最近、YouTubeのチャンネルや、動画広告で、アニメーション動画を目にする機会が増えていませんか?
しかしいざ自身の会社で、宣伝のためにアニメーション動画を作るとなると、「コストがかかりそうなイメージがある…」「その割に、どんな効果があるのかわからない…」などの不安があるのではないのでしょうか。
アニメーション広告は見てくれた人に、商品の情報を整理して伝えられ、親しみを持ってもらいやすいというメリットがあります。
この記事では、アニメーション動画の特徴やその効果、有効活用するにはどうすればよいかについてご紹介します。
アニメーション広告の強み
アニメは日本では文化として根付いており、馴染み深いものではありますが、海外でもアニメーション動画の広告が注目され、利用され始めているのです。
そこまでアニメーション動画の広告が注目されている理由を深掘りしていきましょう。
ここでは3つ紹介します。
理由① 商品の理解が進みやすい
動画広告は、文字情報に比べ、同じ時間に与えられる情報量が多いです。
アメリカの市場調査会社フォレスターリサーチ社James L. McQuivey博士博士の研究によると、動画は映像、音声、文字と3種類の情報を提供でき、1分間の動画で、webページ3600文字分の情報量があるといった研究結果もあります。
テキストは、お客さんが能動的に情報を読み進めないといけないという負担があります。
商品の説明が難しい場合は、文章だと理解するのにも一苦労です。
一方動画広告では、動画を流している間、お客さんは受動的に情報を受け取ることができます。
情報を視覚的に整理しながら伝えられるアニメーション動画では、音声やBGMも用いて、理解しやすい形で商品を紹介することもできます。
それでは、実写の動画ではなく、アニメーション動画であることの強みとは何でしょうか。
無形のサービスやとっつきにくい複雑な商品である場合、アニメーションは特に有効です。
商品やサービスの機能であったり、その商品を購入することでお客さんが得られるメリットについて、目に見えないものでも視覚的にわかりやすく説明することができ、イメージしてもらいやすいです。
商品の理解を促進することで、営業マンが直接説明せずとも、動画を見たお客さんが商品を購入する確率を上げることができます。
理由②出演者のイメージに左右されない
商品の広告で女優やモデルを出すと、その広告の印象は、女優やモデルのイメージに引っ張られてしまうことがあります。
広告に写っているモデルの好感度によって商品の印象が変わってしまったり、そのモデルと自分の年齢層などの属性が違うだけで、「自分には合わない商品なのかな…」と思われてしまうこともあります。
そもそもモデルが好かれたとしても、商品に興味を持ってもらえたわけではないので大きな意味はないですよね。
その出演者がスキャンダルや炎上を起こすと、悪いイメージがつくというリスクさえあります。
実際に、商品のみの広告画像と、女優と商品とが映った画像とのクリック率を比較すると、商品のみの広告画像の方がクリック率が高くなるというABテストの結果があります。
一方でアニメーションの場合は、キャラクターを使用することができ、視聴者に悪いイメージを持たれることはありません。
むしろ親近感を与えることができ、企業により親しみを持ってもらいやすくなります。
顔の見えないインターネット上でのやりとりは怪しいと思われることから始まるので、親近感を持ってもらうことは信頼されるための大きな一歩となるのです。
理由③ 幅広いお客さんに対応できる
アニメーションは、文字情報やキャラクターの動きで、音がない状態で見ているお客さんにも情報を伝えることができます。
広告を見てくれているお客さんは、「動画を見るぞ!」と万全の状態で動画を見る人だけではありません。
電車の待ち時間やカフェなどで音声を出さずに見ている可能性もあります。
電車の車内や街のディスプレイなどに表示されている動画は、音声なしで見られることを想定しなければなりません。
そういう場合にも、分かりやすくて注目を引くアニメーション動画は、効果のある広告なのです。
また、アニメーション動画は海外に向けて発信することも簡単にできます。
アニメーション動画では、音声以上に視覚的に訴えかける情報量が多く、アニメーションの動きを見せるだけでも内容を伝えることができます。
もちろん音声や文字だけを入れ替えることも簡単にできます。
アニメーションのデメリット
いいことづくしのアニメーション動画ですが、導入を検討するためには、デメリットも考慮する必要がありますよね。
