能力、スキルの伸ばし方とは
最近もAIに関連する話題が多いですね。日々の業務でもChatGPTなどをそれなりに使っていますが、最近のバージョンアップには正直ちょっと驚かされることがありました。
先日、あるミーティングの議事録をお願いしたところ、出来上がってきたものが実際の内容とまったく違いました。まずいなと思ってすぐに修正を求めたら、返ってきたのはこんな回答でした。
「僕が過去の類似原稿のパターンを参考にしすぎてしまい、実際のデータに基づかない情報を混ぜてしまったことが原因です」
AIから“言い訳”が返ってくるところが面白いです。僕って、男の人だったんですね。あっさり非を認めてくれましたが、優秀ではあるけれど、指示通りにやらない。そこに逆に人間っぽさを感じて、笑ってしまいました。
仕事柄、毎日のようにいろいろな人材と出会います。優秀そうな人、伸びそうな人、停滞している感じの人。「優秀さ」とは何か、日々考えさせられます。
その人はなぜ優秀だと評価されるのか。具体的にどの部分が、どう優秀なのか。なぜ優秀なのか。突き詰めていくと、その定義は案外曖昧です。
最近は、就職先としてコンサル会社の人気が続いているようですね。うちの子どもの周りでも、就職先はほぼ外資系コンサルで固まっているらしくて、ちょっと驚きました。
でもその一方で、「コンサルに入ったからといって、全員が優秀な人材に育つわけではない」といった冷静な声もあります。確かに、優秀な“風”にはなれるかもしれないけれど、それが本質的な力かどうかはまた別の話かも知れません。
では、どうすれば「優秀だ」と言われる人になれるのか。あるいは、能力やスキルはどうやれば伸ばしていけるのか。
結論から言えば、「こうすればOK」という万能の方法はありません。ただ、共通点はあるのではないでしょうか。たとえば、自分の考えを持っている人。誰かの意見やトレンドを鵜呑みにせず、自分の頭で一度“こねる”力がある人。そして、細かくても実行し続けられる人。目の前の1つ1つの仕事に対して、仮説を持ち、試して、振り返る。あとは、当たり前のことをしっかり当たり前に出来る人。
結局、地味な積み重ねなのですよね。
スキルや能力の正体って、外から見えるアウトプットだけじゃ測れません。その背景にある思考や習慣こそが、本当の“伸びしろ”なんだと思います。
議事録AIの話に戻りますが、あのエラーの原因も、過去のパターンに頼りすぎて「ちゃんと見る」「ちゃんと考える」プロセスをすっ飛ばしていたことにあったのかも知れません。(すっ飛ばす、がプログラムされているのであればかなり人間的だと思いますが‥。)
つまり、優秀そうに見えても、“自分の頭で考えなくなった瞬間”に、パフォーマンスは下がるのかもしれません。大事なのは「どれだけ良い情報を知っているか」ではなくて、「その情報をどう扱い、自分の力に変えていけるか」。
優秀さに、決まったフォームはありません。けれど、“自分の頭で考え続ける”ということだけは、どうやら共通の条件になっていそうな気がします。