仕事をしてくれているのか不信感を抱かれてしまいます

マーケターに必要なコミュニケーションを取るための2つのコツ

ポイント

マーケターにとってコミュニケーションが必要な理由がわかったところで、仕事を円滑に進めるためのコミュニケーション力の上げ方を見ていきましょう。

2つあります。

①:相手の目線で考える

自分自身がマーケティングについてわかっていたとしても、マーケティングの業務に詳しくない周囲の人が自分の働き方を見たときにどう思うのか考えるようにします。

周囲の人から見て、自分がどのような仕事をしているのかわからなくなってしまわないか、そのときにどう思われてしまうのか、自分が仕事をしていないように思われてしまわないかということを考え、コミュニケーションを取る必要があります。

相手の目線で考えることは、マーケターの真髄なので、是非とも取り入れる必要があります。

②:ひたすら詳細にコミュニケーションを取る

コミュニケーション上のトラブルのいちばんの理由は、コミュニケーションの量が少ないため、相手がありもしないことを考えてしまったり、不信感を感じてしまうことです。

そのためコミュニケーションは、多すぎると思うくらい行って初めてスムーズに進みます

頻度もですし、どのような考えのもと行動しているのか、どのようなスケジュール感で動く予定なのかについても逐一共有することでうまくいきます

マーケティングをうまくこなすにはコミュニケーションスキルを磨く

スキル

マーケターにコミュニケーション力が必要不可欠な理由を見てきました。

マーケティングは明確なスキルがない分、コミュニケーションをとりながら組織として成果を発揮し、クライアントに求められることを行うことで信頼を勝ち取ることができます。

コミュニケーションのスキルは、このようなスキルだと学ぶことは難しいです。

そのため、マーケターとして仕事を引き受ける経験を増やし、その経験の中で学んでいくことがいちばん早く習得できる手段です。

まず、マーケターの仕事を、フリーランスマッチングプラットフォームなどから簡単に引き受けることから始めるのはいかがでしょうか。

信頼や実績を積み上げる前でも仕事を獲得しやすいので、実際に案件を獲得してこなす中で、スキルを身につけていくことが可能です。

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