AIによってマーケティングはどう変わるのか

AIによってマーケティングはどう変わるのか

最近、孫正義さん関連の書籍を読み返しました。私は以前ソフトバンクグループの企業に在籍していたことがあり、孫さんの存在はどこか身近に感じています。彼のビジョンには一貫した流れがあります。IT革命、インターネット革命、デジタル革命——そして今、彼が見据えているのはAI革命です。

 実際、私自身も日々の業務でAIを使う機会が増えています。特に検索行動は、従来の検索エンジンではなく、生成AIに置き換わりつつあります。私の周囲でも、ChatGPTやCopilotのようなツールを業務に活用し資料作成や情報収集、アイデア出しをする人が増えています。

 このような変化は、マーケティングの現場にも確実に波及しています。たとえばSEO。従来はGoogle検索で上位表示されることが重要でしたが、生成AIの普及により、ユーザーが検索エンジンを使う頻度そのものが減少し、サイトトラフィックが落ち込んでいるという声も聞きます。代わりに注目されているのが「LLMO(Large Language Model Optimization)」という新しい概念。AIに最適化された情報設計が、今後のマーケティング戦略の鍵を握るかもしれません。

 広告運用の分野でも、AIの活用は進んでいます。たとえばサイバーエージェントでは、広告レポートの作成業務をAIに任せる取り組みが始まっています。人間が行っていた作業の多くが、AIによって代替されつつあります。

 では、人間の役割はどうなるのでしょうか?私は、AI時代においても「人がやるべき仕事」は確実に残ると考えています。作業系の業務はAIが代替してくれるのである意味楽になるかもしれません。AIに任せられる作業が増えるからこそ、人間にはより高度な判断力や創造性が求められるようになります。たとえば、マーケティング戦略の全体設計や、ブランドの世界観を形にするクリエイティブな仕事。あるいは、複数の専門家やツールを束ねてプロジェクトを推進するディレクター的な役割。こうした「考える仕事」は、今後ますます重要になるでしょう。AIを使う、使いこなす側に立てるかどうかが、ビジネスパーソンとしての価値を左右する時代が来ているのです。

 この変化に対応するには、教育のあり方そのものを見直す必要があるかもしれません。日本の学校教育は、長らく「正確に指示通りに作業をこなす力」を重視してきました。これは高度経済成長期には非常に有効だったかもしれません。しかし、AIがその「正確な作業」を代替できるようになったら、私たちが育てるべきは「問いを立てる力」や「自ら考え抜く力」を持つ人材です。

 これからの教育は「優秀な従業員」を育てるのではなく、「変化を創り出すプレイヤー」を育てる方向へとシフトすべきなのです。これは学校教育に限らず、社会人教育や企業内研修にも当てはまります。

 現役のビジネスパーソンにとっても、他人事ではありません。リスキリング(学び直し)やマインドシフト(思考の転換)が不可欠です。これまでの経験やスキルに固執するのではなく、「今、自分は何を学ぶべきか」「どうすればAIを使い共存し、価値を発揮できるか」を問う姿勢が求められます。

 AIに仕事を奪われるとは思いませんが、AIを味方につけて飛躍するか、単なるツールとして使うだけか。その分かれ道は、すでに目の前にあると考えます。

最後に

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