業務委託活用の進化とは
近年、業務委託という形で人材を活用する企業が急増しています。弊社ではデジタル/マーケティング領域でのサービス提供を行っていますが、問い合わせは前年比で大きく伸びており、企業側の人材獲得戦略に変化が生じていることを肌で感じています。
なぜ今、業務委託なのでしょうか。背景には、中途採用市場の深刻な競争があります。特にデジタル/マーケティング系職種は希少性が高く、そもそも市場に人材も少なく、求めるスキルを持った人材は他社との奪い合いになるケースが多いようです。さらに、採用に成功してもステップアップ志向の強い人材が多く3~5年で転職してしまう実情もあるようです。
費用面でも採用に比べてリーズナブルで、採用リスクがなく、ミスマッチ時のリスクも限定的なことから、短期プロジェクトや専門性の高い業務においては、むしろ最適な選択肢と受け取る企業が増えています。
人材側の意識変化も無視できません。コロナ禍以降、会社員という働き方だけにこだわらず、「自由な働き方」「複数のプロジェクトに関わる柔軟性」を求める人が増えています。弊社の登録希望者数も右肩上がりで増加し続けており、この流れは一過性のものではなさそうです。
採用の難しさに加え、優秀な人材が短期間で転職することも多いため、業務委託の活用は今後さらに重要になってくるでしょう。もちろん、社員を採用し「内製化」にこだわる企業も依然として多く、業務委託を本格的に導入するかどうかで悩まれるケースもあります。
ただ、最近では社員と業務委託者を上手に組み合わせ、中期的なチーム編成を考える企業も増えてきました。あるスタートアップ企業では、まず業務委託でプロフェッショナルな体制を築き、その後、必要な人材を段階的に受け入れることで、競争力のある組織づくりに成功しています。
市場の環境から、採用についての考え方を再定義する時期が来ているのかもしれません。業務委託は単なる一時的なリソース補完ではなく、変化に強い組織を作るための有効な一手となりうると捉えてみてはいかがでしょうか。