AIに奪われる仕事、奪われない仕事

最近、チャットGPTを利用する機会が増えています。周りで使う人も増えてきているようですが 結構いろいろな事ができるので驚いています。


もともとCopilotを使っていたのですが、最近チャットGPT Proを契約してみて、その機能の幅広さと高度な処理能力に衝撃を受けました。オペレーター業務はもちろん、ディープリサーチ、ディスカッション相手としてもとても有能です。
資料作成も下書きをAIに任せれば、仕上げるのにかかる時間は大幅に短縮されますし、調査や分析にも長けているため、業務の補助どころか、ある種の専門家としての役割すら果たしてくれて大助かりです。
このレベルの技術を活用できれば、従来のようにアシスタントとして人を雇う必要はなくなってしまいますね。実際、経験を積んだビジネスパーソンなら、AIの力を適切に活用することで一人でも十分な業務がこなせるようになるでしょう。

一方で利用し始めて感じたことのひとつは、「考えなくなる危険性」です。AIを活用することで業務のスピードは上がりますが、なんでもAI任せにすると、思考力を鍛える機会が減り、逆にうまく使いこなせなくなる可能性が出てきます。
特に経験の少ないビジネスパーソンがAIを使って業務を進めると自分が指示して作成したものではなく、「AIが作成したもの」を自分の仕事として出して行くことになる可能性があります。やはり大事なのは「どのようにAIを活用するか」という視点なのではないでしょうか。


例えば、デザインの世界には「アートディレクター」という職種があります。アートディレクターは、デザイナーに指示を出し、作品の方向性を決める役割を担います。この構図をAI時代に置き換えるなら、デザイナーを生成AIに置き換え、ディレクターがAIを使いこなす形で仕事を進めることができます。
しかし、ディレクションの役割は簡単には代替されません。ディレクターという役割には豊富な経験と高度な判断力、創造力、そしてコミュニケーションスキルが求められます。
ただし、AIと何度もディスカッションを重ねて行く事で、あたかもディレクターが指示したものと同じレベルのものが上がってしまう可能性もあります。そういう点は「怖い」と言えるのかもしれません。


AIによって仕事が奪われるという議論がありますが、奪われない仕事とはどんな仕事なんでしょうか。前述のようにクリエイティブな領域でもかなりの範囲で奪われる可能性があります。
ポイントは、「AIをどう活用するか」になるのではないでしょうか。ビジネスパーソンには単に指示されたことをこなすだけではなく、業務の本質を理解し、創造的な視点を持つことが求められます。そして、そのためには経験やスキルの蓄積が不可欠です。
その一つは、AIを使いこなす「プロンプト力」と言い換えればいいでしょうか。適切な問いを投げかけ、AIの力を最大限に引き出せるかどうかで、成果が大きく変わる。単なる「指示を受けて仕事をする人材」から、「考え、創造し、AIを操る人材」へと進化することが、これからのビジネスにおいて必須のスキルになって行くのではないでしょうか。