アニメーション広告の弱みを3つ確認していきましょう。
弱み① コストがかさみすぎる可能性もある
アニメーション動画では、アニメとしてのクオリティにこだわりすぎると、とてもコストがかかってしまう可能性もあります。
アニメーションでは表現が自由なため、こだわりを持って制作に取り掛かってしまうと、意味のないところをこだわってしまったり、演出の派手さや斬新さにばかり目がいってしまうことがあります。
しかし、そもそもその広告は商品が売れることを目的として作っているはずです。
お客さんが購入してくれる可能性を高めることにつながらないのに、ビジュアルにこだわってお金と時間のコストがかかってしまうのは非常にもったいないことです。
これは、動画自体のクオリティではなく、目的に沿った部分を拘ることにリソースを割くように意識すれば解決されます。
弱み② 完成物のイメージが一致しないことがある
アニメーションは実写動画に比べ、抽象度が高いものです。
抽象度が高いということは、それだけ表現の仕方が自由であり、表現の幅が広くなります。
そのため、制作を依頼した側がイメージしていたものと、制作者が実際に作った動画とのずれが大きく生じてしまうことがあります。
ですので、依頼主と製作者とが、完成物のイメージについて綿密なやりとりをする必要があります。
弱み③ 共感を生みにくい
先ほど実写動画のデメリットとして、出演者の属性と視聴者の属性が合わなかったときに、視聴者は自分に向けた広告ではないと思ってしまうことをあげました。
これは逆に言うと、視聴者の属性と演者の属性がぴったり一致したときにとても共感してもらうことができます。
また、現実の世界が出てくるのでよりリアリティのある動画となり、視聴者の感情を動かすことができます。
一方で、アニメーションのキャラクターは現実味がありませんし、自分自身と重ね合わせることはできないので、実際に商品を使っているところを思い浮かべたり、キャラクターの気持ちに共感することは難しいのです。
アニメーションは商品の性能や機能などの情報を伝えることは容易にできますが、共感を生んで購入を促すことは苦手だと覚えておく必要があります。
アニメーション動画の有効活用の仕方
以上のような特性があるアニメーション広告ですが、どうすればあなたの企業のマーケティングに有効活用することができるのでしょうか。2つのコツを見ていきましょう。
コツ① アニメーション制作を内製化する
弱点として、動画の製作者と依頼者が綿密なコミュニケーションを取る必要があることを取り上げました。そして、それを最も効率良く達成するための方法は、制作を内製化することです。
「アニメーション制作なんて内製できるの?」と思われたかもしれませんが、実は簡単にできます。
「VYOND」などのアニメーション制作ツールを使えば、パワーポイントのように、感覚的にアニメーションを作ることができます。
内製化することで、費用は抑えることができます。
また、社内でスケジュールを調整できるため、すぐに制作したりと柔軟に対応することができます。
コツ② マーケティングの視点から制作する
動画広告は、動画を長い時間見てもらった上で、商品に興味を持ってもらうことが目標となります。
そのためにはどんな動画を作るのかを徹底的に考える必要があり、視聴者の視点に立ったマーケティングの考え方は必須です。
動画広告は最初の数秒で興味をひいて、続きを再生してもらうようにすることが大切です。
また、ストーリ性を持って飽きさせない構成にしつつ、視聴者に、次にどのような行動をとってもらいたいかを明確に伝えなければ、目的としていた商品購入にはつながりません。
自社の商品の自己満足な説明動画にならないために、この情報は視聴者にとって必要な情報なのか、難しい言葉を使いすぎていないか、などを考えて動画を作らなければ、すぐに視聴者に離脱されてしまうので注意が必要です。
アニメーション動画を使いこなそう
アニメーション動画の活かし方のイメージはついたでしょうか?
あまり知られていませんが、簡単に作れるツールも存在するので、アニメーション動画は決してハードルの高いものではありません。
一方で、見てもらえるアニメーション動画を作るためには、視聴者が動画の続きを見たいと感じてくれるかをひたすら考えるというマーケティング視点が必要です。
自社のことを深く理解し、綿密なコミュニケーションが取れるマーケティング人材を活用して、アニメーション制作に取り掛かるのはいかがでしょうか。